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第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
43話 “大会最終日15・神が神たる所のマイペース“
ティーナちゃん「『まず、今回の騒動により、“聖獣達“の“使命“に関しての認識のズレを正すため、リトス教を通じ、正しい情報を流布させる。それを全ての国々が正式にそれが正しい歴史だと言うことを公表すること、この発表を意図的に歪曲させ流布した国には“重い神罰“が降る事を覚悟しなさい。
そして、「ズンッ!!」「「「「「っ!!!???」」」」」これは今までにも似たような“警告“していますが、ちゃんと理解していない者達がいるようなので、今回はより詳細に警告をします。“我らが愛し子“はこの世界で自由に過ごす権利を持っています。なので、国や教会、あらゆる組織、そして、私的なお家騒動や国際的政治闘争など、本人の望まぬ問題に巻き込む事は“絶対“に許しません。また、その“警告“を無視した者達には“死ぬ事より、より厳しく重い神罰“をくだします!!』」
「「「「「えっ!?・・・・」」」」」 (おっふっ(・Д・)・・・)
最初は“聖獣達“に関しての歴史的観点の訂正の流布の徹底だったのに、急に再度威圧を放ちながら、声を低くし真剣な表情で告げた事は僕に関しての警告だったことで、僕だけではなく闘技場の中にいた全ての人達が予想外だったようで、それを聞いた人達は揃いも揃ってポカンッと口を開けて固まっていた。
(えっ?もしかして、これがティーナちゃんが言ってた重要なお仕事!?Σ('◉⌓◉’)以前からずーっと言ってる、僕への“不可侵の警告“の詳細が1番重要なの!?しかも、なんか“神罰“の内容が何気にグレードアップしてるんだけど!?( ゜д゜)てかっ、今回の騒動の最後の締めがコレで良いの!!!???)
最後の最後で、自分に関する事柄が出て来たことが予想外だった僕は軽く混乱するのだった・・・・
そして、僕がプチ混乱している間にティーナちゃんは、
ティーナちゃん「『・・・最後に、此度の騒動を起こした者達全員には私から直々に、“神罰“をくだしてあります。罪人の証として分かりやすく額に印をつけていますので、その、印とくだされた“神罰“に耐えながら己が罪を深く反省しなさい。これで私達からの罪人達への処罰は済みましたが、国としての処罰は今回の騒動の被害国である“ライヒスル帝国“に一任します。被害者達の意見を聞き、良きように計らいなさい。
では、今一度、この“警告“の内容を己が頭に深く刻みつけ、今後、“我らの愛し子“の心を煩わす事がないように願います・・・』」
と、自分の言いたい事を言い切って満足したのか、急に僕に身体を返してきた・・・・
ふっ・・・(うぉ、急に!?) すぅー・・・・
とんっ「っ・・・・」 ふらっ・・・ドサッ・・・
ソル達「「「「アトリー様!!」」」」 ジュール達『『『『『アトリー!!』』』様!!』』
「だ、大丈夫、少し疲れただけだから・・・・ふぅ・・・」(もう、ティーナちゃん、急すぎるし、過保護すぎるよ・・・まぁ、かなり嬉しいけど、ふふっ・・・)
先程まで僕の身体を使っていたティーナちゃん影響で、全身が光って服装も変わっていたのだが、それも徐々に光は薄れていき、服装は“戦闘モード“ではなく、元の“祭事服の神器“変化していった、そして、返って来た身体は“神下ろし“の影響か少しだるさを感じた、ティーナちゃんの“神力“で浮いていた身体は、ゆっくり優しく地面に降りていけたが、目眩を感じ地面着地と共にそのまま地面に座り込んでしまった。
僕の身体からティーナちゃんが出ていったのを感じた皆んなが、すぐに近づいてきて心配してくれたが、僕は大丈夫と手を振って、だるい身体でいつも通りマイペースで、過保護な優しい友人を思い出しながら晴れ渡った夏の空を仰いだ・・・
そして、しばらく空を見上げている僕に、召喚されていた“聖獣達“が近寄ってきた・・・
フェンリル『“愛し子様“前回に続き、今回も、大変ご迷惑をおかけしてしまいまして、本当に申し訳ございません』
アクスレピオス『私が不甲斐ないばかりに、“愛し子様“に多大なご迷惑をおかけしてしまいまして、申し訳ございません、本当に恥いるばかりです・・・』
スノーレオン『我も、己が使命以外に興味を持たなかったせいで、獣人らを付け上がらせてしまっていたようだ、申し訳ない・・・』
フェニックス『本当に、極力、接触は控えていたので、彼らの行動に気づきもしませんでした。そのせいで“愛し子様“に私どもが自らしなければならなかった説明で、ご不快な思いをさせてしまい弁明のしようもありません。心より謝罪申し上げます・・・』
と、申し訳ない感情を全身で表しながら僕の前で頭を下げて謝罪してきた。
