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306.堕ちた華江の姿
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ひとりの女性が一糸纏わぬ姿で、群がる男達からの愛撫を一身に受けている。
それは、ルイと美羽の母親。
ーー華江であった。
「ぁああああっ!! ンフッ……い、いいいいいいぃぃぃっっ!!
ッグ、ッハァ……ぎっ、気持ぢ、いぃぃぃんっっ……ハァッ、ハァッ……ンフゥ!!」
肉欲を露わにし、顎を天井に向けて乳房を激しく揺らし、快感で全身を震わせている。膝がガクガク鳴り、自ら立つことさえ、ままならない。そんな華江の躰を、男達の野太く節くれだった手が、あらゆる方向から支えながら性感帯へと伸ばされている。
『ハァッ、ハァッ、ハァッ……』
たくさんの荒い息遣いが、華江の躰の上で折り重なる。まるで、飢えた野犬が肉にしゃぶりつき、貪り食らっているかのような光景だ。
その中には、拓斗の姿も紛れていた。彼は華江の下半身に必死に縋り付き、溢れ出る蜜汁を啜っていた。
或いは、この光景を美羽に見せるべきだっただろうか。
リョウはそう考えながら、赤外線機能付き超小型カメラを華江に向けた。
いや、まだそれには時期尚早だ。
これほどまでに卑猥な光景が目の前で繰り広げられているというのに、性的な興奮をまったく感じない。TVで、動物の生殖行為を見ているのと同じだ。一匹の雌に何匹もの雄が群がり、自らの種を植え付けようと必死になっている。ただ、それだけの行為だ。
リョウは次に、視線を高槻へと向けた。瞳の奥が笑っていない。必死に唇を噛み締め、耐えている。彼女の見つめる先には、華江が映っていた。
高槻からは、禍々しいオーラが放たれていた。嫉妬と羨望に満ちた、毒々しいオーラが。自ら仕掛けた罠に嵌った彼女は今、同じ『女』としての格の差をまざまざと見せつけられ、辛酸を舐めているところだった。
もう50に手が届くとは思えないほどに瑞々しく、肉感的な華江の美しい肢体が悩ましく横たわる。その熟した果実を頬張ろうと、野生を剥き出しにした男達の熱い欲が、華江の手で、口で、甘い蜜を流す淫口によって満たされていく。
「ぃ、ぃ、ぃ、ひぃいいいいっっ!!」
ガチガチと鳴る歯の奥から華江の呻き声が漏れ、全身を痙攣させている。大量の潮がプシューッと噴き出し、男たちの汗ばんだ肌をじっとりと濡らす。獣と化した男女が重なり、乱れ、舞い踊る。
そこには、理性などいうものは一欠片も存在しない。本能に乗っ取られ、支配された獣たちは、肉欲を貪るのみだ。
人間というものは、ここまで堕ちることが出来るのか。
頭の芯が冷えていくのを感じながら、リョウはシャッターを切り続けた。
ここに来る前には、人間だったはずなのに。それとも、彼らは人間の皮を被った獣だったのだろうか。
いや、そうさせたのは……
高槻が立ち上がったことにより、リョウの思考が中断された。
彼女に集っていた信者達からどよめきが沸き起こった。何が起こるのかと期待を膨らませ、熱を帯びた眼差しで一心に高槻を見つめている。
「わ、私は……
霊力を更に高めるため、自室でいったん瞑想してきます!」
高槻が一気に早口で告げた。
それから、リョウがいるのとは反対側の舞台袖へと足早に去って行く。もうこれ以上は、彼女の自尊心が耐えられなかったのだろう。
リョウは武者震いし、深呼吸した。
さぁ、正念場だ。
ルイ様のお役に立てる時が来たんだ……覚悟を、決めないと。
静かに舞台袖から裏口へと向かう。
扉を1センチほど開けて誰もいないのを確認し、そっとそこを抜けた。廊下を忍び足で歩き、非常階段を上っていく。
最上階の非常扉の前で、瞳を閉じた。
気を……集中するんだ。
リョウの躰が熱く滾る。抑えこんでいた霊力がブワッと解き放たれ、全身に行き渡っていくのを感じる。
パッと目を開けると、扉に手をかけた。目の前には赤い絨毯が敷かれた廊下が続いている。まずは手前にある給湯室へと向かい、お湯を沸かしてティーカップに注ぎ、お盆に載せる。
リョウはお盆を手に、廊下の突き当たりに最も近い重厚な扉を慎重にノックした。
コン、コンと静かな空間に音が響くと、殺気立った空気が扉の向こうから伝わってきた。
それは、ルイと美羽の母親。
ーー華江であった。
「ぁああああっ!! ンフッ……い、いいいいいいぃぃぃっっ!!
