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罪の代償
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『KURUSU』の新デザイナーを市川が引き受けることが決まり、美姫は副チーフの島根と秘書の内田を呼び出した。
美姫がチーフを下りることを伝え、二人には正直にその理由を打ち明けた。晴天の霹靂だった島根は驚愕していたが、大和とのぎくしゃくした関係と秀一との仲を薄々感じていた内田は驚きながらも、それを受け止めた。
美姫は、島根に頭を下げた。
「自分勝手なお願いだとは重々承知しています。でも、島根さんにチーフを引き受けて頂きたいんです。
どうか、お願いします」
島根は、大きく頭を振った。
「そんな大役、私にはとても無理です!
『KURUSU』は来栖美姫あっての『KURUSU』です。とても私には、背負いきれません」
そう言って断ったものの、結局、美姫の懇願と熱意に押されて承諾することになった。
美姫は、内田を見つめた。
「これからは、チーフとなった島根さんを支えて頂けますか。我儘を言って、申し訳ありません……
それからこれは『KURUSU』の事業で成功して得た、私個人の収益です。もし従業員を減らすことになったり、損失してしまった場合は、従業員への退職金や補填として使って下さい」
美姫は、小切手を手渡した。内田は驚いて美姫を見つめた。
「チーフ……」
「こんなことをしても......罪を償い切れるとは思っていません。お二人だけでなく、信頼してくれたスタッフみんなにも申し訳なく思っています。
本当に、ごめんなさい……」
その後、オフィスのスタッフと各支店の支店長を集めての会議が行われた。美姫がチーフとデザイナーを下り、新チーフに島根が、新デザイナーを市川が務めることが伝えられた。市川はファッション業界で知らない者はいない程の有名な人気デザイナーであるため、市川の名前に興奮したものの、美姫が辞めることを聞き、スタッフ達の間に大きく動揺が広がった。
今まで『KURUSU』がここまで大きく飛躍出来たのは、間違いなく『来栖美姫』という看板があったお陰であり、これから会社はどうなるのだろうという不安を隠しきれなかった。
「みきさぁん! どうして、やめちゃうんですかぁ!!」
ソウル支店の支店長として会議に出席したソユンが叫び、泣き出した。
ソユンは美姫がいたからこそ、『KURUSU』ソウル支店の支店長に立候補したのだ。そのショックは、相当なものだった。
ソユンは美姫にとっても一従業員以上、妹のような存在に感じていたので、感情を露わにして泣く彼女に胸が詰まり、ジンジンとした痛みが広がった。美姫は申し訳なく思いつつも、この痛みをしっかりと受け止めなければいけないと思った。
「ソユン……ごめん、なさい……本当に、皆さん……ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
辞職する理由はお話出来ませんが、これまで支えてきて下さった皆さんに申し訳ない思いでいっぱいです。全ての職務を終えた後、記者会見にて理由をお話しますので、それまでこの件はどうか内密にお願いします」
美姫は、深々と頭を下げた。
内田が美姫の話を引き継ぎ、退職志願者に対しては通常の2倍の退職金と3ヶ月分の給与が支払われることが説明された。
更に会議室はざわつき、動揺が広がるものの、その場での退職志願者はソユンを含めて一人も出なかった。
美姫がチーフを下りることを伝え、二人には正直にその理由を打ち明けた。晴天の霹靂だった島根は驚愕していたが、大和とのぎくしゃくした関係と秀一との仲を薄々感じていた内田は驚きながらも、それを受け止めた。
美姫は、島根に頭を下げた。
「自分勝手なお願いだとは重々承知しています。でも、島根さんにチーフを引き受けて頂きたいんです。
どうか、お願いします」
島根は、大きく頭を振った。
「そんな大役、私にはとても無理です!
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そう言って断ったものの、結局、美姫の懇願と熱意に押されて承諾することになった。
美姫は、内田を見つめた。
「これからは、チーフとなった島根さんを支えて頂けますか。我儘を言って、申し訳ありません……
それからこれは『KURUSU』の事業で成功して得た、私個人の収益です。もし従業員を減らすことになったり、損失してしまった場合は、従業員への退職金や補填として使って下さい」
美姫は、小切手を手渡した。内田は驚いて美姫を見つめた。
「チーフ……」
「こんなことをしても......罪を償い切れるとは思っていません。お二人だけでなく、信頼してくれたスタッフみんなにも申し訳なく思っています。
本当に、ごめんなさい……」
その後、オフィスのスタッフと各支店の支店長を集めての会議が行われた。美姫がチーフとデザイナーを下り、新チーフに島根が、新デザイナーを市川が務めることが伝えられた。市川はファッション業界で知らない者はいない程の有名な人気デザイナーであるため、市川の名前に興奮したものの、美姫が辞めることを聞き、スタッフ達の間に大きく動揺が広がった。
今まで『KURUSU』がここまで大きく飛躍出来たのは、間違いなく『来栖美姫』という看板があったお陰であり、これから会社はどうなるのだろうという不安を隠しきれなかった。
「みきさぁん! どうして、やめちゃうんですかぁ!!」
ソウル支店の支店長として会議に出席したソユンが叫び、泣き出した。
ソユンは美姫がいたからこそ、『KURUSU』ソウル支店の支店長に立候補したのだ。そのショックは、相当なものだった。
ソユンは美姫にとっても一従業員以上、妹のような存在に感じていたので、感情を露わにして泣く彼女に胸が詰まり、ジンジンとした痛みが広がった。美姫は申し訳なく思いつつも、この痛みをしっかりと受け止めなければいけないと思った。
「ソユン……ごめん、なさい……本当に、皆さん……ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
辞職する理由はお話出来ませんが、これまで支えてきて下さった皆さんに申し訳ない思いでいっぱいです。全ての職務を終えた後、記者会見にて理由をお話しますので、それまでこの件はどうか内密にお願いします」
美姫は、深々と頭を下げた。
内田が美姫の話を引き継ぎ、退職志願者に対しては通常の2倍の退職金と3ヶ月分の給与が支払われることが説明された。
更に会議室はざわつき、動揺が広がるものの、その場での退職志願者はソユンを含めて一人も出なかった。
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