【R18】聖夜に舞い降りた天使

奏音 美都

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甘いひととき

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 アンジュの唇の温度が僕の唇によって温められていく。お互いの熱を分け合うような優しい口づけなのに、重ね合わせた唇の熱が身体中を巡り、身体の芯から新たな熱が生まれるのを感じた。そして、僕の心の中は彼女の愛おしさで溢れてくる。

 長く唇だけを重ねた後、その感情に動かされるように角度を変えながら優しくアンジュの唇を啄んでいく。

「んっ……」

 アンジュの小さく漏れた声が僕の欲情を高めていく。彼女の細い腰に手を回して、華奢な身体を引き寄せた。

 なんて、儚くて、脆くて、愛おしい存在なんだ。

 僕の鼓動とアンジュの鼓動が重なって、それが速まると同時に気持ちが高揚する。それとともに口づけも熱を帯びて深くなっていく。唇を合わせるという行為が、こんなにも人の感情を揺さぶり、身体の芯を熱くさせるものだなんて、知らなかった。

 唇からお互いの感情が流れ込んでくるように感じる。

 アンジュをもっと感じたくて……
 アンジュもそれに応えるように……

 お互いの舌を絡ませ合い、甘い吐息を漏らす。

 アンジュが僕の肩に手を置いて、一瞬きつく掴むその仕草がまた僕を煽らせた。唇が離れる瞬間、うっすらと瞳を開けたアンジュの表情が艶かしくて、彼女の中に見えた『女』にドキドキと胸の鼓動が速まった。

「ッハァ...」と切ない吐息を漏らした後、アンジュが僕をどこか視点の合わない目線で見上げた。

「キスがこんなに気持ちいいものだったなんて、知らなかった……」

 アンジュが僕の胸に顔を寄せる。その仕草が愛おしくて、僕は彼女の頭のてっぺんにキスをした。

「一晩中でもしてたい」

 囁くように言った彼女の言葉に、僕は思わず笑みを溢す。

「一晩中キスしてたら、唇が腫れるよ」

 アンジュはガバッと顔を起こすと僕を見上げた。

「いいの。そしたら、ぷっくりセクシーな唇になれるでしょ」

 そんな発想をしてしまうアンジュが可愛くて仕方ない。

 なんなんだろう、もう……

 戸惑うぐらいに、急速に彼女に惹かれている自分を感じる。

「もう君は十分にセクシーだよ……僕を、翻弄するぐらいに」

 見上げたアンジュの唇を優しく指でなぞった。

 アンジュ……なんて不思議な子だろう……
 君といると、僕の中から愛おしい想いがどんどん溢れ出してくる。僕は、翻弄されてばかりだ。

 アンジュの唇をなぞっていた僕の指先を、アンジュが僅かに口を開けて軽く咥えた。甘美な仕草と指先から伝わる温みのある感触が、僕を淫らな思いへと引き込む。

「ルネ……もっと、ルネを感じたい。もっと深く感じさせて……」

 僕の首元に強く抱きついてきたアンジュの身体を抱き締めると、そっとベッドに組敷いた。

「アンジュ……僕も、アンジュを感じたい……」

 瞳の奥に強い欲情の光を灯した僕に、アンジュはハッとしたように腕を緩めた。

 半身を起こして膝立ちになると、身につけている服を次々に脱いでベッドの下へ落とす。アンジュはその様子を瞳を大きく揺らしながら、じっと見つめていた。

「綺麗……」
「え……」

 微睡んでいるかのように少し重たそうな瞼で僕を見上げる彼女は、匂い立つような色香を帯びていた。

「ルネの身体、とっても綺麗……まるでギリシャ彫刻の彫像みたい。
 ねぇ、触れてもいい?」

 アンジュがそっと手を伸ばし、僕の胸板に指先で優しく触れる。触れられた瞬間、ズキンッと電流が走るような痛みが背中を走り、甘い疼きとともに広がっていった。

 胸板に置かれたアンジュの手を取り、手の甲にそっと口づけを落とすと頭の上に縫い止めた。組み敷いたアンジュを見下ろし、ゆっくりとケープのボタンを外す。ケープの下からは、真冬の服装とは思えないほどの薄手の白い長袖のワンピースが覗いた。

 一瞬、手の動きが止まるが、

 今に始まったことじゃないか……

 僕はアンジュの事情は何ひとつ知らない。

 だけど、彼女だってそうだ。アンジュは僕の過去も現在も知らない。

 お互い惹かれ合っているという感情がここにあるだけだ。

 でも、それでいい……今は……
 今はただ、お互い求め合うまま身体を重ねたい……
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