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第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
26話 “大会5日目・第四試合2“
しおりを挟むそして、僕達もお昼にしようと父様の一言で、うちの使用人達がお昼ご飯の準備が始まりだし、何も手伝わせてもらえない僕はその間、誰もいない闘技場の中の舞台をジーッと眺めていると・・・
『『おーい!!』』 『『報告に来たよぉ~~!』』
空から精霊達の声が聞こえてきたのだった・・・・
「あ、今日は早かったな・・・さて、どんな報告があるかな?・・・」
精霊達が来る少し前にイネオスとベイサンも選手控え室から、このボックス席まで戻ってきていて、後は昼食の用意が整えばみんなでお昼ご飯を食べるだけと言ったところだったのだが、僕は精霊達の来訪を父様に知らせ、先に報告を聞くか、それとも昼食を先に取るか、どちらにするかと聞いたら、父様は先に軽く報告を聞いて昼食を取ろうと言ったので、僕はそれを聞いて、精霊達に朝から今までの報告をお願いした。すると、
『えっとね、朝から冒険者ギルドに行った彼らは、そのまま予定通り“ダンジョン“に入って行ったんだけど、その”ダンジョン“の中で今までに見たことの無い人達と合流して、普通に“ダンジョン“を攻略し始めたよ』
『そしたらね、誰も見当たらなくなった所で、昨日の獣人の子供達が言ってたことが話題に上がってね、
“「彼らは自分達の予想以上に強かった、だから取引は成功しなかった、このままじゃ優勝もできない」“
って言っていたのをその人達に話していたんだけど、大人の獣人達は
“「気にするな、優勝より我々の誇りを嘲笑った奴らに、我らを嘲笑ったことを後悔させる事の方が重要だ、だから計画に変更はない、お前達は自分の力を思う存分相手にぶつけてこい」“って言ってやったって大人の獣人達が言ったら、後で合流してきた人達は
“「自分が神の愛し子だからと、偉そうに我々の信仰を否定したあの子供には、自分の力が及ばないこともあると、あの生意気な子供に思い知らしてやりましょう」“って言って笑い合ってた、・・・・だからね、ちょっとイラってきてイタズラしちゃったけどいいよね?』くいっ?
と、可愛い笑顔でそう言ってきた・・・・
「・・・っ・・・」(かっ、可愛い、でも、言ってることが不穏・・・何したんだ?( ̄▽ ̄))
「そ、そっか、イタズラしちゃったのか、怪我させちゃった?」
『ううん、してない、ちょっと脅かしただけだよ♪』(それで怪我したかはわかんないけど・・・)
天華(『これは何かやらかしましたね・・・』)
ジュール(『だね・・・』)
夜月(『まぁ、アトリーに気づかれないなら良いんじゃないか?』)
天華&ジュール(『『それもそうですね』だね』)
「んー、それなら良いか、それにしても、その後から合流した人達は、何か身分がわかるような物を身につけていたりしてなかった?」
精霊達がしたイタズラが予想より可愛らしい物だったので一安心した僕だが、基本的に僕が精霊達と話していると誰も話に割り込んでくる事はないのだが、今の会話を聞いていた他の人達の表情が引き攣ったのを感じたのは気のせいだろう。そして、ジュール達は何やら悟ったような表情でそっと目を逸らしたのも気のせいに違いない・・・少々気になるところはあったが、僕はその新たに合流した人物達の素性が知りたかったので、今のところは気にせず他に身元がわかるような物が無かったか聞いてみると、
『うんとねぇ~、確か、合流した時、狼?の絵が入った時計?みたいなの見せてた!』
「狼・・・ってことは“神狼教“の紋章か、やはり獣人の教員達はそこから第二側妃派と繋がったのか・・・」
父様「“神狼教“とあの3ヶ国の思想は似ているからね、今回の件で同じ憤りを感じたんだろう、その怒りの矛先を神々の言葉を伝えたアトリーに向けてもおかしくはない、そこにのちの皇帝の座を切望する第二側妃派が、援助を餌に協力態勢を築いたと言う感じかな?」
精霊達の証言で新たな登場人物の正体が以前、ダンシャンスー公爵家と一緒に潰された“神狼教“の関係者だったことが判明、元々“神狼教“と“第二側妃派“との手を組んでいた事から、今回の“大会“開催中に騒ぎを起こそうとしている“マルゴー獣人国“、“ショウスデット獣王国“、“エクスト蛇王国“の3ヶ国の繋がりがはっきりした。
