【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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101.昼と夜の二重生活

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 それから、昼と夜の二重生活が始まった。

 昼間の類は、多少行き過ぎるスキンシップはあるものの、美羽を直接誘惑することはなく、『仲が良い姉弟』という関係を保ってくれている。初日以来、仕事中に類の自慰に当てられることもなくなったし、部屋に誰かが入った形跡を感じることもなかった。

 だが、夜になり類が浴室から出て部屋に戻り、暫くすると、例の行為が始まる。

 愛撫の感触は、日を追う毎に強くなっていった。それは、類の美羽への感情だけでなく、美羽もまた、類への感情が強くなっているゆえかもしれない。

 それでも、類に愛される時、美羽は決して彼を求めることはしなかった。

 毒牙のように甘美な言葉を囁かれても、抗いがたい強い快感を与えられても、狂おしい欲望の渦に飲み込まれそうになっても、美羽は類を拒絶し、嵐が過ぎ去るのをひたすら待った。

 それが、自分で決めた線引きだった。

 どんなに類を好きでも、類が私の双子の弟であるという事実は変わらない。
 昔のように、好きという気持ちだけで類の胸に飛び込むことは出来ない。

 私はたとえこの先、苦しい思いをしたとしても、類を姉として見守っていくと決めたの。 
 義昭さんを愛していなくても、彼との夫婦生活を続けなければいけないのだから。

 夫と元恋人である弟との3人での生活は絶対にうまくいくはずがないと思っていたが、表向きには平穏な日々を過ごしていた。

 義昭は類と生活するようになってから温厚になったし、美羽に対しても労りや気遣いを見せてくれる。傍目には、夫婦仲は好転しているように見えた。

 だが、美羽の義昭に抱き始めた嫌悪感は、今や明確なものになっていた。

 夫が類の前でだけ態度をコロリと変えることに苛々する。優しい言葉を掛けてもらっても、その意図を考えてしまう。

 以前から夫婦関係にヒビは生じていたが、類との再会によってその亀裂が大きくなり、類との同居初日に言われた義昭の言葉が、美羽の彼への嫌悪を持つ決定打となった。

『今までだって、僕が外で働いて君を養ってやってるんだから働く必要なんてないのに、義理があるから仕方なく週に2回手伝いに行かせてやってたんだ。家事もまともにできない君が仕事を増やせば、その皺寄せは全て僕にかかってくるんだ』

 あの言葉は、美羽の心にドロリとしたおりとなって残り続けた。掬っても掬っても、掻き出しきれない毒。

 それは美羽の心に侵食し、拡がっていた。

 最近では、ただ夫がソファに座っているだけで、視界に入るだけで、気分が滅入るようになっていた。

 義昭が帰る時間に合わせて帰ったり、土日休みにしたりすることが苦痛に思えてきた。義昭のいない空間にホッとし、帰ってくる時間になると胃がムカムカして吐き気がしてくる。

 類と3人で会話をしていても義昭と顔を合わせたくなくて、類を見て会話してしまっている。類とふたりきりになるよりも、義昭とふたりきりにならないよう避けている。

 洗濯物も一緒に洗いたくなくて、自分と類のものを一緒に洗って、義昭のものは分けていた。彼の下着を持つだけで寒気が走ってしまう。

 このままでは、同じ空気を吸いたくないとまで思ってしまいそうで、恐ろしくなる。
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