無能と呼ばれた少年は、力を得て真実を知る ~目立ちたくないので、ほっといておいてほしい~

八木恵

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2章:幼少期編

ミゼラ町の滅亡

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Side:ケフィン
俺のいる仮設テントに、男が訪ねてきた。
「私は、ステイン・オールポートです。 あなたは?」ってこのミゼラ町の領主だ。
「はじめまして、私はティエメン帝国の第三騎士団長のケフィン・デッケルと申します。」とあいさつして、その後、俺達がみた惨状を報告した。

「ま、まさか、町民たちが全員とは」と項垂れるオールポート当主。
国境と町とは言え、かなり裕福な町だったと噂は聞いた事があった。
帝国との唯一交易していた町だ。 それを失うのは帝国としても痛い。
「いえ、少年が独り生き残っておりますが、まだ意識不明でして」といった。
「その少年とはどこで発見されたのでしょうか?」
「高台の一軒家で家族と暮らしていたのでしょう。 魔族からの攻撃で逃げたようですが、ただ火傷をおっており重傷です。 命はとりとめましたが」
「そ、そうですか。 その少年に会う事は?」
「そ、それが、白髪なんですが大丈夫でしょうか? 王国では忌み子の扱いと聞いた事が」と俺がいった瞬間に黙るオールポート当主。
「い、忌み子が、この町にいたと。 そんな報告は受けてない!」と叫んだ。
やっぱり。 きっとあの家族が、かくまっていたんだろう。
「それで、その少年ですが、我々帝国のほうで引き取る事を考えておりますがよろしいでしょうか? 家族もなく、孤独。 その上、王国では住みづらいかと」
「すみませんが、そのように取り計らっていただけると助かります」というオールポート。
「あとは、我々のほうで一刻も早く復興させるので、帝国の方々は明日にでも」と言われた。
もともとそのつもりだ。
「ええ、明日には帝国へ出立します。」 と言って、俺は翌日には、オールポート当主たちに見送られてミゼラの町を旅立った。
俺の乗る馬車には、白髪の少年。 医師と一緒にいるが、まだ目覚めない。

◇◇◇
Side:ステイン
魔族の襲撃で、いそぎミゼラ町にきた俺と王都の騎士団だ。 到着した時は、あの美しかった高層の建物がすべて倒壊されている。 生きているのは、援軍要請できている帝国軍の者達だけ。

いまだ焦げ臭い町。
ここの税収でかなり儲けていたが、これは痛手だ。
そして、俺があった帝国軍の団長によると、町民、援軍にきていた国境の王国軍は、すべて魔族に殺され山のように死体が積みあがっていたと。。 あまりにも衝撃的な情報だった。
財のみならず民までも。。 しかし生き残りの少年がいるというではないか。
が、少年は白髪で、高台の一軒家だったとおぼしき場所から離れた森で発見されたという。

スヴェンだ。 俺は、すぐわかった。
あの家にはスヴェンだけしか住んでなかったが、家族がいたと。
いい勘違いをしてくれてる。 スヴェンを王都に連れて帰るわけにもいかない。 なんせ『無能』だ。 ミゼラ町がこうなった以上、あいつへの資金援助も無駄になる。
渡りに船か、その騎士団長がスヴェンを帝国につれていくっていう。
厄介ものを連れて行ってくれるなんて奇特な奴だ。 スヴェンの存在は、わが家とこの町のものしかしらない。 長男のアンディにもしもの時があった場合に別邸で暮らさせていたが、報告じゃ剣術の才能もない。 それに、今、セリーヌのお腹の中には第三子がいる。 ある意味、幸いした。 俺は、スヴェンは死亡した事にして、生存者なしと国に報告し、ミゼラ町の復興に当たる事になった。

王国からも援助金が出たし、移住希望者もいる。
なんとかなるだろう。
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