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異世界漂流編
再会は唐突に
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「生きてて良かっ「彼方どこにいてたんだ!!心配したぞっ!!」
愛梨の再会の言葉を遮り後ろのローブ達が顔を露わにし、押し寄せてくる。愛梨は押し飛ばされ頭を商品棚にぶつけているがそれも御構い無しだ。
声が挙げたのは一番長身の男の子である、牛丸 魁斗だ。彼方と魁斗は小学校からの腐れ縁である。
「ねぇ、今までどこにいたの?こっちはずっと心配してたんだよ!?」
「イタタタ、誰ですか?私と彼方くんの再会を邪魔したのは?」
「まぁ、気にすんなって。せっかくの再会だぜ!」
「くたばってれば良かったのに」
「羽倉ちゃん!彼方は嫌な奴だけど僕らの親友なんだから、そんなこと言っちゃダメだよ!」
順に立花 立夏、鍵本 愛梨、牛丸 魁斗、羽倉 小百合、轟 肇が喜びの声を挙げる。みんな修学旅行の途中に逸れた彼方にとっての親友達だ。向こうも同じことを考えているかは別だが……。
彼方は嬉しそうに肇の肩を小突きながら、
「おい、本人の前で何ディスってんだよ!てか、てかお前らだけが王国で楽しんでた間、俺は一人で大変だったんだぞ!」
彼方の声はいつもと同じだが雰囲気は変わる。腕に巻きつく鎖が今までの苦労を物語っているのだ。
本来は外すことができるのだが、彼方は戒めとして残すようにしていた。ミスリルで造られているので、武器としても使えるらしい。
肇達は鎖を見て絶句する。悲喜が混じりあった顔で立夏が問う。
「彼方、その手錠みたいなの、何なの?」
彼方は今までの経緯を語ろうと口を開き、
「彼方、やけに長いな。羽ペンとライトを持って来てしもたで。んっ、なんやお前ら?うちの彼方になんかようでもあるんか?」
聞き慣れた大阪弁が言葉を遮る。カレナは肇達にメンチ切っていく始末だ。知人として恥ずかしく見知らぬ人のフリをしようとしたが、名前を呼ばれていたことに気づき落胆する。
「ダメだよ、カレナ。そいつら生憎俺の親友なんだよ。半殺しで許してあげて」
「分かりましてん、任せとき」
「いやっ、ダメだって!彼方の親友の価値はチンピラ以下かっ!!」
魁斗がナイスツッコミを入れる。
「冗談だって。ほら、カレナも気合十分で準備運動するのはいいけど、殴る相手がいないからラミルでもなぐってきな。あ、これはラミルに言ったらだめだよ」
「聞こえてますよ彼方さん、耳障りな声が!」
合点承知とのことで、カレナがラミルを殴るが、寸前のところで避けられる。
舌打ちする彼方の頭を叩き、ローブを着て怪しい雰囲気を醸し出している肇(はじめ)達の方に身体を向ける。
「勇者様方は護衛なんか連れずにここで何をしていらっしゃるのですか?まさかお忍びではないでしょうね?もしそうなら、騎士団としてあなた達を王宮に連れて行かなければなりません。正直、大変迷惑なので今回は見逃すので王宮に戻ってくれませんか。・・・お願い致します」
さすが元貴族なだけある。言いたいことどころか皮肉まで添えている。これはラミル限定で貴族は関係ないのだけれども。
「ラミルは皮肉ばっかだな。あだ名はアイロニーで決まりだな。そんなことよりお前は少しくらい騎士としての自覚を最後まで待てよ。俺、王宮行きたいし連れてってやろうぜ。いいだろ?」
思い切り空振りを咬まし、悔しがっているカレナに確認を取る。
「ええで。早めに行ったところで何も問題あらへんやろ」
