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僕の優しい貴公子

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 ロイヤルは少し顔を赤くし、苦笑いを浮かべた。

『ユーキはその美しさからは想像出来ない卑猥な言葉を使うから、時々僕は面食らってしまうよ』

 僕は彼の太腿から足を下ろすと、グッと股を広げて彼の膝の上に座り込んだ。股間と股間を合わせ、唇と唇が触れ合うぐらいの距離で、囁く。

『嫌、だった?』

 ロイヤルは唇を寄せ、軽く口づけた。

『そんな淫らなユーキも愛おしくて堪らないって、分かってるでしょ?
 本当に可愛いよ、君は……』

 ロイヤルの腕が僕の細い腰に回り、僕は彼の首に腕を回した。

 力強く抱き上げられ、ベッドの上にふわりと下ろされる。まるで、お姫様のような扱いだ。

『まだ、脱がないで。このままで、楽しみたいんだ』

 ロイヤルは恭しく僕の手を取って手の甲に唇を落とすと、そっと僕の上に被さった。

 草木を潤す甘雨かんうのような口づけが、額や瞼の上、鼻、頬、唇、そして首筋へ柔らかく降りそそがれる。

「ッハァ……アイシテル、ユーキ……」

 拙い日本語で愛のことばを伝えるロイヤルに、愛おしい気持ちが溢れ出す……何よりそこに、彼の気持ちが込められていることが伝わってくるから。

 僕の中の糖分が躰から溶け出して、流れていく。

「Do you feel me, Yuki?(ユーキ、僕を感じる?)」
『ッハァ……感じるよ、ロイヤル。気持ち、いい……』

 ロイヤルの愛撫はどこまでも優しくて、壊れ物を扱うみたいに大切に、大切に触れてくれる。

 そんな風にしてもらえる資格なんて、僕にはないのに……

 だから、彼の優しすぎる愛撫に時々涙が出そうになったり、どうしようもなく苛々したりする。

 そんな自分の気持ちを追い払うようにしてロイヤルの手首を掴み、クルンと躰を反転させて彼の上に跨った。

『ねぇ……今日は入れるのと入れられるの、どっちの気分?』

 ロイヤルが目を細めて、僕を見上げた。

「It's up to you(君の好きなようにして)」

 余裕ですました表情を浮かべるロイヤルを見てると、その装甲を崩したくなる。

『分かった。好きなように、させてもらうよ……』

 スタンドカラーで細かいピンタックのついたホワイトシャツの首元のボタンに指を掛け、外していく。

『僕には脱いで欲しくないけど、ロイヤルの服を脱がせるのはいいんだよね?』
 
 ボタンを全て外し、シャツをはためかせて横に広げる。僕とは対照的な、引き締まって僅かに盛り上がった胸筋。その胸元を飾る、小さな蕾に吸いついた。

『ァア!!そ、んな急に……ッハァ』

 ロイヤルの頬が紅潮し、興奮が一気に喚び醒まされる。

 まだまだ……こんなもんじゃ、ないよ?

 吸いついた蕾を舌で弄びながら、片方の手でもう一方の蕾を爪で引っ掻く。それから、もう片方の指でロイヤルの全身を撫でながら、服を脱がせていった。

 彼は敏感だから、いちいち反応して小刻みに全身を震わせるのが堪らなく愉しいんだ。

『ぁ、や……ユーキぃ……ッハァ、ハァッ……』
『クスッ。ロイヤル、雌の声になってるよ?
 可愛い……もっと、鳴かせてあげるね』

 引き締まった腹筋を愛で、臍をクルリと撫で回してから、茂みの先へと指を伸ばした。
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