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第1章 幼少期
17話 2歳になりました!
しおりを挟む本日、4月の20日は朝から屋敷全体が慌ただしいので落ち着きません。
なぜか、と言うと今日は私とソルの誕生日だからです!
ついこの間 母様とセラスさんの間で私の誕生日パーティーの話になり、ソルの誕生日を母様が聞いたことで分かったのが誕生日の日にちが一緒だと言うことでこの際 2人一緒に誕生日パーティーをしようと言うことになったのだ。
なので朝から屋敷の使用人さん達がパーティーの準備で大忙しです、まだ2歳なったばかりの私達は使用人さん達の邪魔をしないように部屋で大人しく本を読んでいるけど部屋の外が騒がしくて本に集中できなくて落ち着かないのだ。
カタンッ、トタトタトタッ
「んぅ?」音がしたので頭を上げて扉の方を見た。
母様「アトリー?廊下が気になるの?」
「あい、おとがいっぱいしゅる でしゅ」(くっ、まだ 言葉が上手く言えない!)
母様「そうねぇ…、じゃあ、お母様と一緒にお歌を歌ってみない?そしたら、周りの音が気にならなくなるかもよ?」
「「おうちゃ?」」
隣にいたソルも一緒に首を傾げて 同じことを質問していた 。
母様「ふふっそうよ、お歌、『森のドラゴン』のお歌を歌いましょうか?」
ソル&アトリー「「あ~い、うちゃう!」」
(何それ、聞いた事な~い!母様の子守唄しか聞いた事ないからなぁ、母様 何げに歌上手いしね!)
母様「じゃあ、一度歌うから次は一緒に歌いましょうね」
ソル&アトリー「「あ~い!」」
母様が歌ってくれたのは日本の童謡『森のクマさん』のドラゴンバージョンだった!
(誰だ!こっちに『森のクマさん』持ってきたの‼︎・・・・って、ティーナちゃんしかいないか…まぁ、いいか、なんか絶妙にマッチしてるし)
母様「ラ~~♪・・・、どう?楽しかった?今度は一緒に歌いましょう♪」
ソル&アトリー「「あ~い」」
その後、『森のドラゴン』を一緒に歌い、最初は発音がおぼつかなかったけど 最後の方は何とか歌詞が聞き取れるぐらいまでに 歌えるようになった。
*この事がきっかけでアトリー達は歌う事にはまっていた、その歌声が天使の様だと 身内フィルターが掛かった使用人達の新たな心のオアシスになっていることを知らないアトリー達だった。
母様「2人とも、とても上手く歌えるようになったわね!さぁ、そろそろパーティーの時間になったから大広間にいきましょうか」
母様に言われて気づいた、歌っているといつの間にかお誕生日パーティーの時間になっていた。
(おぉ、いつの間に!母様すごい!)
扉の所でセラスさんが申し訳なさそうにしながら ソルのお迎えに来ていた、セラスさんは今まで使用人さん達とパーティーの準備を率先してしていたのだった。
セラス「奥様、今日は本当にアトリー様とご一緒に ソルドアの誕生日のパーティーまでをして頂き有難う御座います」
母様「気にしなくていいんですよ、こちらが一緒にしたくてしてるのですから、それに同じ誕生日なのだから2人一緒にしてあげた方が子供達も喜ぶでしょう?」
セラス「奥様……、そうですね、今日 朝からソルは楽しみで落ち付かない感じ でしたから」
セラスさんはちょっと困った顔で笑った。
母様「まぁ、そんなに楽しみにしてたの?アトリーも今日は何だか落ち着かない感じだったわ ふふっ」
母様達は笑い合った後それぞれの子供を抱き上げて大広間に移動した、しばらくすると大広間の扉の前に着いた。
母様「さぁ、着きましたよ、ここからは歩きましょうね」
床に下ろされて母様と手を繋いだらパーティー会場の大広間の扉が開いて、中に入ると今 屋敷にいる使用人が全員いるのでは?と思うほど人がいて、その使用人達の前にそれぞれの家族が並んでいた。
全員「「「「「アトリー(様)!ソル(君)!2歳のお誕生日おめでとうございます!」」」」」
一斉に言われてちょっとビビったけど、皆が祝ってくれたのが嬉しくて 胸がほんわりと暖かくなった、隣にいるソルの様子を伺うと綺麗な緑色の目をこぼれ落ちそうなくらいに開き ビックリしていた、私はビックリしているソルの手を握り少し引っ張った ソルがコチラに気づいたので 目で合図し息をそろえて。
