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復讐の誓い ー久美回想ー
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その後、お姉ちゃんと遠沢は離婚した。通常であればお姉ちゃんが慰謝料を請求できる側であるにも関わらず、遠沢は逆に私とのことを両親にバラすと脅し、お姉ちゃんが離婚の手切れ金として纏まったお金を払うことになった。
どこまで汚い男なんだと、私は遠沢に対して怒りを感じた。
けど、まだ恐怖が残っていることも事実だ。私の傷は一生癒えることはない......胸の火傷と共に。
離婚後、遠沢が連絡してくるんじゃないかと恐れていたけど、それからあの男とは完全に途絶えた。
お姉ちゃんは、私にこれまで通り妹として接してくれようとしていた。
でも、私は......お姉ちゃんに対して、罪悪感を拭いきれずにいた。離れても仲がいい姉妹だったのに......もう、昔のような関係には二度と、戻れない。
N大に入学すると逃げるように寮に入り、お姉ちゃんとは連絡をとらなくなった。
お姉ちゃんに遠沢の連絡先を教えて欲しい、と電話した時、お姉ちゃんは息を呑んだ。
『遠沢に、どうして連絡がとりたいの?』
その声には、私を心配する思いが込められていた。
『あいつに......調べて欲しいことがあるの。あいつじゃなきゃ、探れないことなの......』
そう言って黙り込んだ私に、お姉ちゃんは遠沢とはもう関わらないほうがいいと延々と説得してきた。
『分かってる。私だって、もうあいつとは関わりたくない......
けど、私の大事な人の為なの。お願い、お姉ちゃん......』
そう頼み込んだ私に、お姉ちゃんは渋々遠沢の連絡先を教えてくれた。
『但し......電話での連絡だけにすること。もし直接会うことになった時は、私も一緒に同行させること。
いいわね?』
『うん、分かった。ありがとう、お姉ちゃん......』
けど、私は忠告を聞かず、1人で遠沢に会いに行くことにした。
ごめんなさい、お姉ちゃん......
でも、もうお姉ちゃんを巻き込みたくないの。
どこまで汚い男なんだと、私は遠沢に対して怒りを感じた。
けど、まだ恐怖が残っていることも事実だ。私の傷は一生癒えることはない......胸の火傷と共に。
離婚後、遠沢が連絡してくるんじゃないかと恐れていたけど、それからあの男とは完全に途絶えた。
お姉ちゃんは、私にこれまで通り妹として接してくれようとしていた。
でも、私は......お姉ちゃんに対して、罪悪感を拭いきれずにいた。離れても仲がいい姉妹だったのに......もう、昔のような関係には二度と、戻れない。
N大に入学すると逃げるように寮に入り、お姉ちゃんとは連絡をとらなくなった。
お姉ちゃんに遠沢の連絡先を教えて欲しい、と電話した時、お姉ちゃんは息を呑んだ。
『遠沢に、どうして連絡がとりたいの?』
その声には、私を心配する思いが込められていた。
『あいつに......調べて欲しいことがあるの。あいつじゃなきゃ、探れないことなの......』
そう言って黙り込んだ私に、お姉ちゃんは遠沢とはもう関わらないほうがいいと延々と説得してきた。
『分かってる。私だって、もうあいつとは関わりたくない......
けど、私の大事な人の為なの。お願い、お姉ちゃん......』
そう頼み込んだ私に、お姉ちゃんは渋々遠沢の連絡先を教えてくれた。
『但し......電話での連絡だけにすること。もし直接会うことになった時は、私も一緒に同行させること。
いいわね?』
『うん、分かった。ありがとう、お姉ちゃん......』
けど、私は忠告を聞かず、1人で遠沢に会いに行くことにした。
ごめんなさい、お姉ちゃん......
でも、もうお姉ちゃんを巻き込みたくないの。
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