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崩れた均衡
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車は角をあと一つ曲がれば櫻井家の門が見える手前の道で停まった。
悠が運転席から降り、後部座席のドアを開けると薫子に手を差し伸べる。
薫子が降りた後、悠は陽子を見た。
「手、貸そうか?」
「い...いい、いいっ!!! 恥ずかしすぎて死ぬっ!!!」
「じゃあ、どうぞ...」
陽子はひとりで車から降りた。
あの角を曲がれば、家......もしかしたら、お父様がいるかもしれない......
薫子はゴクリと生唾を飲み下した。
悠が薫子の肩に手を置いた。
「本当は...このまま、薫子を連れ去りたい。でも、無計画のまま思いつきで実行しても、連れ戻されるだけだって分かってるから......」
悠...私も、本当は心のどこかで期待してた。このまま、悠が...私とどこかに一緒に逃げてくれたらいいのに、と。
でも、悠は今の感情に流されず、ちゃんと二人の未来を見つめてくれているんだ......
薫子が胸を熱くさせていると、悠が薫子の手を取り、その上に小さな箱を載せた。
「メリークリスマス、薫子。今日、君と一緒にクリスマスを過ごせて、嬉しかった」
「あ、私も......」
薫子は鞄からプレゼントを出すと、悠に渡した。
「メリークリスマス......」
本当は、今すぐにでも開けたいけど......陽子が待っていてくれてるのに悪いよね。しかも家の近くだし。誰かに見られたら......
そんな薫子の心配をよそに、悠はすでに包装紙に手をかけていた。
「開けていい?」
「え?ぁ...うん」
甘く微笑みながら尋ねる悠に、薫子は思わず頷いていた。
悠が目の前で包装紙を開け、中からグレーのマフラーを取り出すと、早速首に巻いた。
わわっ、もうしてる......
薫子は気恥ずかしくなり、真っ赤になって俯いた。
「どうかな?」
その言葉に、チラッと上目遣いに悠を見つめた。
「すごく...似合ってる」
「嬉しい。薫子の温もりを感じる......」
少ないプライベートの合間を縫って、見つからないように少しずつ編み進めたマフラーを喜んでもらえて、薫子は嬉しさと安堵の入り混じった笑みを見せた。
「えぇっ、これ手編みなの!? 売ってるみたいに、めちゃめちゃ綺麗な編み目なんですけどっっ!!」
二人の邪魔をしないようにと少し離れたところにいた陽子が、驚いて思わず声を上げた。
「ねぇ、薫子は何もらったの?」
興味津々な陽子の声を聞き、薫子は小箱を開けた。
そこにはニューヨーク5番街に本店を構えるセレブに人気の有名ブランドのオープンクラスター・ハート・ペンダントが入っていた。流線型に配されたラウンドとペアシェイプのダイヤモンドが、存在感あるハートの形を作り上げているデザインだ。
「素敵......」
呟いた薫子に、「貸して......」と、悠が手を差し出した。
ペンダントを悠の手にかけると、悠の両腕が抱き締めるような形で薫子の首にふわっと回る。
す、ごくドキドキする......
悠の香りと温もりを感じて、薫子は破裂しそうな心臓の鼓動を全身で感じていた。
初めて悠と出会った時に髪の毛についた桜の花弁をとってもらったことが思い起こされ、余計にそれが薫子の熱を高める。
「うん、すごく綺麗だ......」
俯いた薫子の視界には銀色に輝くハートが光っていた。
「ありがとう......大切に、するね」
悠が運転席から降り、後部座席のドアを開けると薫子に手を差し伸べる。
薫子が降りた後、悠は陽子を見た。
「手、貸そうか?」
「い...いい、いいっ!!! 恥ずかしすぎて死ぬっ!!!」
「じゃあ、どうぞ...」
陽子はひとりで車から降りた。
あの角を曲がれば、家......もしかしたら、お父様がいるかもしれない......
薫子はゴクリと生唾を飲み下した。
悠が薫子の肩に手を置いた。
「本当は...このまま、薫子を連れ去りたい。でも、無計画のまま思いつきで実行しても、連れ戻されるだけだって分かってるから......」
悠...私も、本当は心のどこかで期待してた。このまま、悠が...私とどこかに一緒に逃げてくれたらいいのに、と。
でも、悠は今の感情に流されず、ちゃんと二人の未来を見つめてくれているんだ......
薫子が胸を熱くさせていると、悠が薫子の手を取り、その上に小さな箱を載せた。
「メリークリスマス、薫子。今日、君と一緒にクリスマスを過ごせて、嬉しかった」
「あ、私も......」
薫子は鞄からプレゼントを出すと、悠に渡した。
「メリークリスマス......」
本当は、今すぐにでも開けたいけど......陽子が待っていてくれてるのに悪いよね。しかも家の近くだし。誰かに見られたら......
そんな薫子の心配をよそに、悠はすでに包装紙に手をかけていた。
「開けていい?」
「え?ぁ...うん」
甘く微笑みながら尋ねる悠に、薫子は思わず頷いていた。
悠が目の前で包装紙を開け、中からグレーのマフラーを取り出すと、早速首に巻いた。
わわっ、もうしてる......
薫子は気恥ずかしくなり、真っ赤になって俯いた。
「どうかな?」
その言葉に、チラッと上目遣いに悠を見つめた。
「すごく...似合ってる」
「嬉しい。薫子の温もりを感じる......」
少ないプライベートの合間を縫って、見つからないように少しずつ編み進めたマフラーを喜んでもらえて、薫子は嬉しさと安堵の入り混じった笑みを見せた。
「えぇっ、これ手編みなの!? 売ってるみたいに、めちゃめちゃ綺麗な編み目なんですけどっっ!!」
二人の邪魔をしないようにと少し離れたところにいた陽子が、驚いて思わず声を上げた。
「ねぇ、薫子は何もらったの?」
興味津々な陽子の声を聞き、薫子は小箱を開けた。
そこにはニューヨーク5番街に本店を構えるセレブに人気の有名ブランドのオープンクラスター・ハート・ペンダントが入っていた。流線型に配されたラウンドとペアシェイプのダイヤモンドが、存在感あるハートの形を作り上げているデザインだ。
「素敵......」
呟いた薫子に、「貸して......」と、悠が手を差し出した。
ペンダントを悠の手にかけると、悠の両腕が抱き締めるような形で薫子の首にふわっと回る。
す、ごくドキドキする......
悠の香りと温もりを感じて、薫子は破裂しそうな心臓の鼓動を全身で感じていた。
初めて悠と出会った時に髪の毛についた桜の花弁をとってもらったことが思い起こされ、余計にそれが薫子の熱を高める。
「うん、すごく綺麗だ......」
俯いた薫子の視界には銀色に輝くハートが光っていた。
「ありがとう......大切に、するね」
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