ソル&アトリー「「あい!ありやとうごじゃいます!」」
と、渾身の笑顔で言った。
使用人一同「「「「「グフッ!」」」」」
使用人達の大半が口に手を当て少し下を向いた。
(使用人さん達、大丈夫かな?)コテンッと首を傾げるとまた同じ音がした、どうやらソルも同じように首を傾げていたらしい。
(左右対称みたいになってそこがツボったのかな?コテンッ『グフッ』あ、また)ソルは純粋に不思議がってただけだ、意図は無い。
その後、気を持ち直した使用人達と家族で誕生日パーティーを楽しみ、プレゼントを沢山貰いお礼を言うと誕生日ケーキが出てきて、ソルと2人でケーキの蝋燭を吹き消した 拍手が鳴り響き ケーキを皆で食べて、その日はお開きになった。
+・・・・・+・・・・・+・・・・・+
後日、誕生日のプレゼント開封に四苦八苦して全部 開けるのにその日1日を費やした、プレゼントの中には王都にいる、カミィ姉様やカイ兄様、祖父母からも沢山来ていたので大変だった。
特に祖父母からのプレゼントの数が多くてそのほとんどがソルとお揃いだった。
その日以降は貰ったプレゼントの攻略に2人でいそしんだ。
(なんか、今回貰った おもちゃ パズルや組み立て式の魔道具のおもちゃ とか知育系のおもちゃが大半なんだよね、なんでだろう?まぁ、なかなか頭 使って面白いから いいけどね!)
当たり前だけど(中身が35歳の)私が攻略するのが早いから 私が攻略した後、ソルに教えながら一緒にしてソルも1人で攻略できるようになったら 次のおもちゃで遊ぶとゆう事を繰り返していた。
合間にお庭のお散歩の日を設けながら のんびり過ごしていると、夏が来て、カミィ姉様達が夏期休暇で帰ってきた。
前回と同じように 私とソルを構い倒しに来た、夏の宿題が出ているはずなのに 私達に構っている時間なんて有るのか?と思って、聞いてみたら、帰って来る道すがら 全て終わらして帰って来たらしい・・・・・
(イヤイヤ!早くない⁉︎私だったら、お休みいっぱい遊んで 最終日に泣きながらするのが目に浮かぶよ!どんだけ真面目かよ!)
カミィ姉様達が帰ってきた5日後に今度は父様や母様、ライ兄様とヘリー姉様達が王都に行ってしまった、どうやら 、双子の兄様と姉様の 7歳の“洗礼と祝福“の為に王都にある大神殿に行ったらしい。
(そう言えば、先月まで何だかお母様達が忙しそうにしてたね、仕立て屋さんが来たとか言ってたな、その為かな?)
祖父「そろそろ、祝福の時間かのぉ」
今日は父様達が王都に行って13日目の7月の28日の昼前だ、どうやら一番 太陽が高い位置に来る時間帯に始まるらしい、前世の日本で言う所の“夏至“にあたる様だ。
祖父は孫達の祝福結果が気になるみたい。
祖母「そうですねぇ、いいスキルを授かるといいですねぇ」
今、私とソルは祖父母に抱っこされながら“夏の庭園“にある白い大きな花の木の近くでピクニック中だ、花から良い香りがしている、確かこの木の名前は“ムクゲ“だったはず 前にセルドスさんに教えてもらった。
そのセルドスさんは 今も近くの植木の剪定をしながら たまに祖父の膝の上にいるソルを見ている、祖父母の他にカミィ姉様とカイ兄様も一緒にいるが私は祖母の膝の上で 誕生日にもらった 魔道具の音が出る箱型の知育玩具の攻略を進めている。
これがなかなか難しいので悪戦苦闘中だ ソルもこれにかかりっきりでセルドスさんの視線に気付いてない。
「む~、!、こう?ちて、こう!」
シャラララララッン♪・・・・パカッ
箱型のおもちゃの蓋が勝手に開いて中に何かが入っていた。
「できた~♪、?なにかはいってりゅ?」
中に入っていたのは“アメジスト“と“シトリン“の混ざった宝石“アメトリン“の原石が入っていた。
「わ~きれいらね~」キラッ
入っていた原石を手に取ると一瞬 石が光った気がしたが気にせず 手の中の宝石の原石をまじまじ観察していた。
祖母「7歳のお誕生日までに開けることができればいいと思って、早めに渡したけどこんなに早く開けてしまうなんて凄いわねアトリー♪」
頭をすごく撫でながら褒められる 他の皆は固まっていた ソルだけ今だにおもちゃに夢中だ。
「う?、なんで7しゃい?」(なんで7歳まで?なにかあるの?)
