間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜

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第5章 少年期〜青年期 学園4学年編

27話 “大会5日目・夕方“

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 どうも、僕です。今、今回の旅行中でかつて無いほど頭が痛い事態に陥ってます。

「こ、コレは・・・」

 なぜ今僕が頭を痛めているかというと、“国際武闘大会“5日目の今日、学生部門と、一般部門の第四試合が終了し、滞在先となってい高級ホテル戻ったと同時に、父様が入手してくれると言う約束した例の“お守り魔道具?“が手に入ったと言って、冒険者の格好をした使用人の1人がそれを闘技場から戻ってきて、共有のリビングでくつろいでいた僕達、家族の元に持ってきたところから始まる。

使用人「例の売り子は一般人には売らないと言う噂を聞きまして、念のため冒険者風の姿で買い求めに行きましたら、とてもあっさりと売って貰えました。念の為、複数購入しようとしたのですが、販売制限されており、上限いっぱいの3つを購入して参りました」

 そう言って菱形のバッジを3つ父様に渡して、それを受け取った父様は一つ摘み、スキルでよく観察した後、危険性は無いと判断したのだろう、そのまま僕に手渡してくれた。

父様「はい、アトリー、約束の物だ。魔力は帯びているが、これと言った効果が発揮されている様子はないから好きに分解して、この不可解な“お守り魔道具?“秘密を暴いて見なさい」

 と、優しく笑って僕の頭を撫でてくれた。

「はい!全ての秘密を暴いてみます♪」

(ヒャッホーイ!おもちゃゲット!!٩( 'ω' )و)

ジュール『おもちゃって・・・』

 この時、存在意義すら違われる“お守り魔道具?“を解析ができるとハイテンションで、返事を返した僕は、新しく貰ったばかりのおもちゃではしゃぐ子供そのもので、大人達はそれを微笑ましそうに眺めていた事に気づいていなかった。多分、ここ最近の張り詰めた状況の息抜きのために、僕のこの我儘を聞いてくれたのだろうと後で気づいたのだが、これが例の派閥や獣人達の不可解な行動の解明にも繋がるとは誰も思いもしなかっただろう・・・

 そして、そのハイテンションのまま僕はいち早くこの“魔道具“をバラして解析したかったので、受け取って早々に自分の部屋に戻ることを許してもらい、自分の寝泊まりしている部屋にソルとジュール達を連れて戻ってきた。

「ソル、ソル!工具出して!早速解析してみよう!まずは表面に何か“魔道具“としての効果につながる意匠が組み込まれてないか見てみよう!」

 部屋に備え付けのテーブルの一つを作業台として利用し、そこの上に今貰ったばかりの“お守り魔道具?“を置いて、自分は椅子に座りソルをせかした。

ソル「はいはい、今出しますから落ち着いて!まずは作業用の敷布を敷いてからですよ、アトリー」

「うっ、はーい・・・」

 はしゃぎ過ぎの僕を宥めて手際よく解析する為の準備を整えてくれるソル、流石にこう言われてからちょっとはしゃぎ過ぎたと反省し、その準備を整うのを大人しく待った。
 そして、備え付けのテーブルの上と、作業用のエプロンと手袋まで全て装着し、丁寧に準備を終わらせてから、一つ気合いを入れ直し解析に入った。

「うーん、表面のこの模様は魔法的な要素は含まれてないみたい、ただの飾りだ・・・そうなると後はこれを分解して、中に刻まれている“魔法陣“を解析するしかないか・・・ココをこうして、…よっとっ!」パキッ・・・

 “魔道具“表面の意匠には何の意味もないことが分かったので、次は“魔道具“の心臓と言ってもいい“魔法陣“が施されているであろう場所を見るために、僕は手慣れた様子で“お守り魔道具?“の側面の溝を特殊な器具で押し上げるように開いた。

「よし、うまく開いた、ほー、かなり詰め込んでる、ね・・・えっ!?」

ソル「どうなさいました?アトリー?」

(っ!?何でこんな所に“日本語“が書かれてるの!!?)

ジュール達『『『『『!!!?』』』』』

 慎重に開いた“魔道具“の中に描かれていたのは通常の“魔法陣“で使う“古代語“だけではなく、要所、要所で見覚えのある懐かしい文字が使われていたのだ。それが分かった瞬間、僕は言葉を詰まらせ、言い知れぬ不安が湧き起こった。

天華『…アトリー、私達にも見えるようにしてください』

(あ、あぁ、うん、これ・・・)

天華『確かに、“日本語“ですね・・・、でも、よく見ると読めはしますけど、所々、書体に違和感があります、これは本物の“日本語“を知らずに、形だけをとりあえず真似したような書き方ですね・・・』

(た、確かに、漢字の止めや払いの場所が長さがまばらだ、それにひらがなに丸みが殆どない・・・これは、誰からか教えてもらった、もしくは何かのお手本を見よう見まねで書いた“魔法陣“ってことか・・・でも、異世界のこの文字をただの一学校の“シニストラ“の教師達は何処から入手したんだ?)

