【R18】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

奏音 美都

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突きつけられた現実

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 玄関の扉を閉めてもまだ、薫子の心臓がバクバクしていた。冷気が背中を走る。
 薫子の脳裏には、先程見た週刊誌の写真が焼きついたまま離れずにいた。

「お嬢様、お帰りなさいませ」

 扉を開けたメイドに声を掛けられ、薫子はハッとした。

「えぇ」

 短く答えると、薫子は足早に玄関を後にし、部屋へと向かう。

 部屋に戻ってきた途端、薫子はその場で崩れた。涙が瞳の奥から溢れ出し、両手で覆った。

「ッ......ッッウ...ッグ」

 なぜ、ふたりの仲が暴露されてしまったのだろう。
 あの写真は、いったい誰が、なんの目的で......

 考えても分かるはずなどないと分かっていても、頭の中にそんな思いが渦巻くのを止められない。

 美姫!
 美姫!
 美姫!!!

 ---やっぱり、私は......止めるべきだったんだ。

 叔父と姪の恋なんて、世間に認められるはずなどなかった。
 私は不安に思いながらも、美姫が幸せであればそれでいいと、傍観してしまった。
 
 私がもっと、強く止めていれば......

 深い後悔が大波のように薫子を覆い、呑み込まれる。その一方で、どんなに薫子が強く止めたところで、美姫が秀一との関係を断つことなどなかっただろうと分かっていながらも......

 美姫と秀一のことはもちろん心配だったが、美姫の両親のことも気がかりだった。

 仕事が忙しく、あまり会う機会のない彼らだったが、会えばいつも薫子に優しく接してくれた。美姫に向けられる両親からの温かい愛情を感じ、これが自分の家族だったらどんなに素敵だろうと何度思ったかしれない。そんな彼らの気持ちを思うと、薫子は居た堪れなかった。

 娘が弟と恋愛関係にあると知ったおじさま達は、裏切られた思いでいるのだろうか。きっと、いなくなってしまったふたりの行方を捜し、その身を案じているに違いない。仕事どころではないだろうに、ふたりのスキャンダルにより会社にまで打撃が与えられ、方々から責められ、どんなに辛く苦しい思いをしていることだろう。

 最後に彼らに会った成人式で、美姫を見つめる誇らしげなふたりの表情を思い出し、薫子の目には再び涙が溢れ出していた。
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