ッグ、ッハァ……ぎっ、気持ぢ、いぃぃぃんっっ……ハァッ、ハァッ……ンフゥ!!」
肉欲を露わにし、顎を天井に向けて乳房を激しく揺らし、快感で全身を震わせている。膝がガクガク鳴り、自ら立つことさえ、ままならない。そんな華江の躰を、男達の野太く節くれだった手が、あらゆる方向から支えながら性感帯へと伸ばされている。
『ハァッ、ハァッ、ハァッ……』
たくさんの荒い息遣いが、華江の躰の上で折り重なる。まるで、飢えた野犬が肉にしゃぶりつき、貪り食らっているかのような光景だ。
その中には、拓斗の姿も紛れていた。彼は華江の下半身に必死に縋り付き、溢れ出る蜜汁を啜っていた。
或いは、この光景を美羽に見せるべきだっただろうか。
リョウはそう考えながら、赤外線機能付き超小型カメラを華江に向けた。
いや、まだそれには時期尚早だ。
これほどまでに卑猥な光景が目の前で繰り広げられているというのに、性的な興奮をまったく感じない。TVで、動物の生殖行為を見ているのと同じだ。一匹の雌に何匹もの雄が群がり、自らの種を植え付けようと必死になっている。ただ、それだけの行為だ。
リョウは次に、視線を高槻へと向けた。瞳の奥が笑っていない。必死に唇を噛み締め、耐えている。彼女の見つめる先には、華江が映っていた。
高槻からは、禍々しいオーラが放たれていた。嫉妬と羨望に満ちた、毒々しいオーラが。自ら仕掛けた罠に嵌った彼女は今、同じ『女』としての格の差をまざまざと見せつけられ、辛酸を舐めているところだった。
もう50に手が届くとは思えないほどに瑞々しく、肉感的な華江の美しい肢体が悩ましく横たわる。その熟した果実を頬張ろうと、野生を剥き出しにした男達の熱い欲が、華江の手で、口で、甘い蜜を流す淫口によって満たされていく。
「ぃ、ぃ、ぃ、ひぃいいいいっっ!!」
ガチガチと鳴る歯の奥から華江の呻き声が漏れ、全身を痙攣させている。大量の潮がプシューッと噴き出し、男たちの汗ばんだ肌をじっとりと濡らす。獣と化した男女が重なり、乱れ、舞い踊る。
そこには、理性などいうものは一欠片も存在しない。本能に乗っ取られ、支配された獣たちは、肉欲を貪るのみだ。
人間というものは、ここまで堕ちることが出来るのか。
頭の芯が冷えていくのを感じながら、リョウはシャッターを切り続けた。
ここに来る前には、人間だったはずなのに。それとも、彼らは人間の皮を被った獣だったのだろうか。
いや、そうさせたのは……
高槻が立ち上がったことにより、リョウの思考が中断された。
彼女に集っていた信者達からどよめきが沸き起こった。何が起こるのかと期待を膨らませ、熱を帯びた眼差しで一心に高槻を見つめている。
「わ、私は……
霊力を更に高めるため、自室でいったん瞑想してきます!」
高槻が一気に早口で告げた。
それから、リョウがいるのとは反対側の舞台袖へと足早に去って行く。もうこれ以上は、彼女の自尊心が耐えられなかったのだろう。
リョウは武者震いし、深呼吸した。
さぁ、正念場だ。
ルイ様のお役に立てる時が来たんだ……覚悟を、決めないと。
静かに舞台袖から裏口へと向かう。
扉を1センチほど開けて誰もいないのを確認し、そっとそこを抜けた。廊下を忍び足で歩き、非常階段を上っていく。
最上階の非常扉の前で、瞳を閉じた。
気を……集中するんだ。
リョウの躰が熱く滾る。抑えこんでいた霊力がブワッと解き放たれ、全身に行き渡っていくのを感じる。
パッと目を開けると、扉に手をかけた。目の前には赤い絨毯が敷かれた廊下が続いている。まずは手前にある給湯室へと向かい、お湯を沸かしてティーカップに注ぎ、お盆に載せる。
リョウはお盆を手に、廊下の突き当たりに最も近い重厚な扉を慎重にノックした。
コン、コンと静かな空間に音が響くと、殺気立った空気が扉の向こうから伝わってきた。
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