【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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311.裏切られた期待

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 初めてリョウが高槻の存在を知った時、心が踊った。

 高槻の書籍を購入し、読み漁ったのは、華江が傾倒する『幸福阿吽教』、そして教祖の高槻について探るためであったが、それだけでなく、霊能力者である彼女の人となりに興味をそそられたからだ。

 書籍には『幸福阿吽教』の教義についてだけでなく、高槻の半生も描かれ、どれだけ彼女が多くの人々を救い、導いてきたのかという軌跡が詳細に記されていた。

 自分と同じ、霊力を持った女性がいる。しかも、迷い、悩み、救いを求める人々に手を差し伸べている。

ーーかつての祖母が、そうしたかのように。

 高槻に在りし日の祖母の姿を重ね、リョウは興奮した。そして、高槻に会える機会が来る日を、まるで祖母に再会するかのように心待ちに過ごした。

 だが……その思いは、高槻に会った途端に打ち砕かれることとなった。

 高槻は、リョウが思い描いていたような霊能力者ではなかったからだ。

 講演会で彼女を見た時にすぐに分かった。高槻には、高等な霊力を扱える力はない。自分がいかに霊力の高い教祖であるかと誇示しているが、それは全てはったりだ。

 たとえ霊力が低くても、いや、霊力などなくとも、そんな嘘などつかず教祖として人々を救う道はあるはずだ。

 『幸福阿吽教』の信者となり、高槻を知るにつれ、リョウは落胆を通り越し、嫌悪を覚えることとなった。

 霊能力者であった祖母は、いつでも優しく人々を迎え入れていた。何時間でも辛抱強く話を聞き、時には彼らの家まで出向き、必要とあらば迷える霊を説得し、成仏させた。

 あらゆる知識にたけていながらも、それを自らひけらかすようなことはせず、人道を重んじ、決してお金は受け取らなかった。

 だが、高槻はどうだ。講演会という名目で高額な料金をせしめ、教義を説くと言いながらも、その中身の大半は高槻の自慢話と彼女が作った曲が延々と流されるありさまだった。
 個人的に相談となれば、莫大な相談料、そして書籍やお札、数珠などのグッズを売りつけられる。

 霊力を売り物にして金を稼ぎ、私利私欲を満たす高槻に、怒りが湧いてきた。



 こんな女、霊能力者だなんて呼ばせない……



 リョウはその時に、彼女の霊力を全て奪うことを誓ったのだ。祖母とは似ても似つかない、悪女に制裁を下す為に。
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