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3章:総大将の帰還

久しぶりにやられた②

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Side:海
庭で一斉に水浸しになった我々だ。
総大将である陸はみつからず、とりあえず叫んだ。

「お爺ちゃんに、お父さん、お母さんにおにいちゃん、ずぶ濡れだ」って小雪が鞠もってきた。
「小雪、あなたどこいってたの?」ってユキ。
「銀髪のお兄ちゃんに遊んでもらってた」って小雪だ。

「「はぁ~」」」」っていっきに溜息がでる。
総大将がこのいたずら始めたきっかけがわかったからだ。
星也は青筋たててる。

「それで、銀髪のお兄ちゃんはどこにいったのかな?」って星、眉間にしわがよってるぞ。
「玄関でまたねってばいばいした。」って小雪。
「「「逃げたな」」」ってみな一斉にいった。

「とりあえず、片付けて、準備のし直しだ。 その前に風呂だな」って儂。
どっとすでに疲れたぞい、陸。

◇◇◇
Side:星也
本家にいったら、あいつ総大将のいたずらで、大変になっていた。
今、俺達は、ずぶ濡れにまでされて、風呂にはいっている。
今日はクリスマスだっていうのに、とんだ迷惑やろうだ。
「ジジイ、今日は年に1度のクリスマスでガキたちが本家でケーキを食べる日だっていうのに、総大将ってやつは台無しにしたいのかよ」って俺だ。

子供の時の楽しみだ。 今は成人して、手伝いだけど、本家に滅多にこれない子供達がこれるし、烈様が存命の時は、烈様と交流できる唯一の日でもあった。
なのに、あいつときたら、それを台無しにしようとしてる。

「星也、ユキがいっただろ。総大将は、クリスマスだってことを知らないし、今日、本家に子供達が集まる事もきっと知らないのだよ」って親父。

「はぁ~、誰も伝えてなかったのかよ」って俺だ。
「みたいだな。 伝えていても本人興味なくて忘れてる可能性もあるがな」ってジジイだ。
「にしても、昔はやる側だったが、久しぶりにやられたわい」って笑ってるジジイ。
「他の本家のやつらも言ってたけど、常習犯なのかよ」って俺だ。
「ああ、総大将が5歳になるまではな、ほぼ毎日のようにしてた。 手を焼いた初代が、道場に遊び場つくっておさまったがな。 そういう初代も、今日みたいに屋敷の部屋を移動してたけどな」ってジジイは笑ってる。
「屋敷の移動って」って俺だ。 たしかに部屋が移動されてた。
「星也、知らなかったのか? 本家はからくり屋敷だ」って親父。
「まじかよ。」って驚いた。
「総大将しかしらんからな、装置がどこにあるかは」ってジジイだ。
「じゃぁ、帰ってこない限り、部屋を元通りにはならないのかよ!」って俺だ。
「ああ、今頃、別の部屋で準備してるだろう。 あがるぞ」ってジジイにいわれて風呂を出た。

みんなあいつのいたずら許してるけど、いいのかよ、そんな奴が大将で!
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