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異世界漂流編
異世界の闘い方1
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城が目の前まで近づいて来ると、人通りが少なくなり道が開いていく。通るのは高級そうな馬車に乗った貴族か、屈強な騎士ぐらいだ。
つまり、異世界人六人と少女3人?と青年だと場違いなわけである。ジロジロと見られるのが慣れているのか騎士団のカレナやラミルは堂々とうしている。逆に彼方なんかは城の大きさに喜々としている。緊張しているのはいち早く王国に召喚されている勇者五人であった。
門前まで行くと門番二人が槍を交差させながら何者か、と問う。
「うちらは、騎士団や。うろちょろしとった勇者はんをとっ捕まえて来てんや。あけてーな」
(毎回疑問に思うが、カレナの大阪弁はこちらの世界では普通なのだろうか?櫆の武士語も標準語のなかにはいるのだろうか?そもそもこの国の字で表せるのか?)
たわいもない考えをしている彼方に入門の許可が下りる。
「よし、暇やしあんたら勇者とうちらで勝負しよやないか!負けたほうが罰ゲームな?!」
カレナが城に入るなり思いつきを提案する。
「いきなりすぎるやろ!もうちょいゆっくりしなあかんて!」
「彼方さん、団長の話し方になっちゃってますよ!」
彼方の大阪弁にマリーがツッコミを入れる。さすが大阪弁の団長の下に居るだけある。ツッコミにキレがある、と彼方は心の内でマリーを褒める。実際に褒めてしまうとマリーは調子に乗ってしまう傾向があるからだ。
「いいよ!彼方がどれだけ闘えるか見たいし行こうよ!ねっ?」
立夏が他の勇者達に呼びかける。
すると、
「うん。彼方をボコボコにするチャンスだし行く」
小百合が剣呑な物言いと共に返答する。それに続けて勇者組が返事を返していく。
「よし、ほな中庭にいこか!デスマッチやで!」
「危ないから駄目ですよ!やるんでしたら彼方にしてください。勇者様方はこの世界の希望なんですよ!」
「おい待てラミル!!俺がまだ勇者になれないとは限らないだろ!決めるのは王様で、お前じゃないんだよ!」
その通りである。異世界に召喚された者は勇者の儀が行われる。王様によって勇者かどうか見極められるのだ。
しかし彼方は今日、勇者の儀があることを知らされていない。
勇者に選ばれた異世界人はどれかの騎士団に入ることが義務付けられている。彼方が聞いた話によれば、立夏と肇は十字架の魔術師、小百合は精霊の障壁、愛梨は聖女の手絡、魁斗は騎士の刃に所属しているらしい。騎士団にはこの他にも獣の王冠と白銀の乙女がいる。
彼方は聞かされているが、勇者になれなかった異世界人は即刻死刑らしい。彼方は見た目は浮かれているが心の中では気を引き締めているのであった。
「こんな所で喧嘩するな!邪魔だし神憑りの切札の恥だ!」
「残念だったな、リン!俺はそんなヘッポコな団に入ってないからいくらでも恥をかいていいんだよ!」
「それとこれとは別の問題なんじゃ……?」
ひと揉めしながらも無事に中庭に到着する。
中庭は騎士の訓練所として開放されており自由に出入りできるのだ。
「よし、ほんじゃまずは彼方の力がどんな物か俺らに見させろよ!」
いつもの仕切りようで魁斗が話し始める。しかし、彼方は嫌そうな顔をしモゴモゴと喋りだす。
「俺さ、ついさっきギルドで自分のスキルとステータス見たばっかだからなんにも魔法とか剣とか使えないんだよ。使えるとしたら人の揚げ足とること、悪口言うこと、拳で殴るか、この鎖で叩きつけるぐらいしか技持ってないよ?」
「最初の二つ使えなさすぎだろ!」
魁斗が大声で叫ぶ。魁斗の後ろからヒョコッと出てきた肇が疑問を口に出す。
「どんなスキルがあったの?」
「私も気になります。どんな魔法が使えるんですか?」
愛梨もそれに便乗する。
「あぁ、それはな――――。」
彼方は自分のスキルのほんの少しを晒す。
「まじかよ、『飴と鞭』とか面白いスキルしてんな。自分に甘くすればするほど弱くなって、自分にきつくすればするほど強くなるとか、彼方と相性最悪だな!」
魁斗が腹を抱えながら笑う。
「でも『精霊の加護』があって良かったね。もし、神憑りの切札さんに追い出されても精霊の障壁に入れてもらえるね!小百合ちゃんと同じ団だよ!」
「嫌だ、死ね」
「待てよ、愛梨!俺が追い出されること確定してるのやめようぜ!あと、小百合はなんなの?ツンデレにしてもツンが強すぎるよ!」
「キモい、消えろ」
「ノォォーーー!!」
彼方が頭を抱えながら崩れ落ちる。立夏が審判役になって小百合の腕を掲げている。「You are champion」と叫びながら。
「んじゃ、彼方の使えなさは分かったことだし、勇者の力とやら見してもらおうぜ」
リンが両手を打ち付け注意をこちらに向ける。異世界勇者と最低騎士団のバトルロワイアルがここに開幕する。
つまり、異世界人六人と少女3人?と青年だと場違いなわけである。ジロジロと見られるのが慣れているのか騎士団のカレナやラミルは堂々とうしている。逆に彼方なんかは城の大きさに喜々としている。緊張しているのはいち早く王国に召喚されている勇者五人であった。
門前まで行くと門番二人が槍を交差させながら何者か、と問う。
「うちらは、騎士団や。うろちょろしとった勇者はんをとっ捕まえて来てんや。あけてーな」
(毎回疑問に思うが、カレナの大阪弁はこちらの世界では普通なのだろうか?櫆の武士語も標準語のなかにはいるのだろうか?そもそもこの国の字で表せるのか?)