最初は“第二側妃派“の継承権争いと、“3ヶ国“の僕対する恨みは別の問題だと思っていたが、深く情報を調べていくにつれ、この二つの問題はそれぞれの思惑が違っただけで、問題を起こしたいと言う点において協力関係になったと思われる。
イネオス父「しかし、これまでの情報を聞いても、相手がどのような騒動を起こそうとしているのか全くもって推測が立ちませんね・・・」
へティ父「確かに、これまでの相手の行動からして、かなり綿密な計画を立てているようですから、とても大きなことをしようとしているのは分かるんですが、それが“ダンジョン“の氾濫なのか、はたまた、もっと別の物なのか、このままでは事が起こってから対処しなければなりませんね・・・」
ハウイお義兄様「それにまだ、彼らがことを起こすと言った確実な証拠もありませんから、捕縛することもできませんし・・・」
次から次へ新しい情報は入って来るものの、肝心の部分に関しての情報が全く持って入ってきていない事から、父様や他の大人達も対処のしようがないと頭を抱えるのだった・・・
そんな大人達の様子を見て僕は、
(そうなると、あの3ヶ国の選手と帝国の選手がイネオス達に突っかかってきた時に、子供の癇癪だと思って放置するんじゃなくて、もっと早くから情報を集めとくんだった・・・)
と、自分の予想の甘さに反省した。そうして、内心反省していると、精霊達が変な光景を見たと報告し出した。
『そう言えばねぇ、他の冒険者達の中で変な事をしてる人がいたよぉ~』
「?変な事?」
『うん、あのね、“ダンジョン“の魔物に襲われそうなのに、変な形の金属製のバッチの“お守り“?見たいのを魔物に向かって投げてたぁ~それでね、“「これ効かないっ!!」“、“「騙されたっ!!」“って、色々文句言って叫んでた。でも一応?その時の人は魔物から逃げれたけど、あんな役に立たない偽物の“お守り“効くわけないのに、なんで試したんだろうねぇ~』
「あー、あれか、やっぱり“お守り“としての効果は無かったのかな?・・・でも、その“お守り“?、確か“魔道具“って今朝の精霊達が言ってたけど、“魔道具“としても何の効果もなかったのかな?」
『うーん、あれはねぇ、魔力は帯びてたけど動いてはなかったよぉ?』
「魔力はちゃんと入ってたのに、動かなかったって事は、その人の“お守り魔道具“?は失敗作?不良品?だったのかな?」
“シニストラ“の教師陣が売りばら撒いていた“お守り魔道具“?はどうやら、冒険者達の中で急速に普及しているようで、その“お守り“としての効果を信じた冒険者の1人が売り子が言った謳い文句通り、襲ってきた魔物に対しその“お守り魔道具?“を投げつけたようだが、全くもって機能しなかったようだ。
(この世界は、魔法や神々の存在が普通に信じられているから、地球で聞いたら胡散臭そうな効果のものでも、結構簡単にその効果を信じる人はいるみたいだね、僕からしたら“お守り“なんて、持っていてたまに良い事があったらいいな、的な認識しかないから、聞いた効果を鵜呑みになんかしないんだよなぁ(*´Д`*)それに、うちの家族は貴族なだけあって、そう言う詐欺とかにも敏感だから、魔道具だとしてもちゃんと安全マージンをとってその効果を確認するだろうから、こんな事故は起こったりしないけど、今回、失敗作?の“お守り魔道具“?を掴まされて、その効果を確実って信じちゃった人はかなり純粋な人だったんだろうなぁ(*´ー`*)・・・ドンマイ( ・∇・)/)
その後も今回の件とは何の関係もなさそうな些細な報告も聞き終えた僕は、一時報酬として精霊達に魔力を少し分けた後、また精霊達に監視の続きをお願いして、やっとお昼ご飯を食べ始めた。
そして、少し長めのお昼休憩が終了し、また闘技場内に観客が戻ってきて、午前中よりさらに賑わいが増してきた・・・
「わぁー、午後の第四試合は一般の部だからなのか、人が増えたね」
ソル「そうですね。これまでの一般部門の選手達の試合はなかなか見応えがあって凄かったですからね」
ライ兄様「そうだな今年の一般部門はかなりの実力者達が集まっているみたいだからな。観客達も期待しているんだろう」
そんな、話をしている内に午後の一般部門が始まった。
「ん?あれ?あの人、魔道具?持ってる、良いのかな?」
父様「うん?確かに、胸元あたりで本人とは別の魔力を感じるね・・・カイル、“大会“の運営に話を聞いてきてくれ」
カイルさん「畏まりました」
(バレたら自分の人生ダメにするのに、なんであんな規則違反するんだろう?(・・?))
