間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜

文字の大きさ
281 / 502
第3章 少年期 学園編

195話 やっぱり、“おばま“2 勇者候補:花村 仁 視点

しおりを挟む

「・・・そうか、ついに・・・・・・」

 この時僕は、彩ちゃんや夢ちゃんの反応も気にかける事もできないぐらい驚いていて、こう呟くだけで精一杯だった。

(・・・やっと、帰れる・・・、向こうでは僕達がいなくなって大変な騒ぎになってるんだろうな・・・高校ももう始まってるんじゃないか・・・勉強の遅れもありそうだ・・・父さん、母さん、まどか、皆んなにやっと会えるのか・・・・・・こっちに来て5ヶ月、色々あったけど、楽しかった、色んな人に会えて体験して、向こうの世界の“転生者“にも会えた・・・、そんな出会った、たくさんの人達とも“さよなら“しなきゃいけないのか、防犯上、“儀式“が行われる場所や日時はまだわからないけど、イネオス君達と最後にお別れを言えるかな?・・・もし言えなかったら寂しいな、・・・それに、まだ少し気になる事も残ってるのに、それもうやむやのままになるのか・・・)

 無意識に座っていた背もたれに体を預けボーッと考えに浸っていると、急にテンション高めのアトリー君から声をかけられて、戸惑ったけど、どうやらアトリー君が僕達の思い出作りのために、楽しいプランを立てようと提案してくれたようだった。すぐにその提案に乗り、その日は急いで来てくれたイネオス君達も交えて、“送還儀式“までの予定を決めて行った。

 翌日、僕達は昨日急遽決めた、行って見たかった所に何故か、この国の第3王子のロズクオツ・レイ・ウェルセメンテ殿下が待ち構えていた・・・

「あー、ロズ殿下はなんか自信満々だね?勝てると思ってるのかな?アトリー君の実力は十分知ってるはずなのに・・・」

 と、闘技場の石舞台の上でされているやり取りを傍観しながら呟くと、

夢ちゃん「そう言えば、そうだね?この間の“公開実技授業“だけじゃなくて4月?だっけ?その時の授業も観てたはずだよね?なのに今でも突っかかってくるなんて変だね?怖い物知らずなのかな?」

彩ちゃん「・・・うーん、多分だけど、この状況からするとアトリー君が“武術の公開実技授業“で本気で戦ってないからじゃない?聞いた感じだと、相手がいつも実力が無い感じの人ばかりだったみたいだし。この間の授業じゃ、後半は魔法で解決してたから、アトリー君は魔法がないと大した事ないと思ってるんじゃない?それにいつも使ってる武器が刀だから、重い獲物は扱えないとか思ってそう・・・」

夢ちゃん「あー、そうだね、王子様はアトリー君のこと何も知らないんだね」

「そうみたいだね」

 そんな会話をしていると、石舞台の上ではロズ殿下とアトリー君の“力比べ“が行われることが決まり、ロズ殿下を探しに来ていた殿下の兄の王太子殿下はロズ殿下の言動に頭を抱えていた。アトリー君は何やら企んだいる様子で悪い笑顔を浮かべ、余裕の表情でロズ殿下を煽っている。

夢ちゃん「アトリー君相手に力比べとか、無謀だよね、見た目詐欺なのに・・・」

彩ちゃん「さっきの不敵な笑い、ゲーム内での“アメトリン“そっくり・・・」

「ボコボコにする気満々だね、ロズ殿下、立ち直れるといいなぁ・・・」

 とか話しているうちに試合が始まった。

「あーあ、大丈夫かなアトリー君・・・」

彩ちゃん「大丈夫じゃない?流石にそんなヘマはしないでしょう、多分・・・」

「そうかな?」

 そんな僕達の会話を聞いていたロズ殿下や王太子殿下の側近や護衛達は、不思議そうな表情で僕らを見てくる、その表情は僕達がなんの心配をしているのか理解できないでいる表情だ。

(まぁ、この会話だけ聞いたら意味分からないのかな?この人達はアトリー君が冒険者としても活動してるのは知ってるはずなのに、アトリー君の特殊な能力は知られてないのか・・・アトリー君ああ見えて結構“怪力“なんだけどなぁ(。-∀-))