軽い。こちらも騎士としての意識が欠けているのであろう。カレナに確かめたところで、彼方は一番近くいる魁斗の手を掴み魔導具屋を後にする。勇者組と神憑りの切札のメンバーが彼方の背についていく。
愛梨の再会の言葉を遮り後ろのローブ達が顔を露わにし、押し寄せてくる。愛梨は押し飛ばされ頭を商品棚にぶつけているがそれも御構い無しだ。
声が挙げたのは一番長身の男の子である、牛丸 魁斗だ。彼方と魁斗は小学校からの腐れ縁である。
「ねぇ、今までどこにいたの?こっちはずっと心配してたんだよ!?」
「イタタタ、誰ですか?私と彼方くんの再会を邪魔したのは?」
「まぁ、気にすんなって。せっかくの再会だぜ!」
「くたばってれば良かったのに」
「羽倉ちゃん!彼方は嫌な奴だけど僕らの親友なんだから、そんなこと言っちゃダメだよ!」
順に立花 立夏、鍵本 愛梨、牛丸 魁斗、羽倉 小百合、轟 肇が喜びの声を挙げる。みんな修学旅行の途中に逸れた彼方にとっての親友達だ。向こうも同じことを考えているかは別だが……。
彼方は嬉しそうに肇の肩を小突きながら、
「おい、本人の前で何ディスってんだよ!てか、てかお前らだけが王国で楽しんでた間、俺は一人で大変だったんだぞ!」
彼方の声はいつもと同じだが雰囲気は変わる。腕に巻きつく鎖が今までの苦労を物語っているのだ。
本来は外すことができるのだが、彼方は戒めとして残すようにしていた。ミスリルで造られているので、武器としても使えるらしい。
肇達は鎖を見て絶句する。悲喜が混じりあった顔で立夏が問う。
「彼方、その手錠みたいなの、何なの?」
彼方は今までの経緯を語ろうと口を開き、
「彼方、やけに長いな。羽ペンとライトを持って来てしもたで。んっ、なんやお前ら?うちの彼方になんかようでもあるんか?」
聞き慣れた大阪弁が言葉を遮る。カレナは肇達にメンチ切っていく始末だ。知人として恥ずかしく見知らぬ人のフリをしようとしたが、名前を呼ばれていたことに気づき落胆する。
「ダメだよ、カレナ。そいつら生憎俺の親友なんだよ。半殺しで許してあげて」
「分かりましてん、任せとき」
「いやっ、ダメだって!彼方の親友の価値はチンピラ以下かっ!!」
魁斗がナイスツッコミを入れる。
「冗談だって。ほら、カレナも気合十分で準備運動するのはいいけど、殴る相手がいないからラミルでもなぐってきな。あ、これはラミルに言ったらだめだよ」
「聞こえてますよ彼方さん、耳障りな声が!」
合点承知とのことで、カレナがラミルを殴るが、寸前のところで避けられる。
舌打ちする彼方の頭を叩き、ローブを着て怪しい雰囲気を醸し出している肇(はじめ)達の方に身体を向ける。
「勇者様方は護衛なんか連れずにここで何をしていらっしゃるのですか?まさかお忍びではないでしょうね?もしそうなら、騎士団としてあなた達を王宮に連れて行かなければなりません。正直、大変迷惑なので今回は見逃すので王宮に戻ってくれませんか。・・・お願い致します」
さすが元貴族なだけある。言いたいことどころか皮肉まで添えている。これはラミル限定で貴族は関係ないのだけれども。
「ラミルは皮肉ばっかだな。あだ名はアイロニーで決まりだな。そんなことよりお前は少しくらい騎士としての自覚を最後まで待てよ。俺、王宮行きたいし連れてってやろうぜ。いいだろ?」
思い切り空振りを咬まし、悔しがっているカレナに確認を取る。
「ええで。早めに行ったところで何も問題あらへんやろ」
軽い。こちらも騎士としての意識が欠けているのであろう。カレナに確かめたところで、彼方は一番近くいる魁斗の手を掴み魔導具屋を後にする。勇者組と神憑りの切札のメンバーが彼方の背についていく。
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