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第3章 少年期 学園編
102話 豪華客船♪
しおりを挟むはい!どうも!おはようございます!僕です♪
今、何故こんなにご機嫌かと言いますと、6日目以降これと言った大きな出来事は無く、僕は夏を感じながら海辺の街を堪能し、兄様達の訓練を横目にソル達と遊び感覚で魔法訓練したり、マディラを構い倒したりで9日目の朝を迎えたのですが、今日でマルキシオス領を出て次の目的地、“コミス領“に行くために“海路“で移動する事になりました!
それを聞かされたのが今日、朝目覚めて父様と朝の挨拶をした時でした!朝一番から大いに驚かせられて心臓に悪やら嬉しいやら、変なテンションになりました!
でも、コミス領に行く手段が“海路“!つまり、船!しかも大型帆船の豪華客船に乗って移動するとのこと!(豪華客船ヒャッホーイ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆)と口には出さなかったが、前世含め豪華客船なんて物に乗った事がない僕は、嬉しさを抑えきれずについ父様に抱きついて喜んでしまった。(うぅ、後で恥ずかしさが込み上げてきてしまったよ\(//∇//)\)
父様は僕を驚かせる為に当日まで内緒にしていたそうな、こんなに驚いて喜んだ僕を見て満足そうだった、父様に抱きついて喜んだ僕を見ていた母様とリアさんに可愛いを連呼され、恥ずかしさで顔が真っ赤になった僕は、そのまま父様のお腹に顔を押し付けて顔を隠すしかなかった、だがそれすらも可愛いと言われてしまって、どうする事もなく顔の火照りが無くなるまで父様にしがみついたままだった。
その後、ちょっと拗ねた僕の頭を父様が優しく撫でてくるので、少し落ち着きを取り戻し顔を上げた父様を見上げた。
父様「ふふっ、アトリーそう恥ずかしがらなくて良いんだよ、私も小さい時に船に乗れるのが嬉しくて同じように大喜びしたものさ、だから誰も変だなんて思わないよ、それに私達はアトリーがそんなに喜んでくれた事が何より嬉しいよ」
母様「そうよ、アトリー、貴方が喜んでくれて母様もとても嬉しいわ、それに、今日乗る船は先日、港で見た“スッド魔人民国“の客船よ」
「あ!あの豪華で綺麗な大きい船ですか?わぁ~、あの船に乗れるんですね!すごく楽しみです!」
また、驚きの情報に喜び勢い余って次は母様に抱きついてしまった、すると母様が「ふふっ可愛い♪」と言って頭を撫でてきたので、少し膨れて見せるとそれも可愛いと言って抱きしめられた。
「ぬぅ・・・」
(僕は立派な男の子だけど可愛いのは事実だし、怒っていても迫力が全然無いのも事実だ、だが釈然としない・・・まぁ、いい、それより今は豪華客船!王都には陸路でのんびり観光しながら帰るとばかり思ってた、けど船に乗って時間を短縮するなんて、・・・・今回の旅行にどれだ使ってるんだろう・・・)
想像しただけで頭を抱えそうな値段になってそうで、少し怖い・・・と思ってると、マルキシオス家の執事が朝食の用意ができたと言ってきたので、今日で今回の旅行最後のマルキシオス家のご飯を堪能することに、マルキシオス家の家族とも楽しく話し、またいつでもおいでと言ってくれた、マディラとも最後に目一杯遊び、出発の準備を整えお見送りしてくれるマルキシオス家の家族全員と共に屋敷を後にした・・・・
馬車に乗って数分後、マーレゲンマの港入り口に到着!今回はマルキシオス侯爵家の紋章が入った馬車を先頭に、港のセキュリティをパスし馬車のまま港内に入り、今回乗る船の桟橋前まで馬車で移動した。
相変わらず人の出入りが多く沢山の人達が行き交っていたが、領主の紋章が入った馬車が止まると随行している騎士達の手によって、周りの人の流れを邪魔にならない程度に止めた。
警備体制が厳重に敷かれ安全の確保が確認されると、皆んなが馬車から降りていく、いつも通り大人の男性達が降りた後に大人の女性、その後が年齢の高い順に子供達が降りて行く、必然的に僕やソル、イネオス達が最後に降りる頃には、護衛騎士達が仕切っている向こう側にたくさんの見物客で溢れかえっていた。
(うわぁ、道を馬車一台分軽く通るぐらいスペース開けて、こっちの馬車を止めているのに、それすらも埋め尽くす人だかりができてるぅ~、毎回思うけど貴族が馬車から降りるのがそんなに珍しいかねぇ?)