 アトリー君の身体的能力は見た目には全く表れていないので、気づかない人が多いが彼は見た目以上の力を持っている。僕達がその事を知ったのは初めてアトリー君達と冒険者活動をした際に、彼が採取依頼の仕事を引き受け、その依頼品の木の実を取ろうとした時、力加減を間違えて固いはずの木の実を握り潰したのを見た時だ。本人は固い木の実だから普通に持っても大丈夫だと思ったらしいのだが、その木の実がアトリー君が思っていたより柔らかかったそうだ。そして握り潰してしまった木の実を持って、しょんぼりしているアトリー君の様子はなんとも言えない哀愁が漂っていた。

(あの時は本当に驚いた・・・アトリー君の儚げな見た目をした可愛い少年が、どんぐりや栗、どうにかしたらココナッツみたいな固い皮に覆われている大きめの木の実を握り潰して、中身を粉々にするなんて思っても見なかったからね・・・)

 そんな事が何回かあって、一緒に冒険者活動しているイネオス君達や僕らは、アトリー君の身体能力の凄さを知っているのだが、ロズ殿下様達はその事を全く知らない様子だった。(アトリー君の家族は皆んな知ってるみたいだから、僕はてっきり親戚の王子様達も知ってると思ってたよ・・・)

 結局、試合はアトリー君の圧勝で終わり、納得のいってないロズ殿下にアトリー君は自分の強さの秘密と言うか、見た目に反しての怪力の原点を説明した。アトリー君は母方の祖父の血が色濃くでたと説明し、それだけではなく、外見も母方の祖母の血も受け継いでるのであんな小さくて華奢なのだと言う、なのでこの様々な種族が暮らす国で、見た目だけで人の力量を決めつけるのは感心しないと、ロズ殿下を嗜めた。
 その後はソル君に予定の時間が迫っていることを教えられると、不敬と取られる事も気にしない様子でさっさと王子様達にお暇を告げて、後ろを向いて歩き出した。王子様達はそんなあっさりとした態度にポカンッとしていたが、アトリー君の隣にいつもそのままついてくるソル君が、その時は珍しくその場に残り、王子様達に何か一言言ってアトリー君の後を追ってきた。

(うわぁ、ソル君何言ったんだ?ロズ殿下の顔が凄く青ざめてるんだけど・・・ソル君って、アトリー君の事になるとかなり過激になるよな、アトリー君に危害を加えたり、邪魔をする人達には容赦ないし、この間の王女様の件も、アトリー君が僕達の事を頼んでいかなかったら、絶対、速攻で王女様を排除しに行ってたはずだ・・・なんか、お姫様を守る騎士って感じだな・・・)

 先日の騒動の際にアトリー君が石舞台に上がる前に、ソル君に僕達の安全を第一に考えるようにと念押しして行った後、アトリー君がわざと相手の攻撃を受けて後ソル君は拳を強く握り締め、アトリー君の元にすぐさま駆け付けたいと行った衝動を一生懸命抑えているのを見た。それこそ握った拳から血が滲み歯を食いしばるほどに、強く自分を律して、アトリー君の願いを優先させたのだ。あの時のソル君の表情はものすごく悲しそうで、悔しそうな表情だったのを覚えている。

(そう言えば、アトリー君ってとても中性的な顔をしてるから、てか、アトリー君は自分のお母さんそっくりだしな、男の子の服装してないと男の子って忘れそうになるんだよね・・・あ、でも、この間、男性物の服装してても女の子に間違われたからあんまり効果はないのか?でも女の子の服装をしてたらそれこそ誰もアトリー君が男の子って信じないだろうな、何げに無意識に可愛らしい仕草をする時あるから・・・首傾げたりするのはマジで天然だもん。あれでも中身は僕らの親世代の男性が無意識にしてるって・・・・思った・・・ら?違和感、しか、ない?・・・・えっ、・・・いや、それは流石に・・・ね・・・・気のせいだよね・・・・)