一般部門の1試合目が始まると同時に、選手の1人から微量の本人とは別の魔力反応を感じ、よく見てみると、Fランクの魔物から採取される魔石を使用した小さな魔道具を所持していることに気づいた。この“国際武闘大会“は魔道具を使った戦闘は禁止されていて、使用だけではなく試合中の所持も原則禁止とされている。なので、試合前の選手達には厳しい持ち物検査が義務付けられていて、試合前の選手達は必ず自分の試合が始まるまで選手控え室で大人しくしていなければならないほどだ。
そんな厳重な管理をされているはずの“大会“で、その管理をすり抜けるように禁止事項にあたる魔道具の所持をしているのは、自分が規則違反してまで勝ちたいと言う事なのだろうか?と、僕はバレたら即失格を言い渡されることをしてまで、何かを成したいと思うような感情を持った事がないので、この選手の思いが理解できないでいた。
数分後・・・
カイルさん「旦那様、あちらの選手の件ですが・・・・」
“大会“の運営側に話を聞きに行っていたカイルさんが戻ってきて、聞いてきた話がこうだった・・・・
どうやら、あの“魔道具“を所持していた選手は試合前にちゃんと所持検査を行っていて、その時にその“魔道具“も見つかっていたらしい、だが、その“魔道具“は使用用途がわからず、魔力を通してみても何の効果も発揮しなかったそうだ。
そして、この“魔道具“を所持していた選手によると、冒険者の友人から“お守り“としてもらったので、“魔道具“だったことを知らなかったらしい。事情聴取や検査の結果、選手には不正をしようとした意図はなく、“魔道具“も試合をする上で何の影響も及ぼさないと判断され、“魔道具“は“お守り“として選手に返され、試合中も所持する事を許された物だったと言う報告がされた。それを聞いた僕は、
(なんだ、不正所持じゃなかったんだ・・・てか、・・・)
「もしかして、それは例の“シニストラ“の教師陣が売っている“お守り魔道具?“の一つなのかな?それだったら、さっき精霊達から聞いた人が使っていた“お守り“とは別の“お守り“のはずだよね?魔物を避ける“お守り“としての機能は無いのはわかってはいたけど、“お守り魔道具?“としては何かしらの“魔道具“の機能はあるはずなのに、その選手の“お守り魔道具?“も人が魔力などを注入しても“魔道具“としての機能しなかったの?」
と、話を聞いてきてくれたカイルさんに質問してみたら、
カイルさん「はい、検査員が念入りに検証したらしいのですが、“魔道具“の起動のために魔力を注入してみたりしたそうなのですが、“魔道具“内に埋め込まれている魔石などにも何の変化もなく、何か反応が起こると言ったこともなかったそうです」
「そう・・・それは変だね・・・・」
(通常の魔道具なら、使用者が“魔道具“に少量の魔力を注入することで起動するものが大半なのにな・・・そう言えば、“シニストラ“の教師陣はあれを売る時に“お守り“としての説明しかしていないから、“魔道具“としての説明は一切していなかったような?、だから、“ダンジョン“であの“お守り魔道具?“を使った人も起動の仕方は誰も知らないってことか?・・・あれ?でも、そしたら、あの“お守り魔道具?“の仕方はどうなってるんだ?買った人は誰も起動の仕方を知らないってことは、“魔道具“としても意味をなしてないって事だよね?“お守り“としても意味ないんだったらそれってただの装飾品じゃん、そんな物を商品として売ってどうしたいんだ?(・・?))
と、“魔道具“の基礎すら備えていなかった、その“お守り魔道具?“に不可解な点が増えた。
天華『お金儲けをするにしても、一つあたりの金額が安すぎますものね?』
ジュール『何だか元から商売する気が無いみたい?お金いらないのに“お守り魔道具?“売ってるって変なの・・・』
(だよねぇ?不可解な行動する“シニストラ“の教師達は放っておきたいけど、何だか嫌な感じがして気になるし、放置できないなぁ・・・(*´ー`*))
夜月『それならもういっその事その“お守り魔道具?“を手に入れて、アトリーがバラして解析したらどうだ?』
(お!それいいね!採用!!( ^∀^))
あの“お守り魔道具“の販売をしている人達に嫌な予感を覚え頭を捻る僕に、夜月がいい案を提案してくれたので、僕はそれを即採用し、不可解な“お守り魔道具?“の解明のためにルンルン気分で、父様に夜月からの提案を話し、例の“魔道具“の入手を確約してもらったのだった・・・
(ふふっ!これでなんかモヤモヤする“お守り魔道具?“の全貌が解明できる♪( ^∀^))
天華『それより、今1番大事な問題が解明できてませんけどね・・・』
(うっ!( ;´Д`)じゅ、獣人達の問題も、わ、忘れてないよ?)
趣味に走りがちな僕に天華がグサッと釘を刺されたのでちょっと慌てた僕でした・・・・チャンチャンッ♪
この日、こんな、穏やかなやり取りができたのはこれが最後だった・・・・
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