「いやいやいや、僕もその場の流れでうっかり口を滑らせたせいもあるから、一概に“聖獣達“のせいではないよ。だから、顔をあげて皆んな、それに、皆んなが望んでそうしたわけじゃないのはよく分かっているからね、僕なんかは自業自得と割り切ってるし、君達に怒ったりしてないよ。皆んな初めての事だったんだから、しょうがないよ。今度からは誰も誤解しないように“主神様“がはからってくださったんだから大丈夫だよ。ほら、元気出して!ねっ!」
そう言って、僕の側でしょげている“聖獣達“を一体、一体、撫でていると、
家族「「「「「アトリー!!」」」」」
父様「体は大丈夫かい!?アトリー?」 母様「フラついていたけど、どこか具合が悪いの?」
と、いつの間にかボックス席から、グラウンドの脇の通路まで移動して来ていた家族が、騎士団達の護衛を連れて僕の方に駆け寄って来ていた。父と母だけではなく、家族全員が心配そうに僕の名前を呼びながら近寄ってくる、それを見た“聖獣達“も流石に家族に遠慮して、その場を離れて、家族から心配されてもみくちゃになっていく僕をそっと見守ってくれる。
「か、母様、父様、皆んな、大丈夫です。ただ、初めて“主神様“に体を貸したから疲れただけですから・・・』
母様「本当?それなら良いのだけど、無理はしちゃダメよ?」
「はい、むしろ久しぶりにめいいっぱい体を動かせたので、良い疲労感って感じです」
母様「まぁ、それは良かったわ」
父様「そうか、あの“宝食のダンジョン“の下層に出てくる魔物達は強いからね、アトリーの良い運動になったのなら良かったが、予想外のことが連続して起こったからヒヤヒヤしたよ・・・はぁ」
「ご心配おかけしました・・・」
最初、僕の近くにいた“聖獣達“に遠慮がちではあったものの、“聖獣達“が場所を開けてくれたので、すぐに側に来て僕の体の心配をしてくる母様達、そんな母様達を安心させるために、本当に大した疲れではないと返事を返し、むしろ良い汗をかいたと素直に言うと、母様達は僕の日頃の運動量を知っていることから、ここ最近の運動不足が解消できたなら幸いだと、安心してくれた。でも、父様的には今回のコロコロ状況が変わる展開に気疲れを感じているようだった。
(まぁ、思いもよらぬ展開に頭が追いついていかないよねぇ、しかも、出て来たのが“聖獣達“に“主神様“じゃねぇ・・・(*´Д`*)なんか年に一回はこうやってトラブルに巻き込まれているからなぁ、もうちょっと周囲を警戒するように気をつけよう・・・)
いつも何かの騒動に巻き込まれるたびに、真っ先に僕の心配をしてくれる家族や、僕に集中する悪意などを敏感に察知して庇ってくれるティーナちゃんや、他の神々、それぞれ方向性は違うけど、僕の事を1番にを考えて心配してくれることが何よりも嬉しいと感じつつも、やはり心配をかけるのは気をつけようと思った僕でした・・・*こう何度も反省はするが向こうからやって来るものはどうしようもないアトリーである・・・
リアン「きゃっきゃっ、ふわふわっ!もふもふっ!」
「そうだね。リアン、スノーレオンの鬣は他の場所とはまた違った手触りだねぇ~・・・ふぁ~~っ・・・・」(ちょっと眠くなって来ちゃった・・・)
その後も“聖獣達“に興味を示したリアンや身内でわっちゃわちゃしていると、家族といることで安心した僕は眠気が襲って来たのだが、今ここは事件後の後処理で様々な人達が、それぞれの役割を果たしている最中、それに、事件の重要な参考人であり1番の関係者である自分が簡単に抜けるわけにもいかず、眠気を極力我慢して、襲撃の実行犯やティーナちゃんに捕まえられてきた他の関係者達が個々に縛られなおされて、連行されて行く様子を見ていると、襲撃犯の1人が連行中の隙を見て暴れ出した。
ドンッ!!! 「「ぅわっ!!!?」」 ダッ!! 「何している!!!」 「逃げたぞ!!」 「捕まえろっ!!」 ダダダッ!! 「そっちに行ったぁ!!」
教師・獅子獣人「ぶつぶつっ・・・“神獣様“が我らではなく、あいつを優先させるなんて、・・・そんな事あってはならない、“神獣様“は操られているんだっ!!お助けしなければっ!!」
バッ!!「止まれぇっ!!」 「どけっ!!!」 ドッ!! 「うぉっ!!?」 ダダダッ!! 「あっ!!危ないっ!!」 「お守りしろぉっ!!!!」
教師・獅子獣人「お前がっ!!お前がっ、“神獣様達“をっ!!たぶらかしたからっ!お前さえいなくなればっ!!・・・死ねぇっっ!!!」
連行していた帝国兵を体当たりで突き飛ばし、後ろ手に縛られていた縄を自前の筋肉だけで引きちぎりながら、こちらに向かって走ってくる、そんな獅子獣人を止めようと帝国兵や帝国の騎士達が行手を阻むが、見事に避けられたり、手で弾かれたりとして、意味をなさなかった。
何かブツブツと呟いていたが、よく聞いてみるとなんとも支離滅裂な事を言っていて、徐々に近づいてくるにつれ、それが僕に対しての逆恨みの罵詈雑言へと変わっていき、とうとう僕に対して殺意を露わにした・・・
父様「早急に捕縛せよ!!」 「「「「「はっ!!」」」」」 ザッ!!