天華『そうですねぇ、客船に乗り込む貴族はそれなりに見慣れているでしょうけど、公爵家の人間がくることはそうそう無いから、好奇心に負けた人達が、ああ、やって野次馬しているのでは?』
(あーね、マルキシオス家の馬車まであるからか、それにしても人多過ぎ、この間来た時より多くない?)
夜月『事前に今日、公爵家がここに来るのを知っていた可能性はあるな・・・』
(あらー、情報ダダ漏れ?あ、でも今日この船が出航するって事は、他のお客さんもいるからそのせいで多いかも?)
天華『その可能性はありますが、定員を考えても人数は多いですね』
(見送り?にしても多い?かな?・・・ちょっと嫌な予感がしてきたから、本気で警戒しとこうかな・・・)
夜月『その方がいいだろう、私達も警戒しよう、一応結界もすぐに展開出来るようにしておく』
天華『それなら私は捕縛の準備をしときますね』
ジュール『じゃあ私は反撃の準備しとく!』
(分かった、有り難う皆んな、雪花と春雷はこの人だかりの外側から怪しい人達がいないか見てくれる?)
雪花&春雷『『畏まりました』』
天華達との会話で今の状況がおかしいことに気づき、警戒のため“索敵“と“気配探知“、“精霊視“スキルを発動し、全方向を警戒した、天華達はそれぞれ役割分担をきめ、その役割に集中した、雪花達は姿を消したまま人だかりの中に不審者がいないか見るために、いつも宿っているブローチからそっと出て行き、警戒体制に入った。
そして、ジュールと夜月が大きい姿で馬車を降りた後、父様が馬車の外から僕を呼び、手を差し出したので、その手を取り馬車を降りた、同じタイミングでソルも隣の馬車から降りてきていた、周りの反応はいつも通りなので気にしない、イネオス達は少し遅れて降りてきているようなので、馬車から船に積荷を積み込んでいる間に父様に許可を取り、ソルと一緒に船を間近で見学することに。
「ほぉ~、何度見ても凄いねぇ~」
ソル「はい、煌びやかです」
仁「あ、アメトリン君、ソルドア君、君達も船を見にきたの?凄いよね、この船、迫力が半端ない」
2人並んで見学していると、先に降りていた仁達が近寄って来て声をかけてきた。
「そうですね、数日前にも見ましたけど、この迫力はいつ見ても感動します」
夢ちゃん「本当、綺麗な装飾の船だよねぇ~、これに乗れるって聞いて凄いビックリしたよ~、けど今は楽しみ♪」
彩ちゃん「そうよね、向こうではこんな大きな木造の帆船はもう作られてないし、乗ったことないもの、展示品であるぐらいかしら?」
ソル「へぇ、そうなんですね、では船は使用してないのですか?確か、他国に行く時はヒコウキ?があるんでしたよね?」
ソルは飛行機があるから船の活躍の場がないと思ったみたいだ。
彩ちゃん「いいえ、船自体はまだあるわよ、人を乗せるものはこれよりもっと大きな金属製の船があるわね、ただ、木造船がもう現存しないだけで、大体が帆船じゃなくて電気の力で動いてるスクリュー船だけど、船自体はまだ色んな所で活躍しているわ、漁船とかだったら小さいのから大きいのまで、獲るものによって船の大きさが変わるし、海外との交易品の物資の運搬とかでは、これとは比べ物にならない大きさの金属製の船があるから、むしろ物流としての運搬方法は船の方が活躍してるわ、飛行機じゃ運べないものもあるし」
(まぁ、飛行機より船のほうが積載量が大きいからねぇ、タンカーに比べたら飛行機の積載量なんて大したことないし・・・・ん?何やら動き出したかな?)
