36 / 498
34.あの日の過ちー6
しおりを挟む
甘えるだけ甘えて、こちらが困るのにも構わず悪戯してきて、いつでも美羽の心を掻き乱す猫のような類。マイペースでワガママなのに愛おしくて、甘えられると胸がキュンと疼いて、どんな頼みでも聞いてしまいたくなる。
ダメだと思いながらも、美羽にはもう否定することは出来なかった。
「絶対に……誰にも見せないでね。類、だから……許すんだよ?」
「ミュー、ありがとう。大好きだよ」
頬にキスされて、擽ったくなる。愛おしい気持ちが溢れてきて、自分は類が好きなのだと、とことん自覚させられてしまう。
「ねぇ、ミュー。ミューも僕にして欲しいこと言って? どんなワガママでも聞いてあげるから」
類の舌が美羽の首筋を舐め、ゾクゾクと快感が立ち上る。
あれほど恥ずかしいと感じていたはずなのに、美羽は今度は自らスカートを捲り上げ、頬を紅潮させて類を見つめた。
「お、願い……これ以上、焦らさないで」
こうすれば、類が自分に欲情せずにはいられないと知っているから。
いつもそう。嵌められたつもりで、嵌めている。お互いのことを知り尽くしているからこそ、互いの欲情を最大に引き出す方法で誘いたくなる。
類の背筋にゾクリと震えが走った。
「欲情に濡れたミューの顔、すっごくそそられる……
学校じゃ『クールビューティー』って呼ばれてるミューが、こんなに淫乱だなんて、誰も知らないんだろうね」
『淫乱』と呼ばれて全身がドクドクと熱くなる。
学校で美羽が『クールビューティー』と男子から呼ばれるようになったのは、類のせいだ。
高校に入って知り合いが誰もいない美羽は、男女分け隔てなく友達が作りたかったのに……
『ねぇ、ミューが男に笑顔を振りまいたら、僕、嫉妬で我を忘れて……僕たちが本当はどんな関係にあるのか、喋っちゃうかもしれないよ? だから、ね……僕以外の男にはたとえ教師でも笑顔を見せないで。約束だよ?』
類から一方的に押し付けられた約束を、美羽は律儀に守っている。
けれどそれは、美羽にとって寧ろ快感だった。学校にいても、彼が側にいなくても、視線が届かなくてすら……類に束縛されている。独占されている。
見えない、甘い鎖。
クラスメート達が二人の関係を知ったらどうなるのだろう。学校では男性に対して無関心を装ってる自分が、家ではこんなにも激しく深く類を求めていることを知ったら。乳房を曝け出し、スカートを捲り上げ、弟に欲情する自分は狂ってる……
ゾクゾクと震えるのは背徳感からなのか、快感からなのか。
「淫乱な女は、嫌い?」
長い睫毛を揺らし、アーモンド型の瞳を潤ませ、頬を紅潮させる。
類が目を細め、片側の口角を僅かにあげた。
「淫乱な女は嫌いだよ。女はみんな、嫌いだ」
類は嫌悪の表情を浮かべた。
「表でいい顔しときながら裏で陰口叩いたり、友達だとか言いながら平気で裏切ったり、力ある癖に頼りない女を演じたり、ブスな癖に可愛い子ぶったり、それではっきり言ってやると泣き出して、集団で罵ってきて厄介だし」
幼稚園から小学校低学年にかけて、類は女みたいな顔だと虐められていた。
それが中学年から高学年になるにつれてだんだん『かっこいい』と認識されるようになり、中学では持て囃されるようになっていた。
二人の仲が噂されるようになったのは、類を好きな女子からのやっかみが元々の原因でもあった。なぜなら、類は女子から告白される度に『君みたいなブス、興味ないんだよね』とか『ねぇ、鏡見たことあるの?』とか『僕に告白できるレベルだと思ってるの?』とか返すので、恐ろしくて誰も類に告白できなくなり、行き場を失った怒りがそこへ向かったからだった。
高校でも類の口の悪さは健在で、美羽の『クールビューティー』に対し、類は『鬼畜王子』と密かに呼ばれていた。類が陰口を叩かれているのを聞くと胸が痛くなるけれど、他の女子と仲良くしているのを見るよりは、ずっといい。
『女はみんな、嫌いだ』という言葉に、美羽は傷付いた表情を浮かべる。
「ねぇ、私のこともそう思ってるの? だって……私だって女だよ」