 自分で考えて出てきた疑問に、それは流石に・・・と言って自分自身の予想した答えを否定し、その考えは気のせいだと言い聞かせた・・・

 闘技場の騒動が終わった後は王都内にある市場に急いで向かい、その日の夕飯の材料になる物を皆んなで楽しく選んで買う事ができた。その最中にアトリー君は自分の専属メイドさんのオーリーさんに、頼み事をしているようだった、僕達にはなんの頼み事かわからなかったが、アトリー君はそれを聞いて欲しくなさそうだったので、あえて聞いたりはしなかった。(まぁ、アトリー君のご両親から気にかけていてほしいと頼まれたけど、僕らよりよっぽど大人の対処ができるアトリー君に、余計な口出しはしないほうがいいと判断した結果だけどね。見たところ市場の入り口でした注意を考慮して、1人で解決しようとはしてないみたいだから、そこは安心したよ・・・)

 その後は結構な数の食材を買い求め、馬車に詰め込んで公爵家のお屋敷の戻り、皆んなで夕食の準備に取り掛かった。アトリー君はじめ、他の皆んなは冒険者活動で必要だからと最低限の調理の知識があるので、皆んな楽しくお喋りしながら夕食のバーベキューの仕込みを行った。そして全ての仕込みが終わったら
時間は程よく夕飯の時刻になってたので、そのままデューキス家の家族を招待してバーベキューパーティーを開催した。

「あれ?なんでこんな所に“卵焼き“が?・・・」

 バーベキューに“卵焼き“なんて不似合いなものが置かれていて、誰が作って置いたんだろうと、周りを見渡しても、それらしい人がいないので不思議に思った。

(あ、そうだ、食材の買い物してる時に僕が言ったのを誰かが聞いて、作ってくれたのをここに置いて行っただけかな?)

「それだと嬉しいな、美味しそうだし遠慮なくいただこう♪」ぱくっ

 自分の小さな呟きを聞いてくれていた誰かが気を利かせて作ったのだろう、と少し嬉しくなってたまらず一つ食べてみた・・・

もぐもぐっ「・・・っ、この味・・・懐かしい・・・」

(この卵焼き、昔よくバーベキューで“おばま“に作って貰ってた“だし巻き卵焼き“と同じだ・・・家でもそれが食べたくて母さんに頼んで作って貰ったけど、全然同じ味にならなかったのに、なんでこれは“おばま“が作ったやつ同じ味なんだ?・・・偶然かな?でも、誰がこの卵焼き作ったんだろう、味付けの秘密を知りたいな、教えてもらえないかな・・・)

 今は亡き叔母の手料理と同じ懐かしい味に驚いて、この卵焼きを作った人に味付けの仕方を教わろうと、近くにいた使用人さんにこの卵焼きを作った人が誰か知ってるか聞くと・・・

使用人さん「こちらの料理をお作りになったのはアメトリン様です」

 と、意外な人の名前が返ってきた。凄く驚いた僕は使用人さんにお礼を言ってその場を離れ、バーベキューコンロの前で皆んなのお肉を焼く手伝いを、自ら率先してしているアトリー君を見つけ。遠目にその風景を見て何処か既視感を覚えた・・・

(ま、まさか・・・・アトリー君が?・・・いや、そんな事はない、ただの偶然、たまたまだよね、・・・でも、本当だったら?・・・いやいや、確証はないし気のせいだ、今は皆んなが用意してくれたバーベキューを楽しもう・・・)

 その日は自分の中で湧いてきた予想に困惑し、気のせいだと何度も言い聞かせ、少しモヤモヤとした気持ちのままバーベキューを楽しみ、疑問の追求を先送りにしたのだった。

 そしてバーベキューが終わって、部屋に戻り寝る準備をして1人になった時・・・・

「やっぱり、気のせいだよな・・・」

(でもっ、でもだよ、もしかしたら本当はアトリー君の前世が女性で、7年前に死んだ僕の叔母さんだった?でもなんで、“転生者“って僕達にバレた時に、僕にそう言わなかった?本当に僕のことを知らないから?でも、時たま僕達を見る目は、大人が子供を見守る保護者のような目をするのはなんでだろう?アトリー君の前世では独身だったって言ってたのに?もしかしたら今、男性なのに、元女性だと言いづらかった?でもそれが、僕達を見守るような視線の理由にはならないよね?やっぱりアトリー君が僕達を知ってるから?でも“おばま“じゃない人?他の知り合い?僕達を見守ってくれていた他の大人?父さん達と年齢が近い人で亡くなった人?そんな人いないはず・・・じゃあやっぱり“おばま“?でも、アトリー君は今10歳だしな、“おばま“が亡くなったのは7年前だし歳が合わない・・・)