雪花『!、アトリー様、群衆の間に武器を隠し持った人間がいます』
春雷『何やら、配置についているようで、すぐに動き出しそうな雰囲気です』
天華『そうですね・・・いつでも動けるようにしましょう』
彩ちゃん達と会話している時に、イネオス達が馬車から降りて来て僕達の方に来ようとしていた、それを見計らったように野次馬に紛れていた怪しい人達がコソコソと動き出した。
(・・・狙いはなんだろうか?まぁいい、夜月、結界を展開して)
夜月『分かった、範囲は護衛騎士達が囲んでいる内側にするぞ』
(うん、それでお願い)
狙いはなんであれ、ここにいる重要人物といえば自分を含め“勇者候補“の仁達3人と、貴族の当主達とその家族、その全員の安全を確保できれば後は護衛騎士達がどうにかするであろうと考えて、夜月が提案した結界の範囲に同意した。
「「「っ⁉︎」」」
一瞬で展開された結界に“魔力を見る“事ができる父様やカイルさん、それとソルがすぐさま反応し警戒体制に入った、それと同時に・・・
「やれー!チビどもと黒髪のガキどもを纏めて捕まえろ!!」「「「「うおぉーー!!」」」」「「「行けぇーー!」」」
野次馬の間から剣を抜き切りかかってくる男達や、その場で魔法を詠唱し魔法を放ってくる男や女が数人、弓矢までいかけてくる者までいる。
「‼︎、あれは海賊だっ!抜剣!ここから1人も通すなーっ!」「主人を守れーっ!」「民間人を避難させろーっ!」
襲撃者に気づきすぐに防御陣形に入り、剣を抜いたマルキシオス家の護衛騎士達、数人が民間人の避難を促し、戦いの邪魔にならないように移動させている。
(手際がいいね、それにしても、かなりの人数がいたね、あれは海賊なんだ、でも何故海賊が僕達を襲うんだろうか・・・)
ドドドドッ!! ドーンッ! カンッ!キンッ! 「「「わぁーーーーっ!逃げろーっ!」」」 ドスッ! 「「「きゃぁーーーっ!」」」 ザシュッ!ドンッ! ガキンッ!! カーンッ! ギンッ!
急に始まった争いが、純粋に港に用があって来ていた一般市民達を巻き込み混乱に陥れた、叫びながら逃げまどう者達や、恐怖から腰を抜かし動けなくなる者達、そんな中でも襲撃者である海賊達は、標的である僕達を奪おうと護衛騎士達と対峙し、こちらに来ようとしている。
ニモス叔父様「くっ、人数が多い!どこからこの人数が入り込んだんだ⁉︎」
僕が感じた通り、野次馬の実に三分の一が襲撃者の海賊に属する者達だった、今回の見送りのためにマルキシオス家が連れてきた護衛騎士の数より、海賊の数が上回っていた。
父様「子供達は皆んな1ヶ所に集まりなさい!大人達はその周りを囲んで守って下さい!護衛騎士隊はマルキシオス家の騎士達の援護を!」
すぐに形勢が不利だと分かった父様が、自分達を護衛していたデューキス家の護衛騎士達に、結界の外で奮闘しているマルキシオス家の護衛騎士達の援護に回るように指示した、夜月が張った結界は悪意のある攻撃や侵入者は入れないが、内側から外側に出ることは自由だ、その頃を瞬時に察した父様はかなり凄いと思う。
イネオス父「!、閣下!それではこちらの守りが手薄になります!」
父様「それは大丈夫です、ここには結界が張ってあります、自ら出て行かない限り攻撃を受ける事はありません、なので落ち着いて周りを警戒してください」
自ら剣を構えて家族を庇うように周りを警戒しているイネオスのお父さんが、父様の指示に意見を言うと、父様は自分達の周りには強い結界がある事を言い、落ち着かせた。
「父様、ここから怪我した人を魔法で治していいですか?」
父様「!、かなり遠いけどできるかい?」
「はい、できます」
戦闘が始まってすぐに不意打ちで怪我を負った護衛騎士達が数人いたので、放っておくと命に関わると思い遠隔での治療を提案した。
父様「では、頼めるかな?」
「はい、行きます、“マルチターゲット…対象の指定完了“、“ヒール“×10」
魔法を発動すると、結界の向こう側で怪我を庇いながら戦っていた護衛騎士や、怪我を負って動けなくなっていた護衛騎士達に民間人などの体が、薄く発光し出した・・・
「えっ⁉︎」「わぁ!」「…痛くなくなった?…」「治った!」「っ!」「まだやれる!」
発光が治ると、怪我した場所が綺麗に治った騎士達は、すぐに戦闘に戻って行った。
(うーん、効果が効きすぎたか・・・、もっと調節しないと見る人が見たら、ありえない回復速度だな・・・、それにしても騎士達元気よすぎか!)