お願い。嫌わないで……
類に嫌われたら私、どうしていいか分からない。
ダメだと思いながらも、美羽にはもう否定することは出来なかった。
「絶対に……誰にも見せないでね。類、だから……許すんだよ?」
「ミュー、ありがとう。大好きだよ」
頬にキスされて、擽ったくなる。愛おしい気持ちが溢れてきて、自分は類が好きなのだと、とことん自覚させられてしまう。
「ねぇ、ミュー。ミューも僕にして欲しいこと言って? どんなワガママでも聞いてあげるから」
類の舌が美羽の首筋を舐め、ゾクゾクと快感が立ち上る。
あれほど恥ずかしいと感じていたはずなのに、美羽は今度は自らスカートを捲り上げ、頬を紅潮させて類を見つめた。
「お、願い……これ以上、焦らさないで」
こうすれば、類が自分に欲情せずにはいられないと知っているから。
いつもそう。嵌められたつもりで、嵌めている。お互いのことを知り尽くしているからこそ、互いの欲情を最大に引き出す方法で誘いたくなる。
類の背筋にゾクリと震えが走った。
「欲情に濡れたミューの顔、すっごくそそられる……
学校じゃ『クールビューティー』って呼ばれてるミューが、こんなに淫乱だなんて、誰も知らないんだろうね」
『淫乱』と呼ばれて全身がドクドクと熱くなる。
学校で美羽が『クールビューティー』と男子から呼ばれるようになったのは、類のせいだ。
高校に入って知り合いが誰もいない美羽は、男女分け隔てなく友達が作りたかったのに……
『ねぇ、ミューが男に笑顔を振りまいたら、僕、嫉妬で我を忘れて……僕たちが本当はどんな関係にあるのか、喋っちゃうかもしれないよ? だから、ね……僕以外の男にはたとえ教師でも笑顔を見せないで。約束だよ?』
類から一方的に押し付けられた約束を、美羽は律儀に守っている。
けれどそれは、美羽にとって寧ろ快感だった。学校にいても、彼が側にいなくても、視線が届かなくてすら……類に束縛されている。独占されている。
見えない、甘い鎖。
クラスメート達が二人の関係を知ったらどうなるのだろう。学校では男性に対して無関心を装ってる自分が、家ではこんなにも激しく深く類を求めていることを知ったら。乳房を曝け出し、スカートを捲り上げ、弟に欲情する自分は狂ってる……
ゾクゾクと震えるのは背徳感からなのか、快感からなのか。
「淫乱な女は、嫌い?」
長い睫毛を揺らし、アーモンド型の瞳を潤ませ、頬を紅潮させる。
類が目を細め、片側の口角を僅かにあげた。
「淫乱な女は嫌いだよ。女はみんな、嫌いだ」
類は嫌悪の表情を浮かべた。
「表でいい顔しときながら裏で陰口叩いたり、友達だとか言いながら平気で裏切ったり、力ある癖に頼りない女を演じたり、ブスな癖に可愛い子ぶったり、それではっきり言ってやると泣き出して、集団で罵ってきて厄介だし」
幼稚園から小学校低学年にかけて、類は女みたいな顔だと虐められていた。
それが中学年から高学年になるにつれてだんだん『かっこいい』と認識されるようになり、中学では持て囃されるようになっていた。
二人の仲が噂されるようになったのは、類を好きな女子からのやっかみが元々の原因でもあった。なぜなら、類は女子から告白される度に『君みたいなブス、興味ないんだよね』とか『ねぇ、鏡見たことあるの?』とか『僕に告白できるレベルだと思ってるの?』とか返すので、恐ろしくて誰も類に告白できなくなり、行き場を失った怒りがそこへ向かったからだった。
高校でも類の口の悪さは健在で、美羽の『クールビューティー』に対し、類は『鬼畜王子』と密かに呼ばれていた。類が陰口を叩かれているのを聞くと胸が痛くなるけれど、他の女子と仲良くしているのを見るよりは、ずっといい。
『女はみんな、嫌いだ』という言葉に、美羽は傷付いた表情を浮かべる。
「ねぇ、私のこともそう思ってるの? だって……私だって女だよ」
お願い。嫌わないで……
類に嫌われたら私、どうしていいか分からない。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる