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戸惑いの初夜
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あぁぁ、腹減った......
式が終わってからベッドに倒れこみ、爆睡した大和はお腹が空いて目を覚ました。
今、何時だ?
ベッドのサイドテーブルに置いてあるデジタル時計に目をやると、12時を過ぎている。
うわっ、もうこんな時間だったのか。俺、何時間寝ちまってたんだ......
レストラン、もう閉まってるよな。てか、これから行くのも面倒くせぇし。
そう思いながらゴロンと横になると、隣に美姫の姿がない。
美姫、どこだ!?
視線を上げた先には美姫が窓際の椅子に座り、水の入ったグラスを手に夜景を眺めていた。寂しげに見える横顔さえも美しく、バスローブの襟元から覗く胸の膨らみが、一気に大和の情欲を煽った。
大和はベッドから下りると、美姫の元へと歩いた。だが、美姫の視線は窓の向こうにあり、大和には気づいていないようだ。まるで遠い世界を見つめているかのような美姫に、急に不安が襲う。
「まだ、寝てなかったのか?」
後ろから抱き締めた大和に、美姫はビクンと躰を大きく揺らし、驚いたように振り返った。
「大和、起きたんだ......」
なぁ、お前は今......何を思ってたんだ?
「眠れないのか?」
いつもなら眠りについている時間だ。
心配そうに見つめる大和に、美姫の悪戯心がくすぐられる。
「結婚式の興奮が抜けきらないのか、目が冴えちゃって。繊細だからかな、誰かさんと違って......フフッ」
いつもの美姫の表情に戻ったのを見て安心しつつ、自分がずっと美姫をひとりぼっちにさせてしまったことに罪悪感を感じた。
「悪かったな、寝ちまって」
頭を掻きながら謝る大和に、美姫はわざとむくれて見せた。
「ほぉんと。初夜に新婦を無視して爆睡なんて、ありえないよ」
「ッグ......だよな」
肩を窄めて申し訳なさそうにする大和を見て、美姫はクスッと笑った。
こういう大和の素直なとこ、好きだな。
「じゃあ、寂しくさせた埋め合わせ、してくれる?」
美姫に下から覗き込むように見上げられ、大和は心臓を掴まれたかのように胸が苦しくなった。
「あぁ、もちろん......」
美姫を抱き上げると、ベッドの上に横たえる。乱れたバスローブから細く長い脚が艶かしく見え、それまで支配していた食欲が一気に吹き飛び、性欲が一気に押し上げる。美姫の華奢な躰を跨ぐと上半身裸になり、覆いかぶさった。
唇が、重なる。美姫の腕が絡みつくように大和の首に回り、口づけがだんだん深くなる。
「ハァッ......」
美姫の口から漏れる切ない吐息を聞く度、大和の血液が熱く滾り、下半身の中心へと集まってくる。
口づけをしながら、美姫のバスローブを左肩から外す。片方の乳房だけが露わになり、それが大和を視覚から誘惑する。誘われるまま、その膨らみに手を伸ばすと美姫の手が右肩へと伸び、自らもう片方のバスローブを外した。
今日の美姫、積極的だな......
ひとりで寂しい思いをしながら自分を欲していたからかもしれないと思うと、大和の興奮が一層昂った。
両手で膨らみを包み込んで揉みしだくと、美姫の手が上から重なり、大和の指を膨らみの頂へと導く。先端の尖りに触れると、美姫の腰がピクンと跳ねる。もうそこは、固く勃ち上がっていた。
「ッハァ......触って」
美姫はそれまで、躰を交える時にはいつも受け身だった。今日みたいに手を取って誘導したり、求めるような言葉を口に出したことなど一度もなかった。
『初夜』という、特別な雰囲気にあてられたのか。もう完全に夫婦になったのだという安心からなのか。大和に期待を裏切られ、ジリジリと待たされたせいか。
それとも、片隅に秀一からの祝電のことがあった為か……
美姫は昂ぶる情欲のまま、大和を求めていた。
式が終わってからベッドに倒れこみ、爆睡した大和はお腹が空いて目を覚ました。
今、何時だ?
