【R18】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

奏音 美都

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遼の想い

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 アメリカでの暮らしは正直、きつかった。

 ろくに英語の勉強すらせずに現地の中学校に入れられた俺は、授業どころか何を言っているのかでさえも理解できない。中学校のESL(英語補修クラス)を受けながら、授業もこなし、家に帰ったら必死に勉強した。

 クラスのやつらは英語の出来ない俺をバカにしてるのが肌でわかった。

 住んでいた地域は白人が多く、アジア人は珍しい。私立の金のかかる学校に入れば中国人や韓国人などのアジア人も多く、それほどの差別を受けることもないが、妹の佳那は私立の金持ちが通う女子校に入れてもらったのに、俺は公立に通わされたのだった。

 くっそ。こんなことで負けてたまるかよ......

 恥ずかしいなんて思ったら何もできねぇ。ブロークンでもなんでも、俺は知ってる単語を並べてクラスのやつらに話しかけ、自分の得意分野であるサッカーやバスケに誘うようになった。

 最初はバカにしてた連中も、だんだんスポーツを通じて打ち解けるようになった。言葉の壁を越えられるスポーツって、すげぇ。

 英語も耳が慣れてくるとどんどん会話が楽しくなり、気づけば授業の内容も頭に入ってくるようになった。

 圏内の高校はレベルが低かったため、私立に通うことになった。親父が、いい大学に入るために高校はちゃんとしたところに通わせたかったらしい。せっかく仲良くなれたダチと別の高校に入るのは寂しい気はしたが、でっかい男になるためには勉強も必要だと思い、親父の方針に従った。

 アメリカに来てから薫子に連絡することなどなかったが、俺はあいつとの約束を胸に、いつか会える日を思って勉強に励んだ。

 高校に入ってからは親父の仕事も手伝うようになり、その内容に次第に興味がわいてきた。

 大学は経営学に強いところを選び、親父の仕事に深く関わるようになっていった。親父や周りの社員はバカにすることなく俺のアイデアを『斬新な見方がいい』、と熱心に聞いてくれる。ひとりの人間として認めてもらえ、親父の仕事に貢献できているのがすげぇ嬉しかった。

 俺のアイデアを元に開発されたアプリが爆発的なヒットを飛ばし、どんどん会社は成長していった。

 その頃、俺は決意した。
 今こそ薫子に会いにいこう、と。

 だが、ただ単にあいつに会いにいくだけじゃつまらねぇ。それに、迎えに行くって言ったからには、それなりの証拠を見せつけてやんねぇとな。

「親父......ちょっと、話があんだけど」
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