祖母「それはね、7歳の“洗礼と祝福“時に自分の瞳の色と同じ色をした宝石を アクセサリーにして着けていくと 宝石がお守りになって守ってくれるって言い伝えなのよ、ただ普通に貰うよりおもちゃの中に入ってる方が楽しいし嬉しいでしょう?」
祖母の言葉に頷きつつ原石をまた見ていると、やっと再起動した祖父や姉様達が「早すぎるだろう!」と騒いでいたその時。
シャラララララッン♪・・・・パカッ
さっきと同じ音がしたのでソルの方を見た。
ソル「でちた~♪」
ソルは私にみてみてと箱を差し出して見せてくれた 中身を見るとソルの瞳の色と全く同じ石の“クロムダイオプサイト“が入っていた。
「ソルもしゅごいね~♪ソルのおめめといっちょだね~ぼくのもおめめといっちょ~」
祖父母の膝から降りて互いに見せ合いこして「きれいね~」と石を見ていた。
ソルが石を手に取った時も少し光った気がしたが、まぁ気にせずに自分の石を眺めてた 周りの人達はまた固まっていた、動き出したと思ったら深いため息をして空を眺めていた。
その後 屋敷に戻る時に祖父が原石を預かり 7歳までにアクセサリーに加工しておくそうなのでもう 少し見ていたい気がしたが石を渡した。
+・・・・・+・・・・・+・・・・・+
数日後 屋敷に王都から手紙が届き、ライ兄様とヘリー姉様の“洗礼と祝福“は滞りなく終わったと書いてあったそうな。
さらに数日後の8月の13日に父様達が王都から帰って来た、
帰って来た兄様達はかなりご機嫌の様だ、どうやら他の貴族の子息や令嬢より 使える魔法属性の数が多かったそうだ、詳しくは聞いてないがかなりの量のスキルもあったとか、けど我が家では標準よりちょっと上ぐらいの認識らしい。
(家の人達はどれだけハイスペックなんだよ!知りたいような知りたく無いような・・・)
ライ兄様とヘリー姉様の今後のお勉強に それぞれの貰えたスキルを使いこなす為の訓練が加わるようだ。
次の日の8月14日は屋敷でライ兄様とヘリー姉様の誕生日と“洗礼と祝福“のお祝いをした、その際にライ兄様から、
ライ兄様「今度はアトリーからのプレゼントはカミィ姉様達と同じがいいな」
ヘリー姉様「あ、私もそうして欲しいです」
(なんのことだ?)
心当たりがないのだ いつも姉様達の誕生日には母様が用意したプレゼントを渡すだけのお仕事なのだが…
どうやら去年のカミィ姉様へのプレゼントは私の手形だったらしい。
(あぁ、そういえば去年9月に入った時に いきなり手形をするように言われたね、あれ成長記録の為かと思ってたけど 、
カミィ姉様の誕生日プレゼントになってたのか、で、今年はカイ兄様のも することになるのか、それをライ兄様達も欲しいと・・・
どんだけ 弟が好きやねん‼︎……、はっ、エセ関西弁が出てしまった!)
1人脳内でツッコミを入れている間に それはソルを巻き込みつつ決定事項になっていた、拒否権は無いらしい。
+・・・・・+・・・・・+・・・・・+
そんなこんな楽しい日々を送り月日は経ち・・・・
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