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崩れた均衡
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「え、ここ...なの?」
遼に連れて来られ、薫子は絶句した。
クリスマスパーティーは遼ちゃんの自宅かホテルのパーティールームを貸し切ってやるものだと思っていたけど、まさかここですると思わなかった......
「健全な大学生のクリスマスパーティーといえば、カラオケだってダチが言ってたからよ」
遼は得意そうに言った。
カラオケボックスの受付には薫子たちと同じような年齢の男女が溢れていた。
そっか...クリスマスは、みんなこういう風に過ごすんだ......
「よかったぁ、薫子いた!」
陽子がカラオケの入り口の扉を開けた途端、薫子と遼の姿を見つけて大声をあげた。
「いやぁ、セレブのクリパってどんなんかと思って何気に緊張してたけど、カラオケでよかったぁ。
あ...でも、さすが......薫子はパーティードレス着てんね」
そう言うと、陽子は薫子を改めて見つめた。
友人同士とはいえ、パーティーと名がつくのだからと薫子は正装を意識し、サテンのブラックドレスを着ていた。正面はシンプルでバックにリボンがあるのが、かえってそのドレスのラインの美しさを際立たせている。薫子にしては珍しく膝上丈だったが、裾にあしらわれたフリルが膝を隠しており、露出を感じさせない。
「ご、めんなさい...こんなカジュアルな集まりだって知らなくて」
遼ちゃんも一言、教えてくれたらよかったのに......
ベージュのケーブルニットワンピースを着た陽子に言い訳しながら、薫子は赤くなって俯いた。
陽子が来たことで薫子の神経質になっていた気持ちが和らぎ、3人で立ち話をしながら他のメンバーが来るのを待つ。たくさんの人が溢れ、話し声や笑い声で満たされていた。
そんな空気が、突然、変化した。
入口から入ってきた2人に視線が集中し、そこにいた女性達全員がどよめく......
悠と大和だった。
悠は白シャツに薄手のグレーのカーディガンを合わせた上に濃紺のジャケットを羽織り、下はオフホワイトのチノパンに黒のレザーシューズ。大和はライトグレーのシャツにカーディガンタイプの白いケーブルニット、9分丈の黒のスラックスにローファーという格好だった。
悠が視界に入るだけで、抑えられない程に胸が高鳴るのを薫子は感じた。
「わぁ......ひとりずつでも超絶イケメンだけど、ふたり揃うと迫力あるね」
陽子は、初めて間近で見た二人に興奮していた。
大和が軽く手を振りながら、歩いてくる。悠もこちらに視線を向け、一緒に歩いてきた。
「なんなんだよ、二人揃って雑誌に出てきそうな格好しやがって。俺が悪目立ちするだろーが!」
アメリカの大学の名前が入ったパーカーにくたびれたジーンズ、スニーカーを履いた遼がふたりを見て口を尖らせた。
「いや、別に普通だろ」
「おまっ、嫌味な奴だな...」
軽く流した大和の肩に腕を回し、遼が突っかかった。悠はそんな二人を尻目に、真っ直ぐに薫子に視線を向けた。
「薫子、そのドレス...とても似合ってる。綺麗だ」
「ありが...とう」
先程まではこのドレスを着て来たことを後悔していたのに、悠のその一言で、よかったと思ってしまってる。単純だな、私......
遼が絡んでくるのを避けるように薫子の近くに寄った大和が、その隣に立つ陽子の存在に気づいた。
「あれっ、初めまして、だよな? 俺、羽鳥 大和で、こっちにいるのが風間 悠。薫子の友達?」
「はいっ。薫子と同じ文学部の平川 陽子ですっっ」
陽子からは普段の明るく気さくな感じがなくなり、緊張で躰を硬くした。
陽子が緊張してるとこなんて、初めて見た......
大和はそんな陽子に微笑みつつ、遼に視線を向けた。
「メンバー、これで全員?」
そう言われ、薫子は首を振った。
まだ、真奈ちゃんが来てない......