夜月『確かにな、リトス教の上位神官達ならいざ知らず、一介の教員が何処でそれを知り得たんだ?』

 僕が驚きで固まっていると、天華が自分にも良く見せてほしいと言ってきたので、僕は戸惑いながらも手に持っていた“魔道具“を作業布を敷いたテーブルの上に見やすいように広げてみせた。そうすると天華だけではなく、ジュールや夜月、精霊達もその“魔道具“を覗き込んで眉を顰めた。
 そして、“魔道具“に書かれている“魔法陣“をよく確認した天華が自分の気づいた点を指摘してくれたので、驚きで戸惑っていた僕もその時ようやく冷静にその“魔法陣“を観察することができ、その違和感に気づくことができた、また、この“魔道具“に書かれている“日本語“の出所が気になり始め、考え込んでいると、

ソル「アトリー?どうしたんです?顔色が悪いですよ!?」

「あ、それが、・・・いや、今は詳しいことは分からないけど、この“魔法陣“には未知の文字で書かれている部分があるんだ、だから分かる範囲で“魔法陣“の解析を先に進めよう、ソルも手伝ってくれる?」

ソル「え、えぇ、それは構いませんが・・・」

 僕が驚きを見せた後、黙り込んでしまったことでソルを心配させてしまったようだ、ひとまず“日本語“が使用されている件は横に置く事にして、僕が“魔法陣“の解析の手伝いを求めると、心配そうにしつつも快く手伝いを了承してくれた。


 そして、解析を進めて行った結果、これは厄介な事態を引き起こす“お守り“とは名ばかりの、災いの種となる“転移魔道具“だった・・・・


「“古代語“を読むと・・・“転移の魔道具“?」

ソル「アトリー、確かにこの“魔道具“は“転移魔道具“として作られていますが、こんな、大きさの“魔石“で“転移“が可能なんでしょうか?」

 解析した結果、この“魔道具“が使用制限一回だけの使い捨ての“転移魔道具“であることが判明した。ソルはそれが分かったからと言って、これが“転移魔道具“として実用性に足る物ではないと疑問に思ったようだが、それは“魔法陣“のある部分を理解していないとただのガラクタにしか見えない“魔道具“にしかならない、でも、僕はこの“魔法陣“の全てを理解していた、これが、あの“闘技場“に施された最大の仕掛けであることに・・・

「ソル、これはあの“闘技場“の“舞台“の仕掛けと連動している物だ、この“お守り魔道具?“単体では意味をなさないが、“闘技場にある舞台“、あれに元々施されている機能、“舞台内で気絶した者を舞台外の指定された場所に転移させる“と言う機能を逆手に取った、大規模な襲撃を可能にした“魔道具“がこれだよ・・・」

ソル「っ!?ど、どう言う事ですか!?この“魔法陣“ではただの“転移魔道具“ですよね?・・・もしかして、この見覚えのない文字に別の効果が・・・いや、何処かで見たことのある文字・・・もしかして!?」

「そう、この文字は僕達も見たことがあるよ、だって、“勇者候補“だった“仁さん達“の故郷の文字、“日本語“だもの・・・」

ソル「!、やはりこれが、“ニホンゴ“、でも、なぜこんな所にその“ニホンゴ“が?それに、アトリーはこれが読めるのですか?」

「うん、天華達に教えて貰った範囲でだけどね、僕でも分からない所は天華に詳しく聞いて、この“古代語“の部分と繋げて読んだらまた別の意味をなす言葉になった」

ソル「それは・・・どんな?・・・」

「それは・・・・」

 ソルに、“日本語“が分かる事を誤魔化し、僕はこの“魔道具“の本当の機能を話した。

 これは、“国際武闘大会“の第一試合で使用された、“舞台上“で気絶し、失格になった者を“舞台外“に“転移“させる“簡易転移魔道具“の“模倣品“であること、いや、“類似品“と言った方が正確かもしれない、なぜならその効果が全く真逆の効果を持っているからだ。
 まず、“大会“で使用されている“簡易転移魔道具“は、“魔道具“自体の起動装置本体で大きな魔力供給源でもある、大型で据え置き型の物と、接触している者の状態を感知して“転移“させる、前世で言うワイヤレス型の電話の子機のような、持ち運べる小型のバッチ型の物の二つで成り立っている。

