高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

八木恵

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2章:俺の双子たちの話

運動会

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小学校にはいってというよりも僕の人生で初めての運動会。
1年生は、徒競走に玉入れ、あと選抜で選ばれる、対抗戦リレーっていうのに出る。
これでも、足の速い僕は、選抜に選ばれてるんだ。

「烈様! がんばれ!」ってユキの声。
「烈様、やったれ」って青の声。
うん、さっきから、まだ僕の徒競走の番じゃないのに大声援だよ。
そう、とある一角にござ敷いて、家にいるやつらが応援にきている。
しかも、純和風洋式だし。 せめて、テントとかちょっと近代的に。
で、父さんはいつも通りキャップかぶってラフな格好。 ひい爺ちゃんは和服だし、他も様々。 周りには見えないけど、小間妖怪たちもわらわらいる。

まだ、昼前なのに、父さんとひい爺ちゃんはお酒のんで、タバコふかしてる。
ひい爺ちゃんは、キセルだけどね。

「あれがお手伝いなのか?」って沢井君。
同じ並びで走る事になってる。
「うん」って僕。
「それにしても、純和風だね」って佐藤さん。 後ろにいた。
もうつっこまないで。
「ひいお爺ちゃんの趣味なんだよ」って僕。 それにしか言えない。

そして、僕の番。
大声援の中、走ったけど、一番で到着。
そしたら盛り上がる、応援団だよ。 うん、ちょっと静かにしてほしい。

◇◇◇
お昼は、豪華な純和食の弁当類がならんでる。
「さすが若。 ぶっちぎりのトップでしたね」ってユキ。 おいなりさんとってくれた。
「あのさ、来てくれるのは嬉しいだけど、その大声援だけはもうちょっと控えてくれないかな」って僕。
「あはは、これでも人数減らしてきてやったんだぞ」って父さん。
「そうじゃ、陸の時は、本家の半分で応援にきたもんじゃ」ってひいお爺ちゃん。
まさか、父さんも子供の時、同じ思いをしたってことって思ってジト目でみておいた。
ニタリ笑ってる父さん。

「野呂瀬さん」って佐々木先生だ。
「先生?」って僕。
「うわぁー、すごい豪華な料理ですね」って第一声が料理かよ。
「烈の担任の先生ですか。 どうぞ、どうぞ、召し上がっていきなさいな」ってひいお爺ちゃん。
「もしかして、烈君のひいお爺さんですか?」
「ええ、いつもひ孫がお世話になっておるようで」ってひい爺ちゃん。
「ちょっとお邪魔します」って佐々木先生、靴脱いで、さっそく卵焼きとって食べてるよ。
「うわぁー美味しい」っていってるし。
「それで、先生なんか用事があってきたんじゃねーの?」って父さん。
「あ! 料理が美味しくて夢中になる所でした。 えっとですね、この後、親子徒競走があるんですよ。
 本当は上級生の親子のみの参加なんですが、参加するはずの子のお父さんが怪我して不参加で一枠あいてしまったんですよ。
 それで、烈君は足早いし、野呂瀬さんにも参加してもらえないかと」って先生。
父さん、参加したらぶっちぎりになっちゃうって。
僕だって、かなり抑えて走ったのに。
「陸、先生がおしゃっておるんじゃ、参加してやれ」ってひいお爺ちゃん。
「まぁいいけどよ」って父さん。

「申し訳ないんですけど、一緒にきてもらっていいですか?」って先生。
「烈、いくぞ」って言われて、僕も父さんと一緒に先生についていった。
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