 部屋ベッドに潜り込み寝転び、天井をみながら自分の予想が本当に正しいのかと、自問自答を繰り返していると何度考えても、男性であるし、名乗りでないのなら自分の知っている叔母じゃなのか?と、疑問が浮かぶ、だがアトリー君の行動が叔母を彷彿とさせる行動が、叔母である可能性を捨てきれさせずにいる。じゃあ、どうやって決定的な根拠を出せるかな?と頭を悩ませた結果・・・・

(あ、そうだ!前に母さんから見せてもらって残してた“おばま“の卒業アルバムの写真!アレをさりげなくアトリー君に見せてみて反応をみたら、アトリー君が“おばま“かどうか分かるかも!いきなり自分の昔の写真を出されたら絶対驚くだろうし!よし!、試してみよう!)

 いい事を思いついて気合を入れた後、すぐに眠りについた・・・・

 だが、翌日その作戦を実行してみたものの、思っていた反応とは裏腹にアトリーの反応が普通だった事にガッカリしたのは仕方ない事だった・・・・

 














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする

藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。 そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。 派手な魔法も、奇跡も起こさない。 彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、 魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。 代わりはいくらでもいる。 そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。 魔法は暴走し、結界は歪み、 国は自分たちが何に守られていたのかを知る。 これは、 魔法を使わなかった魔術師が、 最後まで何もせずに証明した話。 ※主人公は一切振り返りません。

過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~

黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。 待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金! チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。 「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない! 輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる! 元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!

前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。 前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。 外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。 もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。 そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは… どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。 カクヨムでも同時連載してます。 よろしくお願いします。

平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?

和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」  腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。  マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。  婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?    

【読切短編】転生したら辺境伯家の三男でした ~のんびり暮らしたいのに、なぜか領地が発展していく~

Lihito
ファンタジー
過労死したシステムエンジニアは、異世界の辺境伯家に転生した。 三男。継承権は遠い。期待もされない。 ——最高じゃないか。 「今度こそ、のんびり生きよう」 兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。 静かに暮らすつもりだった。 だが、彼には「構造把握」という能力があった。 物事の問題点が、図解のように見える力。 井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。 作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。 気づけば——領地が勝手に発展していた。 「俺ののんびりライフ、どこ行った……」 これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。

醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした

きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。 顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。 しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——

私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです

天宮有
恋愛
 子供の頃、男爵令嬢の私アミリア・ファグトは助けた小犬が聖獣と判明して、飼うことが決まる。  数年後――成長した聖獣は家を守ってくれて、私に一番懐いていた。  そんな私を妬んだ姉ラミダは「聖獣は私が拾って一番懐いている」と吹聴していたようで、姉は侯爵令息ケドスの婚約者になる。  どうやらラミダは聖獣が一番懐いていた私が邪魔なようで、追い出そうと目論んでいたようだ。  家族とゲドスはラミダの嘘を信じて、私を蔑み追い出そうとしていた。

【読切短編】婚約破棄された令嬢ですが、帳簿があれば辺境でも無双できます ~追い出した公爵家は、私がいないと破産するらしい~

Lihito
ファンタジー
公爵令嬢アイリスは、身に覚えのない罪で婚約破棄され、辺境へ追放された。 だが彼女には秘密がある。 前世は経理OL。そして今世では、物や土地の「価値」が数字で見える能力を持っていた。 公爵家の帳簿を一手に管理していたのは、実は彼女。 追い出した側は、それを知らない。 「三ヶ月で破産すると思うけど……まあ、私には関係ないわね」 荒れ果てた辺境領。誰も気づかなかった資源。無口な護衛騎士。 アイリスは数字を武器に、この土地を立て直すことを決意する。 これは、一人の令嬢が「価値」を証明する物語。 ——追い出したこと、後悔させてあげる。

処理中です...