ジュール『ねぇ、アトリー、私、反撃してもいい?』
(あ~、うーん、あ!そうだ、遠くから魔法とか遠距離攻撃を打ち込んでくる敵を、殺さない程度に倒してくれる?天華はそれを拘束して一纏めできるかな?)
ジュール『分かったぁ~!』
天華『やってみます』
そう言って元気よく飛び出して行ったジュールの後ろを、小さい姿のまま後を追う天華、皆んな急に動いたジュール達に驚いていたが、僕の足元に大きな姿をした夜月が残ってるので安堵した様子だ。
ソル「アトリー様、僕も動いた方がいいですか?」
「大丈夫、ジュール達は遠距離攻撃してくる襲撃者を倒しに行っただけ、残りの襲撃者はあそこにいる護衛騎士達で事足りる、危なそうだったら僕が魔法を使えば済む」
ソル「分かりました、でしたら僕はアトリー様のお側をお守りします」
「うん、有り難う、でも大丈夫、夜月の結界は誰にも壊せないから」
1番年下のマディラを抱いたネニュス叔母様を真ん中に、僕やソル、イネオス達に仁達が周りを囲み、それを他の兄弟達が歳の若い順に囲む、何重にも囲われて外側は大人達に守られて肉眼では周りが見えない現状で、僕はスキルをフル活用して周りの状況を把握している、ソルも似たような方法で状況の把握をしているので、ジュール達がしている事の手伝いを申し出てくれたが、夜月が展開している結界は誰にも破ることができないので、その申し出は断った。
(それに、僕達が襲撃者の相手をすると言っても、大人達は許してくれないだろう、ここは大人しく事態の収集を騎士達に任せて、僕はサポートの回った方がいい)
「マディラ、この状況でも泣かないなんて良い子だね」ヨシヨシッ
マディラ「あー、あっこー」
こんな状況の中でもマディラは笑顔で僕に抱っこをせびってくる。(中々大物になりそうだね、マディラ・・・)
「ふふっ、抱っこね、良いよおいで」
ネニュス叔母様「まぁ、マディラったら、今は大人しくしていなきゃいけないのに…、よろしいのですかアトリー様」
「ええ、大丈夫ですよ、僕の側にいれば誰も怪我させませんから、ふふっ、マディラはそれがわかるのかな?賢いね」
マディラを叔母様から受け取り、あやしている内に、周りの状況が静かになってきて、襲撃者の大半が捉えられ、縄で縛られたりしている、幸いこちら側に死亡者は出なかったが、襲撃者サイドは数人が死亡したようだ、大人達は僕達子供にそれを見せないように配慮してくれているが、スキルを使って僕達には意味がないので、何人死亡者が出たか丸わかりだ。
だが、襲撃者が死んだと分かっていても、これっぽっちも心動かす事はない、そんな僕は薄情な人間だっただろうか・・・・そう言えば、前世でも身内が亡くなってもお葬式で涙を流すこともなかった・・・、・・・そのもっと前の小さい時も・・・ーーーー・・・ひ・・す・・・ぬ・ら・・・ーーーー
(ーーーー?、何、今の?そのもっと前も?・・・・もっと前って何・・・?・・・「ズキッ!」っ!!くっ、あ、頭がっ・・・)
夜月『どうした!アトリー⁉︎』
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