ベッドのサイドテーブルに置いてあるデジタル時計に目をやると、12時を過ぎている。
うわっ、もうこんな時間だったのか。俺、何時間寝ちまってたんだ......
レストラン、もう閉まってるよな。てか、これから行くのも面倒くせぇし。
そう思いながらゴロンと横になると、隣に美姫の姿がない。
美姫、どこだ!?
視線を上げた先には美姫が窓際の椅子に座り、水の入ったグラスを手に夜景を眺めていた。寂しげに見える横顔さえも美しく、バスローブの襟元から覗く胸の膨らみが、一気に大和の情欲を煽った。
大和はベッドから下りると、美姫の元へと歩いた。だが、美姫の視線は窓の向こうにあり、大和には気づいていないようだ。まるで遠い世界を見つめているかのような美姫に、急に不安が襲う。
「まだ、寝てなかったのか?」
後ろから抱き締めた大和に、美姫はビクンと躰を大きく揺らし、驚いたように振り返った。
「大和、起きたんだ......」
なぁ、お前は今......何を思ってたんだ?
「眠れないのか?」
いつもなら眠りについている時間だ。
心配そうに見つめる大和に、美姫の悪戯心がくすぐられる。
「結婚式の興奮が抜けきらないのか、目が冴えちゃって。繊細だからかな、誰かさんと違って......フフッ」
いつもの美姫の表情に戻ったのを見て安心しつつ、自分がずっと美姫をひとりぼっちにさせてしまったことに罪悪感を感じた。
「悪かったな、寝ちまって」
頭を掻きながら謝る大和に、美姫はわざとむくれて見せた。
「ほぉんと。初夜に新婦を無視して爆睡なんて、ありえないよ」
「ッグ......だよな」
肩を窄めて申し訳なさそうにする大和を見て、美姫はクスッと笑った。
こういう大和の素直なとこ、好きだな。
「じゃあ、寂しくさせた埋め合わせ、してくれる?」
美姫に下から覗き込むように見上げられ、大和は心臓を掴まれたかのように胸が苦しくなった。
「あぁ、もちろん......」
美姫を抱き上げると、ベッドの上に横たえる。乱れたバスローブから細く長い脚が艶かしく見え、それまで支配していた食欲が一気に吹き飛び、性欲が一気に押し上げる。美姫の華奢な躰を跨ぐと上半身裸になり、覆いかぶさった。
唇が、重なる。美姫の腕が絡みつくように大和の首に回り、口づけがだんだん深くなる。
「ハァッ......」
美姫の口から漏れる切ない吐息を聞く度、大和の血液が熱く滾り、下半身の中心へと集まってくる。
口づけをしながら、美姫のバスローブを左肩から外す。片方の乳房だけが露わになり、それが大和を視覚から誘惑する。誘われるまま、その膨らみに手を伸ばすと美姫の手が右肩へと伸び、自らもう片方のバスローブを外した。
今日の美姫、積極的だな......
ひとりで寂しい思いをしながら自分を欲していたからかもしれないと思うと、大和の興奮が一層昂った。
両手で膨らみを包み込んで揉みしだくと、美姫の手が上から重なり、大和の指を膨らみの頂へと導く。先端の尖りに触れると、美姫の腰がピクンと跳ねる。もうそこは、固く勃ち上がっていた。
「ッハァ......触って」
美姫はそれまで、躰を交える時にはいつも受け身だった。今日みたいに手を取って誘導したり、求めるような言葉を口に出したことなど一度もなかった。
『初夜』という、特別な雰囲気にあてられたのか。もう完全に夫婦になったのだという安心からなのか。大和に期待を裏切られ、ジリジリと待たされたせいか。
それとも、片隅に秀一からの祝電のことがあった為か……
美姫は昂ぶる情欲のまま、大和を求めていた。
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