【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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361.思わぬハプニング

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 電話を終えて皆のところに戻った美羽は、申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「ご、めん……私、これから帰らないと。よっしー、お邪魔しました」
「えぇっ、嘘ぉ!! もぉ帰っちゃうの!?
 あっ、旦那さんもしかしてこれから帰ってくるとか? まだ早すぎじゃない? あぁ、でも買い物とか夕飯の準備とか色々あるもんねぇ。ほんと主婦は忙しいわよね、年中休みなしだもんねぇ」

 言い訳をせずとも芳子が自分で勝手に解釈して納得してくれたお陰で、美羽は曖昧に笑みを浮かべるだけで済んでしまった。



「じゃあ、私も一緒に帰るよ」



 香織がお尻を浮かしたので、美羽は慌てて止めた。

「かおりんと萌たんはゆっくりしてて!! 私が勝手に先に帰ることになっちゃったんだから。ほら、せっかくよっしーと裕樹くんに会えたんだし」

 芳子が引き止めるように、香織の手を取る。

「そぉよぉ! ふたりまで帰っちゃったら、私さみしいわよぉ。もっといてよぉ。あと少ししたら、恵美も帰ってくるし。恵美、今日お客さん来るって聞いて、楽しみにしてるのよぉ。ねっ、お願い!!」
「わぁい! 恵美たんにも会えるの、嬉しいたーん」

 萌の嬉しそうな笑顔を前に、香織が浮かしたお尻を沈めた。

「よっしーが、そう言うなら……もう少し、いようかな」

 美羽がハンドバッグを手に取ると、芳子が立ち上がった。

「玄関まで見送るわね」

 そう言った途端、2階から泣き声が響いてきた。どうやら、起きてしまったようだ。

「萌たん、見てくるたん!」

 萌が立ち上がり、芳子の返事を聞く前に軽いステップで二階へと上がっていく。自分のせいで萌にまで気遣わせていることに、申し訳なくなる。

 香織が心配そうな顔で美羽を見上げているが、そんな彼女をまともに見つめられない美羽は気づかないフリを通した。

 玄関には、芳子だけでなく香織も見送りにきてくれた。

「美羽ぅ、また絶対に近いうちに遊びにきてよ! 昼間、裕樹とふたりだけで暇してるからさぁ」
「うん……またぜひ、遊びに来させてね」

 そう言いながらも、近いうちに芳子の家を訪れることはないだろうとも思っていた。

「美羽……また、デタントでね」

 香織の言葉に頷く。

「うん。ごめんね、早くに帰らなくちゃいけなくて……楽しんでね」

 笑顔を見せて手を振ろうとした時、階段をドタドタと降りてくる音が響いた。



「よっしぃぃぃ!! 大変たぁぁぁん!!」



 萌が裕樹を抱っこしながら降りてきたが、彼女が近くに立った途端、ぷぅんと異臭が鼻を突いた。

「ゆうたん抱っこしたら、ブリブリブリッて勢いよく音がして……」

 芳子の視線が恐ろしげに、スローモーションの如くゆっくりと裕樹のお尻に向けられていく。

 ペールグリーンのパンツの股の部分だけが茶色く染まっており、そんな裕樹を抱っこして支えている萌の繊細なレースのドレスも同じ色に染めていた。

「ギャーッ!! 裕樹のうんちがぁぁぁぁ!! 
 萌たん、ごめぇぇん!!」

 芳子は萌から裕樹を奪うようにして引っ掴み、これ以上の被害が拡大しないように努めたが、裕樹という目隠しがなくなった今、萌のドレスに既に甚大な被害が出ていることが明らかとなった。

「し、しかたないたん。ゆうたんのせいじゃないし……」

 萌たんが頬を引き攣らせながらも、芳子を慰めるように笑みを見せた。

「だぁからオシャレな格好してきちゃだめって言ったじゃない!! 新生児のいる家に行ったら、よだれ垂らされたり、髪の毛や繊細な洋服の生地を引っ張られたり、最悪おしっこやウンチを漏らされることもあるんだから!」
「ごめん、最悪のケースやらかして……」

 芳子が項垂れ、香織は「あっ!」と口を手で覆った。

 芳子は目にも止まらぬ早技で裕樹のベビー服を剥がすと、萌に声を掛けた。

「これから裕樹のおむつ替えるから萌たんも来て! 裕樹のベビー服と一緒に、萌たんの服も洗濯するから!!」
「だ、だめっっ!!」

 萌が声を上げた。

「遠慮しないで! うち、乾燥機ないから今日中に返すことはできないけど、洗濯して乾いたらアイロンかけて、ちゃんと届けに行くから。もしかしたら、うちの人にお願いするかもしれないけど」

 萌は申し訳なさそうに、芳子を上目遣いで見つめた。

「そ、そうじゃなくて……この、ドレス。おうちで洗濯……できないたん」
「ぇ!?」

 芳子がポカンと口を開け、それから事情を飲み込み、慌てて答えた。

「わ、分かった!! クリーニングに出して、返すから!!」
「ご、ごめんたんっっ」
「こ、こちらこそ! ほんっと、ごめぇん!!」

 こんなことになるなら、自分が裕樹を迎えに行けば良かったと、クリーニング代のことを考えながら芳子は心の中で溜息を吐いた。
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