<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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聖夜のプレゼント

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 テラスの外の景色に目をやる。

「ぁ......」

 空からはチラチラと粉雪が舞い始めていた。

「本当に、ホワイトクリスマスになりましたね......」

 秀一がそう言い、少し躰を傾けるとカウチの傍に置いておいたブランケットを手に取った。ふたりの躰に覆ったシェラドーミングのローデン生地は「シェラドーミングの岩」と呼ばれるほど寒さや風雨から躰を守ってくれ、それで織られた毛布はとても暖かく心地よかった。

 細やかに降っていた雪は、時間が経つにつれ綿雪のようになり、少しづつ屋根や道路に溶けてなくなることなく積もっていった。

 テラスから映し出されるオレンジと金色の煌めく夜景を眺めながら、愛する人の胸に抱かれ、聖夜を過ごせることの喜びを美姫は噛み締めていた。

 幸せ......

 そう心の中で呟いた瞬間、美姫を抱き締めていた秀一の腕の力がフッと弱まった。

 ぇ?

 驚いて秀一を見上げると......

 う、そ......

 秀一は美姫を柔らかく胸に抱いたまま、瞳を閉じ、眠っていた。そんな秀一の姿に、美姫はキュンと胸が高鳴った。

 眠ってる秀一さんを見たのなんて、初めて......

 いつでも秀一は、美姫より遅く寝て、早く起きる。美姫は今まで、秀一の寝顔を見たことなど一度もなかった。

 ドキドキと高鳴る鼓動を胸に、美姫は秀一の顔をじっと覗き込んだ。瞳を閉じた瞼に睫毛が影を落としていた。唇は穏やかに結ばれており、安らかな表情を浮かべるその顔は、心なしかいつもよりも若く見えた。

 睫毛、長いな......こうして見ていると、本当に美しい顔立ち......

 考えてみれば、秀一が疲れや眠気を覚えていないはずはない。美姫のあの事件以降、美姫が眠れない日々を過ごしてきたように、秀一も同じように眠れない日々を過ごしてきたのだ。しかも、仕事までこなし......

 オーストリアに来てからも、美姫のフラッシュバックのことなどで、心身ともに相当に疲弊しているに違いない。

 今日、だって......本当はコンサートで相当疲れているはずなのに、秀一さんはクリスマスミサに連れて行ってくれ、その後は私の為だけにクリスマスの演出までしてくれて......
 いつだって秀一さんは、私のことを考え、私のために行動してくれている......

 美姫の胸の奥底から熱いものが込み上げ、秀一への愛おしさが突き上げる。

 美姫は慎重にシャンパングラスをテーブルに置き、背中を向けていた躰の向きをゆっくりと反転させた。秀一が無防備に寝顔を見せていることが嬉しくてたまらない。

 秀一さんは穏やかな表情を見せている時も、隙がない。こんなに安心しきって穏やかに眠る秀一さんが見られるなんて。

 私にとっては、これが一番のクリスマスプレゼントかもしれない......

 美姫は少し顔を上げると、秀一の唇に自らの唇を慈しむように柔らかく重ねた。秀一の胸に頬を寄せ、おずおずと手を伸ばすと艶やかな黒髪に触れ、そぉっと撫でた。

「メリークリスマス...」

 囁くような声で伝えると、美姫はゆっくりと瞳を閉じた。

 愛しています......心から。

 そう思うだけで切なさで胸が満たされ、泣きたくなる。

 もう、泣いてばかりの自分じゃダメ...

 秀一さんが一緒にいて、いつも安心して深い眠りにつけるような安らぎを与えてあげられる女性になりたい。
 想像することしか出来ないけれど、きっと秀一さんは暗い過去を背負い、深い傷を負っても、たった一人で耐えてきたはず。孤独の中をずっと歩いてきた秀一さんの癒しに、光になりたい......

 規則正しい秀一の鼓動を聞いているうちに、落ち着きなかった美姫の心臓が秀一のものと共鳴するようにゆっくりとなり、安らかに美姫を眠りへと誘う。

 空から降る綿雪はテラスの手摺りや藤製の硝子テーブルやチェアにまで降り積もり、一面を銀世界へと変えていった。
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