遼が受付の壁時計に目をやる。
「もう時間だから、入るぞ。お前のダチには部屋番号伝えとけ」
遼に連れて来られ、薫子は絶句した。
クリスマスパーティーは遼ちゃんの自宅かホテルのパーティールームを貸し切ってやるものだと思っていたけど、まさかここですると思わなかった......
「健全な大学生のクリスマスパーティーといえば、カラオケだってダチが言ってたからよ」
遼は得意そうに言った。
カラオケボックスの受付には薫子たちと同じような年齢の男女が溢れていた。
そっか...クリスマスは、みんなこういう風に過ごすんだ......
「よかったぁ、薫子いた!」
陽子がカラオケの入り口の扉を開けた途端、薫子と遼の姿を見つけて大声をあげた。
「いやぁ、セレブのクリパってどんなんかと思って何気に緊張してたけど、カラオケでよかったぁ。
あ...でも、さすが......薫子はパーティードレス着てんね」
そう言うと、陽子は薫子を改めて見つめた。
友人同士とはいえ、パーティーと名がつくのだからと薫子は正装を意識し、サテンのブラックドレスを着ていた。正面はシンプルでバックにリボンがあるのが、かえってそのドレスのラインの美しさを際立たせている。薫子にしては珍しく膝上丈だったが、裾にあしらわれたフリルが膝を隠しており、露出を感じさせない。
「ご、めんなさい...こんなカジュアルな集まりだって知らなくて」
遼ちゃんも一言、教えてくれたらよかったのに......
ベージュのケーブルニットワンピースを着た陽子に言い訳しながら、薫子は赤くなって俯いた。
陽子が来たことで薫子の神経質になっていた気持ちが和らぎ、3人で立ち話をしながら他のメンバーが来るのを待つ。たくさんの人が溢れ、話し声や笑い声で満たされていた。
そんな空気が、突然、変化した。
入口から入ってきた2人に視線が集中し、そこにいた女性達全員がどよめく......
悠と大和だった。
悠は白シャツに薄手のグレーのカーディガンを合わせた上に濃紺のジャケットを羽織り、下はオフホワイトのチノパンに黒のレザーシューズ。大和はライトグレーのシャツにカーディガンタイプの白いケーブルニット、9分丈の黒のスラックスにローファーという格好だった。
悠が視界に入るだけで、抑えられない程に胸が高鳴るのを薫子は感じた。
「わぁ......ひとりずつでも超絶イケメンだけど、ふたり揃うと迫力あるね」
陽子は、初めて間近で見た二人に興奮していた。
大和が軽く手を振りながら、歩いてくる。悠もこちらに視線を向け、一緒に歩いてきた。
「なんなんだよ、二人揃って雑誌に出てきそうな格好しやがって。俺が悪目立ちするだろーが!」
アメリカの大学の名前が入ったパーカーにくたびれたジーンズ、スニーカーを履いた遼がふたりを見て口を尖らせた。
「いや、別に普通だろ」
「おまっ、嫌味な奴だな...」
軽く流した大和の肩に腕を回し、遼が突っかかった。悠はそんな二人を尻目に、真っ直ぐに薫子に視線を向けた。
「薫子、そのドレス...とても似合ってる。綺麗だ」
「ありが...とう」
先程まではこのドレスを着て来たことを後悔していたのに、悠のその一言で、よかったと思ってしまってる。単純だな、私......
遼が絡んでくるのを避けるように薫子の近くに寄った大和が、その隣に立つ陽子の存在に気づいた。
「あれっ、初めまして、だよな? 俺、羽鳥 大和で、こっちにいるのが風間 悠。薫子の友達?」
「はいっ。薫子と同じ文学部の平川 陽子ですっっ」
陽子からは普段の明るく気さくな感じがなくなり、緊張で躰を硬くした。
陽子が緊張してるとこなんて、初めて見た......
大和はそんな陽子に微笑みつつ、遼に視線を向けた。
「メンバー、これで全員?」
そう言われ、薫子は首を振った。
まだ、真奈ちゃんが来てない......
遼が受付の壁時計に目をやる。
「もう時間だから、入るぞ。お前のダチには部屋番号伝えとけ」
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