教師・獅子獣人「どぉけぇぇっ!!!!」 ダダダダッ!!!
帝国側が捕縛できないと判断した父様が、自分達が連れて来ていた護衛騎士達に素早く指示をだすと、その指示にすぐさま答えたデューキス家護衛騎士達、4、5人が横一列になって僕達の前に並び、猛スピードで走ってくる獅子獣人を待ち構えた。
教師・獅子獣人「無駄だぁっ!!!邪魔するなっ!!!」 ダッ!!!
そんな護衛騎士達を力尽くで突破しようと、獅子獣人の彼はタックルをするように、勢いよく突進してきたのだが、その突進をよく鍛え上げられているうちの護衛騎士達は難なく受け止め、そのまま彼を拘束した。
護衛騎士1「大人しくしろっ!!」
教師・獅子獣人「くそっ!!離せっ!!俺はっ!“神獣様方“をっ!!取り戻すんだっ!!!」
護衛騎士達が少々手こずりながらも拘束し大人しくするように怒鳴るが、物凄い力で抵抗を続ける獅子獣人は、諦めず僕の方ににじり寄ってくる、そんな彼の前にさっきまで僕に大人しく撫でられていた“聖獣達“が立ちはだかり、威嚇するように唸り声をあげ、彼を威圧する。
スノーレオン『我らが“愛し子様“をまだ愚弄するかっ!!がるぅぐぅぅぅぅぅっ!!!』
フェンリル『まだ、理解していないようですね?“愛し子様“は我らにとって優先的に敬うべき方で、ただの獣人であるお前とは存在価値自体が違うのです。それに“聖獣“である我らは、“主神様“に創られた存在であり、“主神様“こそ我らの主人です。その我らの使命は“主神様“に与えられたものだけ、そこにお前達を守護することなど入っておらぬ、故にお前達が我らを“取り戻す“という言葉は適切ではない、そこの所をいい加減に理解しなさい』
教師・獅子獣人「っ!!・・・・ぅぐっ・・・くっ・・・何故だ、何故、何故そんな・・・」
“聖獣達“が“神獣“であって、自分達の先祖であると強く信じ疑ったことなどなかった彼に、先の“聖獣達“からの言葉は酷く傷つく言葉だったのだろう、それを信じたくなくて、現実逃避して放心していたところに、僕と“聖獣達“が戯れ和んでいる所を見て、一気に何かが壊れたのか、“聖獣達“となんのしがらみも無く馴れ馴れしく戯れる僕に、今回の全ての責任を全て押し付けると言う、思考回路が出来上がってしまって、僕がいなくなれば全てが元に戻ると思った彼はこのような強行手段に出てしまった。そんな彼に“聖獣達“が面と向かって更なる追い討ちかけたことで、とうとう泣き出してしまった。
泣き出してしまった彼にやっと静かになったと言いたげなフェンリルや、やれやれと言った空気のスノーレオン、他の2体もため息をつくような呆れた感じで、茫然自失の彼を見ていた。周囲の人達もそんな感じの空気で、事後処理を進めようとしている時、僕は彼が哀れで、可哀想に思えて来て、無意識に立ち上がり、彼の方に歩き出していた・・・
「よしよし、可哀想に、今まで信じて来たことが急に否定されて悲しくなっちゃたんだよね。貴方の心の支えがなくなった事に憤りが募ってしまったんでしょう?・・・でもね?今までのその信仰や思いが無駄だったわけではないんだよ?貴方の思いは彼らには届いていなかったとしても、今までのその信仰が貴方の心の支えになっていたことは事実でしょう?その今までの思いは貴方だけのもの、それは誰にも壊せない、だから、その思いや信仰を胸に新たな人生を歩んで行ってほしい。ただ、今度は“聖獣達“に迷惑がかからない方法で敬って、適切な距離感で付き合って行ってね?」
なでなでっ、と、図体の大きい獣人化して、シクシク泣く獅子獣人の鬣や顔を撫でながら、そう慰める僕を誰もが静かに見守ってくれていた。
そして、僕は少し歩いたことでなのか、疲労がピークに達し、その場で寝落ちしてしまった・・・・・
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