【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都

文字の大きさ
23 / 66
初めての共同作業

しおりを挟む
 クロードの端正な顔が近づくと、鼻と鼻が触れ合い、その近さにルチアの胸が高鳴り、耳元にまで響いてくる。

「今すぐ、ルチアが欲しい」

 クロードの甘い囁きが媚薬のようにルチアの耳元にトロリと入り込んで、躰の芯が熱くジンジンと痺れる。

「クロード、様……」

 こんな場所で、ダメって思うのに……クロード様の言葉に、抗うことができませんわ。私も、そうなることを心のどこかで望んでいたのかもしれません。

 ルチアの欲情を灯した潤んだ瞳に、それ以上に欲の籠もった瞳で見つめるクロードの姿が映し出された。

 これほど、余裕がないとはな……

 クロードは心の中で自嘲するものの、もうこの欲は抑えきれそうになかった。

 愛らしすぎる、お前の罪だ。

 クロードは鼻先だけで触れ合っていた距離から更に近づくと、唇を重ねる。ルチアの柔らかく艶やかな唇を味わうように角度を変えながら、食んでいく。

「ん……」

 ルチアの切ない吐息に更に煽られ、唇の隙間に舌を捩じ込むとルチアが応えるように僅かに口を開いた。

 厨房に似つかわしくない艶かしい水音をたてながらルチアの口内を貪るように味わい、彼女の舌を絡め取るとクロードは溢れる蜜ごときつく吸った。

「んんんぅ……」

 激しい接吻の勢いに押され、ルチアの腰が後ろにあった既に綺麗に片付かれた調理台にトン、とついた。

「ん…」

 ルチアの瞳が切なく揺れる。

 単に、戸惑っているだけだとは分かっているが、こんな瞳で見つめられると誘われているのかと錯覚してしまいそうになるな……

 クロードがルチアの裏腿へ手を回し、ぐいっと持ち上げると、調理台の上へと載せる。

「え……」

 ルチアが、戸惑いの目でクロードを見下ろした。

 そんな風に戸惑う姿も、可愛く思えるな。しかし、身に纏う衣服が変わるだけで、なぜこれ程までに欲情してしまうのだ。

 目の前に座るメイド服姿のルチアを見ていると、クロードは堪らなく触れたい気持ちにさせられた。

 今までメイド服とはただの制服でしかなかったが、ルチアが着ることによってこんな気持ちになるとは……

 外からでも分かるほど、胸の膨らみを見せる白いブラウスのボタンを一つ一つ丁寧に外していく。

「あ。クロード様……」

 ルチアの手がクロードの手に重なり、そっと制すような眼差しを向けられる。

 そんな弱い制し方では、煽っているとしか思えぬぞ。

 心の中で、クロードが苦笑する。

「気が変わった。ルチアを、デザートではなく、オードブルで頂くことにしよう」
「……っ」

 目の前で全身真っ赤にして、困ったように縮こまって座っている愛らしいルチアの指先を、クロードはそっと咥えた。咥えた指先を舌で絡め取るように舐めると、ルチアの美しく華奢な指が震えた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

離宮に隠されるお妃様

agapē【アガペー】
恋愛
私の妃にならないか? 侯爵令嬢であるローゼリアには、婚約者がいた。第一王子のライモンド。ある日、呼び出しを受け向かった先には、女性を膝に乗せ、仲睦まじい様子のライモンドがいた。 「何故呼ばれたか・・・わかるな?」 「何故・・・理由は存じませんが」 「毎日勉強ばかりしているのに頭が悪いのだな」 ローゼリアはライモンドから婚約破棄を言い渡される。 『私の妃にならないか?妻としての役割は求めない。少しばかり政務を手伝ってくれると助かるが、後は離宮でゆっくり過ごしてくれればいい』 愛し愛される関係。そんな幸せは夢物語と諦め、ローゼリアは離宮に隠されるお妃様となった。

コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。 彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。 そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。 幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。 そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...