【R18】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

奏音 美都

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SS2 告白

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 薫子にとって父は絶対の存在。父に命に背くなど、考えられないことだった。

 龍太郎が何らかの理由で悠人を嫌っているのであれば、その息子である悠を認めることなど、絶対に起こり得ない。

 この恋心は、叶うことなどない。諦めなければ......

 そう、思うのに...

 悠の姿を見る度、視線で追いかけてしまう自分がいる。優しい言葉に嬉しくなり、ときめいてしまう自分がいる。

 押し込もうとすればするほど、その想いは募るばかりだった。

 初めて父の口から直接聞いた、悠の父親を忌み嫌う言葉。

 やはり、お父様は悠のお父様のことを嫌ってらっしゃるんだ.....どんなに想っていても、この恋心は実ることなどない。 

 薫子は唇を噛み締め、俯いた。

 それからも、龍太郎の薫子のお披露目は続いた。

 薫子は人波を歩くだけでまるで狭い壁を歩いているような気分になり、息苦しさを覚える。

 そのうちにどんどん酸素が足りなくなってくるのを感じ、短い呼吸を荒く吐いていると、耳鳴りがし始め、胸がムカムカしてくる。視界の景色がぐらぐらと揺れ始め、電球が切れかけているかのようにチカチカし、色を失う。

 苦しい......

 立っていられず、思わず薫子はその場に蹲った。

「大丈夫ですか」

 声を掛けてくれたのは父、龍太郎ではなく、周りにいたゲストだった。

 その声にようやく龍太郎が蹲る薫子に気づくと、そこにいた給仕係に声を掛けた。

「おい、娘がどうやら気分を悪くしたらしい。外に連れてってくれ」

 薫子は顔面蒼白で耳鳴りとグラグラ揺れる気持ち悪さを感じながら、どう見ても心配しているとは思えない薄情な父の言葉を遠くに聞いていた。

「薫子様、こちらへ」

 給仕係が薫子に肩を貸し、皆の視線を集める中、会場の外へと連れ出された。

 ロビーのソファで腰を下ろすが、まだ気分が悪く、座っているのさえ辛い。だからと言ってここで横になることも出来ず、荒く呼吸を吐きながら耐えていると、先ほどの給仕係に代わり、今度はフロント係の女性が出てきた。

「薫子様、只今空いているお部屋へご案内致しますのでこちらへどうぞ」

 もう立つことも出来ないぐらい限界だったが、フロント係の女性に支えられて部屋へと案内してもらう。

「こちらです...」
「ありがとうございます......」

 顔面蒼白になりながらも着物の帯を緩め、肌襦袢になり、ベッドに横たわるとようやく気分が落ち着いてきた。

 お父様、怒ってらっしゃるかな......

 櫻井財閥の令嬢として、社交界デビューをしっかり務めなければいけなかったのに、それが出来なかった罪悪感に苛まれる。

 私はいつか...櫻井財閥が飛躍するための道具として嫁がされることになるんだ。
 夢なんて、みてはいけない。愛する人と結婚し、幸せな家庭を描く夢なんて...叶いっこないのだから。

 そう考えて、悠の姿が思い浮かび、薫子の目尻から涙が溢れた。
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