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決意
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息を切らして部屋へと戻り、扉を閉めると走ってバルコニーへと向かった。
カーテンを開けると、ちょうど軽トラックがエンジンをかけたところだった。扉を開けてバルコニーへ出ると、ハラハラしながら見守る。
荷台に載っている布は厚地で防水加工がされてある丈夫な素材でできており、一見したところ下に人が隠れているとは分からなかった。
甲高い音が響き、トラックが後進しながらゆっくりと裏口へと出て行く。裏口の門は既に開いており、誰もそこに立っている者はいなかった。それでも、門のすぐ脇をトラックが通り抜ける際には、監視カメラが荷台を映しているのではないかと、薫子は気が気ではなかった。
トラックが方向を切り替えながら裏口を完全に抜け、道沿いに平行になるとゆっくりとスピードを上げて去って行った。
薫子はトラックが小さくなり、やがて角を曲がって見えなくなっても、そこから暫く目を離すことができなかった。
悠、どうか何事もなく無事に家に帰れますように......
ようやく部屋に戻り、デスクの上のスマホを手にした。
悠に連絡したいけど、でも......
迷っていると、緑のランプが光った。
『信号で停まった時に荷台から降りた。これから家に帰る』
悠からのLINEのメッセージに大きく息を吐いた。
よかった......
まだ部屋には、悠の熱が、残り香が仄かに立ち上っている気がして、悠への愛おしい気持ちが込み上がってくる。
ふとベッドに目をやると、枕元には一枚の封筒があった。薫子は枕元へ立つと、封筒を手にし、中から航空券を取り出した。
悠から駆け落ちの具体的な話を聞かされた時は、目の前に現実として迫り、実感が湧いた気がしていた。だが、悠が立ち去り、一枚残された航空券を見ていると、まだそれはどこかふわふわとした実態の掴めないもののように思える。
でも、あと10日もしたら私は......本当に、悠と駆け落ち......するんだ。
薫子は、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
そうだ、美姫は明日には帰国するはずだから、早く連絡しないと......
薫子はデスクのパソコンの電源を立ち上げた。
メールのアイコンをクリックし、立ち上がる時間すらも惜しく感じる。美姫がすぐにメールを確認するかどうかわからないのに、今すぐにでも美姫に相談したくて、一刻も早くメールをしたい気持ちに急かされる。
『美姫、いつに帰国するの? 帰国したら直接会って話したいことがあるから、すぐに連絡欲しいの。
こんなこと話せるの、美姫しかいないから...早く、会いたい』
薫子は美姫へのメッセージを送ってから、はたと気づいた。
オーストリア旅行について、美姫に何も聞いてない。普通なら、「旅行はどう?」とか「楽しんでる?」とか聞くはずなのに。
それに、美姫の今の心理状態がよくわかってないのに、あんな一方的なメール送っちゃって、迷惑だったかもしれない.......
後悔するものの、今更取り消すこともできない。再度別にメールを送ろうとしたが、それもどうかと思い、諦めた。
美姫、心配するかな......
心配...してくれるのかな。
美姫にとって、私は今......どういう存在なのだろう。
薫子は深い溜息を吐くと、メールを閉じた。
カーテンを開けると、ちょうど軽トラックがエンジンをかけたところだった。扉を開けてバルコニーへ出ると、ハラハラしながら見守る。
荷台に載っている布は厚地で防水加工がされてある丈夫な素材でできており、一見したところ下に人が隠れているとは分からなかった。
甲高い音が響き、トラックが後進しながらゆっくりと裏口へと出て行く。裏口の門は既に開いており、誰もそこに立っている者はいなかった。それでも、門のすぐ脇をトラックが通り抜ける際には、監視カメラが荷台を映しているのではないかと、薫子は気が気ではなかった。
トラックが方向を切り替えながら裏口を完全に抜け、道沿いに平行になるとゆっくりとスピードを上げて去って行った。
薫子はトラックが小さくなり、やがて角を曲がって見えなくなっても、そこから暫く目を離すことができなかった。
悠、どうか何事もなく無事に家に帰れますように......
ようやく部屋に戻り、デスクの上のスマホを手にした。
悠に連絡したいけど、でも......
迷っていると、緑のランプが光った。
『信号で停まった時に荷台から降りた。これから家に帰る』
悠からのLINEのメッセージに大きく息を吐いた。
よかった......
まだ部屋には、悠の熱が、残り香が仄かに立ち上っている気がして、悠への愛おしい気持ちが込み上がってくる。
ふとベッドに目をやると、枕元には一枚の封筒があった。薫子は枕元へ立つと、封筒を手にし、中から航空券を取り出した。
悠から駆け落ちの具体的な話を聞かされた時は、目の前に現実として迫り、実感が湧いた気がしていた。だが、悠が立ち去り、一枚残された航空券を見ていると、まだそれはどこかふわふわとした実態の掴めないもののように思える。
でも、あと10日もしたら私は......本当に、悠と駆け落ち......するんだ。
薫子は、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
そうだ、美姫は明日には帰国するはずだから、早く連絡しないと......
薫子はデスクのパソコンの電源を立ち上げた。
メールのアイコンをクリックし、立ち上がる時間すらも惜しく感じる。美姫がすぐにメールを確認するかどうかわからないのに、今すぐにでも美姫に相談したくて、一刻も早くメールをしたい気持ちに急かされる。
『美姫、いつに帰国するの? 帰国したら直接会って話したいことがあるから、すぐに連絡欲しいの。
こんなこと話せるの、美姫しかいないから...早く、会いたい』
薫子は美姫へのメッセージを送ってから、はたと気づいた。
オーストリア旅行について、美姫に何も聞いてない。普通なら、「旅行はどう?」とか「楽しんでる?」とか聞くはずなのに。
それに、美姫の今の心理状態がよくわかってないのに、あんな一方的なメール送っちゃって、迷惑だったかもしれない.......
後悔するものの、今更取り消すこともできない。再度別にメールを送ろうとしたが、それもどうかと思い、諦めた。
美姫、心配するかな......
心配...してくれるのかな。
美姫にとって、私は今......どういう存在なのだろう。
薫子は深い溜息を吐くと、メールを閉じた。
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