【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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460.龍也の疑惑

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 脅しではない、ドスのきいた低い声音に、さすがの龍也もたじろいだ。

 そこに、隼斗が一歩前に踏み出した。

「すまん、類……俺のせいだ。美羽に、トラウマを思い出させてしまった」

 類が美羽を抱いたまま、隼斗をキッと睨みつけた。

「あんたなら、なんとかミューをフォローできると思ったから頼んだのに、余計なことしないでよ!!
 ミューが壊れたら、どうすんだよ!!」
「すまない……もう、美羽にはこんな思いは二度とさせないと誓っていたのに……」

 龍也が茫然とした表情を向けた。

「あんたら兄弟姉妹きょうだい、なんなん? なんで、そなべったりなん? なんで恋人よりも、妹や姉美羽を大事にするん? そんなん、おかしいやろ」

 龍也の言葉に、美羽はビクッと震えた。

 龍也の不審の目が、婚約者の絵麻の両親への挨拶を放り出して自分を助けにきてくれた隼斗だけでなく、恋人である香織を置き去りにして自分を助けにきてくれた類にも向けられている。

 私が、しっかりしないから。心配かけてばかりだから……

 類から躰を離そうとすると、類がギュッと美羽を抱き締め直した。

「姉に何かあったと感じたら、心配して駆けつけるのは当然のことだと思うけど? それに、あんたのこと信用してないし」
「ハッ、なるほどな」

 龍也が威圧するような返事をした。

 ダメ……このままじゃ、ケンカになっちゃう。

 美羽が、顔を上げた。

「類。私、は……大丈夫だから。のとこに、戻ってあげて」

『かおりん』、とはどうしても言えなかった。

 類は切ない表情で美羽を見つめた。

『ミューが、心配なんだよ。ねぇ、ほんとに大丈夫?』

 類が来てくれたから。だから、大丈夫だよ。
 このままここにいたら……龍也さんに疑われちゃう。

 美羽の『声』を聞き、類は背中に回していた腕をほどき、美羽を解放した。

「ここまで来たし、僕も何か買うよ。
 ……隼斗兄さん、ミューをみんなのとこまで連れてってくれる?」

『ミュー。それでいい?』

 類の心配そうな表情が、美羽の瞳に映る。

 うん、ありがとう。

 類と龍也を残して先に帰るのは不安ではあったが、龍也と一緒にいなくてもいいのだと思うと安堵した。

「あぁ、分かった」

 隼斗が頷くと、美羽の顔を覗き込み、尋ねる。

「美羽、自分で歩けるか?」

 こんな時にも、私の心配を……

「うん、大丈夫」

 美羽は口角を上げて、微笑んだ。
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