たわいもない考えをしている彼方に入門の許可が下りる。
「よし、暇やしあんたら勇者とうちらで勝負しよやないか!負けたほうが罰ゲームな?!」
カレナが城に入るなり思いつきを提案する。
「いきなりすぎるやろ!もうちょいゆっくりしなあかんて!」
「彼方さん、団長の話し方になっちゃってますよ!」
彼方の大阪弁にマリーがツッコミを入れる。さすが大阪弁の団長の下に居るだけある。ツッコミにキレがある、と彼方は心の内でマリーを褒める。実際に褒めてしまうとマリーは調子に乗ってしまう傾向があるからだ。
「いいよ!彼方がどれだけ闘えるか見たいし行こうよ!ねっ?」
立夏が他の勇者達に呼びかける。
すると、
「うん。彼方をボコボコにするチャンスだし行く」
小百合が剣呑な物言いと共に返答する。それに続けて勇者組が返事を返していく。
「よし、ほな中庭にいこか!デスマッチやで!」
「危ないから駄目ですよ!やるんでしたら彼方にしてください。勇者様方はこの世界の希望なんですよ!」
「おい待てラミル!!俺がまだ勇者になれないとは限らないだろ!決めるのは王様で、お前じゃないんだよ!」
その通りである。異世界に召喚された者は勇者の儀が行われる。王様によって勇者かどうか見極められるのだ。
しかし彼方は今日、勇者の儀があることを知らされていない。
勇者に選ばれた異世界人はどれかの騎士団に入ることが義務付けられている。彼方が聞いた話によれば、立夏と肇は十字架の魔術師、小百合は精霊の障壁、愛梨は聖女の手絡、魁斗は騎士の刃に所属しているらしい。騎士団にはこの他にも獣の王冠と白銀の乙女がいる。
彼方は聞かされているが、勇者になれなかった異世界人は即刻死刑らしい。彼方は見た目は浮かれているが心の中では気を引き締めているのであった。
「こんな所で喧嘩するな!邪魔だし神憑りの切札の恥だ!」
「残念だったな、リン!俺はそんなヘッポコな団に入ってないからいくらでも恥をかいていいんだよ!」
「それとこれとは別の問題なんじゃ……?」
ひと揉めしながらも無事に中庭に到着する。
中庭は騎士の訓練所として開放されており自由に出入りできるのだ。
「よし、ほんじゃまずは彼方の力がどんな物か俺らに見させろよ!」
いつもの仕切りようで魁斗が話し始める。しかし、彼方は嫌そうな顔をしモゴモゴと喋りだす。
「俺さ、ついさっきギルドで自分のスキルとステータス見たばっかだからなんにも魔法とか剣とか使えないんだよ。使えるとしたら人の揚げ足とること、悪口言うこと、拳で殴るか、この鎖で叩きつけるぐらいしか技持ってないよ?」
「最初の二つ使えなさすぎだろ!」
魁斗が大声で叫ぶ。魁斗の後ろからヒョコッと出てきた肇が疑問を口に出す。
「どんなスキルがあったの?」
「私も気になります。どんな魔法が使えるんですか?」
愛梨もそれに便乗する。
「あぁ、それはな――――。」
彼方は自分のスキルのほんの少しを晒す。
「まじかよ、『飴と鞭』とか面白いスキルしてんな。自分に甘くすればするほど弱くなって、自分にきつくすればするほど強くなるとか、彼方と相性最悪だな!」
魁斗が腹を抱えながら笑う。
「でも『精霊の加護』があって良かったね。もし、神憑りの切札さんに追い出されても精霊の障壁に入れてもらえるね!小百合ちゃんと同じ団だよ!」
「嫌だ、死ね」
「待てよ、愛梨!俺が追い出されること確定してるのやめようぜ!あと、小百合はなんなの?ツンデレにしてもツンが強すぎるよ!」
「キモい、消えろ」
「ノォォーーー!!」
彼方が頭を抱えながら崩れ落ちる。立夏が審判役になって小百合の腕を掲げている。「You are champion」と叫びながら。
「んじゃ、彼方の使えなさは分かったことだし、勇者の力とやら見してもらおうぜ」
リンが両手を打ち付け注意をこちらに向ける。異世界勇者と最低騎士団のバトルロワイアルがここに開幕する。
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