【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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151.逃亡

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 予想外に与えられた衝撃から身を守れなかった類はソファから転げ落ち、ローテーブルに強く頭をぶつけて床に倒れた。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……」

 荒く息を吐き出す美羽の視界から、母の幻想が消え去っていく。

 ホッと息を吐いたあと、美羽の視界に映っていたのは……床に蹲る、類だった。

 美羽はようやく自分がしたことに気づき、全身をガクガクと震わせ、歯をガチガチと鳴らした。



 わ、私……なんてことを。
 お母さんを類と重ねて、突き飛ばすなんて。



「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ………ハァッ、ハァッ、ハァッ」

 ど、どうしよう……
 なんて、なんてことを。
 る、類を……類を手にかけてしまうなんて……

 膝が震え、寒気が収まらない。全てが真っ白に塗り潰されていく。

「ック」

 暫くして類が頭を押さえ、呻き声をあげた。

 その声に美羽はハッとし、それから安堵し、罪悪感が広がっていった。

「ごめ……ごめな、さ……ウグッ」

 今すぐにでも駆け寄って、類を抱き締めたい。

 けれど、そんな気持ちよりも恐怖が上回った。類が無事だと分かった途端、『ここから逃げ出さなくては』という強迫観念に駆られる。

 美羽は慌てて乱れた衣服を整え、ソファから立ち上がった。

 やっぱり私には……
 類を受け入れることなんて、出来ない。

 唇をギュッと噛み締めると、涙が一粒ツーッと頬を伝った。

「ッッ……ミュ、ッ」

 苦しそうに絞り出した類の声に、美羽の胸が締め付けられる。ここに残りたい、類の傍にいたいという思いが強く美羽を引き止め、縛りつけようとする。

「類ぃぃ……ック」

 絞り出すように上げた美羽の声は、悲しみに濡れていた。

 どんなに惹かれあっても、求めあっても、結ばれない。
 絡みついた呪縛が、そうさせてくれない……

 美羽は思いを振り切るように背中を向けた。重心が安定せずにフラフラと足がからまりそうになりながら必死で足を進め、リビングの扉に手を掛ける。

「ッグ……どうか、分かって類……」

 嗚咽と共に漏らすと、美羽は扉を閉めた。

  バタンと閉められる扉の音を聞き、類は絶望の淵に落とされた。

 強く叩きつけられた頭がジンジンと痛み、意識が遠退いていく。

 もう、ひとりにしないでって言ったのに。
 ねぇ、裏切りは許さないよ……

 溢れる涙が次々に鼻筋へと流れ、床に零れ落ちて水溜りを作っていく。

 薄れゆく意識の中で、玄関の扉の閉まる音が聞こえた。  

 ミュー……
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