 この“簡易転移魔道具“の持ち運び可能なバッチ型の方の“魔道具“を元に作られたのが、今回の問題の“お守り魔道具?“で、その効果は“舞台外“から“舞台上“に“特定の条件“を満たした“もの“を転移させる、と言った効果がある。その“特定の条件“と言うものが、この“魔道具“が魔力を帯びた生命体と衝撃を共なる接触をした時、その生命体の魔力を登録し、本体の起動と共に一気に転移させると言うのが“特定の条件“だ・・・そうソルに説明すると、

ソル「そ、それは、それを利用した襲撃を計画しているって事ですよね!?今のこの時期のそんな計画をしているって事は、“シニストラ“の教員達も第二側妃派とアトリーを狙う獣人達とも繋がっていると言う事じゃないですか!!それに、その襲撃計画は例の“闘技場の舞台の仕掛け“って事ですよね!??」ガタガタッ!

 と、ソルは“シニストラ“の教員達が壮大な襲撃を計画していることに椅子を倒す勢いで立ち上がるほど驚き、それと同時に例の獣人達と第二側妃派が繋がっていると言う事と、彼らが話していた“舞台の仕掛け“その物であることもすぐに気づいた。

「そう言う事だね。今まで情報を収集している間に“シニストラ“の教員達と、例の襲撃計画を立てていた派閥が接触しているなんて情報、一度もなかったから、完全に警戒してなかったよ・・・今は何よりまずいのはコレ、もう既に帝国内にたくさんいる冒険者達が所持していて、この1日だけで、多分、何十体、何百体?という魔物に投げつけられている可能性があるって事だよ・・・」

ソル「っ!!?それは、確かにマズイです。アトリー、この“魔道具“は投げつけて当たったもの、魔力を帯びる生命体に一度あたって落ちて、その場にいなくてもその生命体が“転移“させられるのでしょうか?」

「ん?あーそれは無いかも、この“魔道具“は“魔力を帯びた生命体“にあたると、その“魔力“を登録するけど、それと同時に“吸着“するように設計されている見たいだから、その“生命体“が死んで、“魔力“が感知できなくならないと落ちることはないと思うな。ただこれが、何にも当たらずに落ちたとしても、落ちているこの“魔道具“を“魔力を帯びた生命体“が思いっきり踏んだりすると、それを衝撃として感知して、踏んだ生命体にくっついてしまう可能性がある・・・それに、獣人の教員達が“ダンジョン“に潜っているのは、この“魔道具“を“ダンジョン“の下層にいる強力な魔物に投げつけるためだろうね・・・、コレと対になる本体があれば、その“転移“派止めることは簡単だろうけど、ただ、これを動かす為の本体の場所が何処にあるかと言う事が問題だ・・・」

ソル「!!?僕は今すぐに旦那様達にこの事を報告しに行ってきます!!」

「うん、お願い、僕はこれを精密に鑑定して、本体の場所が特定できるかやってみる」

ソル「無理なさらないでくださいね」

 コレまでの僕の話を聞いたソルは、すぐに大人達に報告に行かなければならないと判断し、僕はその報告はソルに任せて、今まで使っていなかった“全情報開示“のスキルを使って、この“お守り魔道具?“を鑑定する事にした。

(本当になんちゅう、厄介なものを作ってくれてるんだ、あの“シニストラ“の教員達はっ!ん?でも、今回の件でその人達が第二側妃派と獣人達と繋がりが分かったのは良いけど、あの教員達はなんでこんな面倒な事に協力しているんだ?こんな事に手を貸したりしたら、自分の立場だけでならともかく、今回の“大会“では国の代表としてきているんだから、国際問題にだって成りかねないのに・・・僕ともなんの因縁も無いはずだし・・・本当に何も、無いよね?僕、何処かで誰かに恨みを買ってた?)

 先程まではお遊び半分で分解、解析していたこの“お守り魔道具?“を真剣に見つめ、自分は何かを見逃しているかもしれないと言う不安を持ちつつ、必死に何故こうなったのかと考え込んでいると、

夜月『アトリー、今はこの“魔道具“を鑑定して、本体を探し出すことを優先するんだ』

(・・・うん、分かった、今はこの襲撃を止めることが最善だよね!・・・「スゥー、ふぅ」・・・よし、“全情報開示“フルパワー!!)

 不安でいっぱいだった僕に、夜月が今するべきことを示し、思い詰めないように、前を向かせてくれた、僕はその意志を受けとり、深呼吸を一つして、心を落ち着かせ、自分の中にある“神力“を作り出す“神創機関“を意識して、“神力“を瞳に集中させて“全情報開示“のスキルを発動させた。すると、微分の目にこの“お守り魔道具?“の鑑定結果がゲームのウィンドウのようなものが複数、視界いっぱいに出てきた。

「こ、コレは・・・」

















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