【白銀の黒帝:4】精霊と無能者

八木恵

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5章:学園都市編

弟子たちは、学園の入学試験へ

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入学試験の日。

食堂では、リオンとレイモンドを送りだすカールの姿がある。
「頑張ってくださいね。 あと、言いつけは守るようにね」

「はい。 俺は風だけで、雷、転移は使わない。 指輪もしてある、イヤーカフもつけてある。 魔武器も使わない」と返事をするリオン。
「うん、僕は水だけで、転移は使わない。 制御の指輪もしてある、イヤーカフもつけてある。 同じく、魔武器も使わない。」というレイモンド。 
彼らの返事に満足したカールは、優しい笑みを浮かべる。
「よろしい。 では、いってらしゃい」
「「いってきまーす」」と元気に返事をして、食堂のドアから出ていくリオンとレイモンドだった。

実は、シュンとリンは予定を変更して、既に神獣竜界と魔界へ行っている。 
形だけの試験というのと、入学準備のほうが慌ただしくなるのを見越してだ。 
来週の合格発表前に戻る事になっている。

ちなみに、試験を形だけといっているのは、シュン達だけである。 
一応、名門の学園なので、それ相応の学力が必要なのだが、魔術を使っている時点で、高等部で教える内容は既に学んでいるリオンとレイモンドだが、当の本人達は知らない。。

◇◇◇
その日の夕方、試験を終えて帰ってきたリオンとレイモンドは不思議な顔をしていた。

カールがリオンとレイモンドにエールを渡しながら、「なんか何とも言えない顔してますね。」というと、
エールを受け取りながら、レイモンドが「筆記は精霊魔法以外は簡単すぎて。。 数学は四則演算だけだし、魔法学はないし、なんかなー」という。 
リオンもエールを受け取って、「ああ、拍子抜けした。 実技は精霊魔法使えないって言ったら受けさせてくれないし、魔法は使えるっていたけど駄目だった。 だけど、剣術は楽勝だったし。。」といいながらエールを飲む。 

レイモンドもエールを一口のみ「僕も同じだ。 でも笑い堪えるのが辛かったな、リオン」といって笑いだす。
「そうそう、精霊魔法って演唱するんだな。 俺ら2人で必死だったよな。 初めて、精霊魔法みたけど、すごいのか?」というリオンに、「僕もわかんなーい。」というレイモンド。 
そして、お互いを見あって「「無能者って言われた!」」と爆笑するのであった。

「久しぶりに言われたけど、悔しくもなかったな。 言ってればって思った」というリオンに、
「そうそう、魔術のほうが、かっこいいもんな」というレイモンド。 
嬉しそうに頷きながら、「やっぱ、無演唱だよ。 俺ら魔術でよかったよ」とリオンもいうのであった。

それを聞いて、彼らに初めて会った時は泣いてばかりだった頃を思い出しつつ、それだけ強くなった事でしょうか。
というか、このぐらいの精神力じゃないとシュンさんのしごきについて行けないのですが。。。と心の中で苦笑いするカールであった。

◇◇◇
一方、ここは学園の会議室。
教師陣の採点が終わり、貴族は基本試験免除の者が多く、各生徒のクラス分けについて話あっている。 

ある教師が「今年は、王女、アクア家長女、イグニス家次女、サンド家長女、マクレーン大公嫡男にオールディス大公の嫡男ですか。 しかも全員上流または特級精霊と契約しているとは優秀ですな。」というと他教師が「中流貴族ですが、ユウヤ・ハーディーは、なんと5種類の精霊と契約して、しかも特級です。 この若さでギルドにも登録して、わずか数か月でランクDだそうです。 これは逸材かと」といって盛り上がっている。 

すると別の教師が「この平民2人で無能者なんですが、異質の子達はどうします?」と聞くと「ああ、筆記は精霊魔法系以外はすべて満点、実技魔法0点、剣術満点か」という。 
周りの教師陣は「はぁーなんですかそれ! 魔法使えないなら、不合格でしょ。」と言っている。

「なんでも精霊と契約していないとか。 それも、有り得ない話なんですがね。 
 しかも信じられないのがギルドランクはC。 しかも仮ではなくて、本カードでですよ。 
 それに、初等教育受けてないんですよね。 しかも、保護者が21歳で若くて食堂経営しているとか。 
 合格でも入学金払えるわけないんで、不合格でいいかもしれないですね」と資料を読みながら話している。

その教師達の会話を聞いた学園長が立ち上がり「その資料をみせなさい」ともらい受けとるのだった。
学園長は、資料を読みながら「実技魔法の試験を受けさせていないようですが! なぜですか?」と批難し、試験担当だった教師に聞くのだった。 

「精霊魔法が使えないというので、魔法は使えるといっても生活魔法では試験の意味がないからです。」と言い訳をいう。 

それを聞き、学園長が纏う雰囲気が変わり、眼光は鋭く、冷たい目で実技担当の教師へ、そして会議に参加している教師陣に向かう。

「言い訳にはなりません。 これは、我々側に非がありますよ。 
 精霊魔法の前は、演唱魔法が主流だったんですよ。 もしかしてという可能性があります。 
 それに、勝手な判断は、職務怠慢としか言えませんよ。」

「しかし、演唱魔法は難しく、我々教師陣でも中級がやっとです。 それを15歳の子が使えるとは考えられません。」と発言する。 
「そうです、わが学園に無能者を入れるわけにも!」という教師。
「ギルドランクだって、本当かどうかも。 そっちを疑ったほうが!」という発言もでる。

学園長は、机を”バーン”と叩き、「黙りなさい!」と、教師陣を一喝する。

「ギルドランクについては、願書の時点でギルドに照会しています。 不当なわけないでしょう! 
 それに、この子達の保護者には、私が既に面会しています。 
 立派な方で、初年度は最下位クラスでもいいと承諾を受けています。 
 それに、この若さでギルドランクCですよ。 有望として判断します。 異論は聞きません。」

学園長は、その日、教師陣の偏った考えを正す必要があると決心するのであった。
そして、心の中で、なぜ食堂なんですか黒帝様。 
機会があれば行こうと密かに住所を覚えるのであった。
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