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ワンコのおもてなし
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それからも波留はお皿が空くたびに、レストランのように次々と料理を持って来た。
具がたくさん入ったミネストローネ。
生ウニを添えたズワイガニのクリームパスタ。
鶏もも肉のコンフィ。
りんごとケールと胡桃のサラダ。
最後にデザートを手に戻って来た波留に、私は興奮の声を漏らした。
「すごぉい! イタリアンレストランのコースメニューみたい!
料理も美味しいし、なんかレストランで食事してるみたいな気分になっちゃう♪」
それを聞いて波留が肩を揺らし、一瞬固まった。
え?
何か私、マズいこと言った……?
「……美緒先輩、バレンタインの日に行こうとしてたイタリア料理のレストラン、覚えてますか?」
「えっ? あぁ、うん」
私の提案で行こうとしたけど入れなくて、結局居酒屋さんに行くことにしたんだよね。
「実は……あのレストランに行って、バレンタインの日の特別コースのメニュー……お願いして教えてもらったんです。もちろんレシピまでは教えてくれないので、自分でいろいろと調べたんですけど」
……マジか!?
今度は私が固まる番だった。
「それで……あと、これ……」
波留が私の目の前に白い平皿をサーブした。
フォンダンショコラの横に美しく飾られた苺とラズベリー。そして、ストロベリーソースでメッセージが添えられていた。
『You're my Valentine』
えっと、『あなたは、私のバレンタイン』?
どういう意味?
「『あなたは私の特別な人だ』、っていう意味です。
バレンタインデーの由来になったバレンタインさんが獄中で恋した盲目の娘に送ったラブレターが元になって出来た英語の言い回しらしいです。
バレンタインに結ばれた僕達にぴったりだと思いませんか?」
波留は頬をピンクに染め、潤んだ唇の両端を引き上げてはにかんだように微笑んだ。
……
ヌォーッッ!!
この乙男がぅぁっっ!!
ハァ…ハァ……
もぉ、ダメ……
ーー今は、フォンダンショコラよりも甘いモノが欲しい……
「波留、ありがとう……すごく、嬉しい」
テーブルに置かれた波留の手に手を重ねて微笑む。
波留の顔がパッと華やいだように明るくなり、天から祝福を受けた天使のような微笑みを見せた。
「美緒先輩に喜んでもらえて嬉しいです?」
「……ねぇ、波留に……ちゃんとお礼言いたいから、こっちおいで……?」
波留に気付かれないように優しい声音で話し掛けながら、お菓子の家に誘い込む魔女のような気分♪
波留はそんな企みは露とも知らず、無邪気なヘンゼルのごとく尻尾を振って私の元へと寄ってきた。
ヌフフ……ういやつじゃ。
「波留……」
「美緒、先輩……」
具がたくさん入ったミネストローネ。
生ウニを添えたズワイガニのクリームパスタ。
鶏もも肉のコンフィ。
りんごとケールと胡桃のサラダ。
最後にデザートを手に戻って来た波留に、私は興奮の声を漏らした。
「すごぉい! イタリアンレストランのコースメニューみたい!
料理も美味しいし、なんかレストランで食事してるみたいな気分になっちゃう♪」
それを聞いて波留が肩を揺らし、一瞬固まった。
え?
何か私、マズいこと言った……?
「……美緒先輩、バレンタインの日に行こうとしてたイタリア料理のレストラン、覚えてますか?」
「えっ? あぁ、うん」
私の提案で行こうとしたけど入れなくて、結局居酒屋さんに行くことにしたんだよね。
「実は……あのレストランに行って、バレンタインの日の特別コースのメニュー……お願いして教えてもらったんです。もちろんレシピまでは教えてくれないので、自分でいろいろと調べたんですけど」
……マジか!?
今度は私が固まる番だった。
「それで……あと、これ……」
波留が私の目の前に白い平皿をサーブした。
フォンダンショコラの横に美しく飾られた苺とラズベリー。そして、ストロベリーソースでメッセージが添えられていた。
『You're my Valentine』
えっと、『あなたは、私のバレンタイン』?
どういう意味?
「『あなたは私の特別な人だ』、っていう意味です。
バレンタインデーの由来になったバレンタインさんが獄中で恋した盲目の娘に送ったラブレターが元になって出来た英語の言い回しらしいです。
バレンタインに結ばれた僕達にぴったりだと思いませんか?」
波留は頬をピンクに染め、潤んだ唇の両端を引き上げてはにかんだように微笑んだ。
……
ヌォーッッ!!
この乙男がぅぁっっ!!
ハァ…ハァ……
もぉ、ダメ……
ーー今は、フォンダンショコラよりも甘いモノが欲しい……
「波留、ありがとう……すごく、嬉しい」
テーブルに置かれた波留の手に手を重ねて微笑む。
波留の顔がパッと華やいだように明るくなり、天から祝福を受けた天使のような微笑みを見せた。
「美緒先輩に喜んでもらえて嬉しいです?」
「……ねぇ、波留に……ちゃんとお礼言いたいから、こっちおいで……?」
波留に気付かれないように優しい声音で話し掛けながら、お菓子の家に誘い込む魔女のような気分♪
波留はそんな企みは露とも知らず、無邪気なヘンゼルのごとく尻尾を振って私の元へと寄ってきた。
ヌフフ……ういやつじゃ。
「波留……」
「美緒、先輩……」
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