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1話目 召喚
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「勇者様方、良くぞお越しくださいました!!」
手を広げ感謝の言葉を表す、王冠を被った一人の女性。……察するに王女様だろう。
気を失っていた者が全員起きたところで、始まる狡い演説。
俺はありとあらゆる中でも、定番のテンプレートを引き当ててしまったらしい。
俺が呆けている間に、事態は先を進んでいた。今は愚痴&質問コーナーが行われている。
俺達が居るのは、異様な広さを誇るホールであった。見渡せば生徒に教師、理事長に保護者や年相応に合わない子どもなどもいる。
あっ、一人の人物と眼が合った。
亜蓮だ。亜蓮もこちらに気付いたのか、人の隙間を縫って歩いてくる。
「おい、虚ろな眼をしていたが大丈夫か?」
俺は何処か魂が抜けていたらしい。
「大丈夫ですよ。他の三人は何処ですか?」
「おい、ホントに大丈夫か?俺に敬語使うなんて距離があるみたいじゃないか」
ラミファ様と話していた時の喋り方が口に残っていたらしい。長いこと眠っていたような錯覚もある。身体の調子は良いはずなのに、記憶はあやふやだ。
「ご、ごめん。まだ混乱してるんだ、きっと。それより、三人は?」
亜蓮は訝しげに俺を見た後に答えてくれる。
「それが人が多くて見当たらないんだ。どうせ後でひょっこりと現れるだろうよ」
「そうだな」
そこで、俺達は会話を切り上げ、王女に質問している生徒や教師の話に耳を傾ける。
「僕達は何で召喚されたんですか?」
「魔王を討伐する為です」
「俺らが死んだりしたらどうするんですか?!」
「そうさせないよう、最大限補助するつもりです」
「わ、私達は帰ることが、出来るんですか?」
「魔王を倒してくだされば可能性は大いにあります」
「これまでに召喚された人は居るのか?」
「居ました」
「魔王は悪者なのか?」
「へっ?」
ここで一人が一風変わった質問をする。勿論、俺だ。
ホールの床に座る生徒教師その他に聞こえるように、立ち上がりホールに響かせる。
王女であろう女性は、質問に戸惑う。
「質問の一つだ。率直な意見を聞かせてくれ」
「……魔王は人間を苦しめる邪悪な存在です。現に魔人を動かし、私達に多大な被害を齎らしてきました」
「共存は出来ないのか?俺達みたいな平和に生きてきた異世界人に闘いを強いるのは少し酷じゃないか?貴方は俺達とあまり年は変わらないだろう?自分の気持ちどうなんだ?」
「そ、それは……」
先程と打って変わり、弱々しく言葉を濁す。
ホールの雰囲気がギスギスとしてきた。俺達、異世界人を囲んでいる騎士達は、一人佇む俺を睨みつけている。他にも、座りこんでいる生徒達はヒソヒソと喋り、それが騒めきとなっている。
「あれって十六夜様だろ?ヤンキーの中でも一番の腕っ節の」
いつからそんなデマが流れ出したんだ。後、様って何だ、様は?
「やべー奴じゃん十六夜って。確か、熊を片手で倒す奴だろ?」
そんなの無理に決まっている。やろうとしても両手が限界だ。
「この前、先輩相手に金を集(たか)ってたらしいぜ」
……姉に小遣いを強請(せが)んだだけだ。
「怖そうな顔してるけど?イケメンじゃない?」
素直に嬉しい。怖そうなのは生まれつきの銀髪と三白眼のせいだろうか?結構気に入っているのだが……。
「俺の方がイケメンじゃね?!」
何処ぞの馬の骨かも分からん奴は消え失せろ!
前後左右から聞こえる声をシャットアウトし、俺は言葉を並べていく。
「貴方の名前は?」
「ミ、ミリアです。第一王女、ミリア・アンドレイクです」
やはり、王女であった。
「それじゃ、ミリア。君は俺達への同情は無いのか?それともこんな大人数でも異世界人だから、と切り捨てしまう人間なのか?それが王女としての役目だからか? 平和を求める為に代償を異世界から連れてきたのか?」
「そっ、それは違います!!わ、私は!」
「じゃあなんだ?お前は出会って間も無い俺達を大切に思っているのか?馬鹿にするな。俺達の人生を大きく狂わせといて、それでも助けを乞うのか?巫山戯るな。もっと心苦しそうにしろよ。もっと申し訳なさそうにしろよ。気休めは大概にしろや、ボケ」
おっと、素が出てしまった。
元々は温厚な性格をしていた筈なのだが、いかんせんヤンキー共と連んでいると、口調までも変えられてしまうらしい。
かなりキツイ言葉を当ててしまったが、本音はそこまで攻めてるわけでもない。
俺はその場に合わせるタイプであった。直ぐに納得し、流されてしまうタイプなのだ。
なので、こんな運命も悪くないであろう、と思ってしまっているのである。
シリアスなことを言えない俺で申し訳ない。
しかし、ここで引き返すわけにもいかず、俺の王女に対する追求は続く。
「わ、私は……!そんな思いは、滅相もありません!唯(ただ)!民を救いたいと思っただけなのです!!」
「俺はそんなこと聞きたいんじゃないんだが。闘うことを辞めさせてくれって言ってんだよ。頭に蛆虫でも湧いてんのか?」
俺は平和に解決したいだけだ。
ほんの少し喋った、感情を言い表せないラミファ様の願いを継ぐ為に。
神様相手に心情を聞き出すなんて、出来るわけないのだが、それでも、あの時の言葉を信じたいと想う自分が居た。ただそれだけだ。後は状況に流されていただけなのだ。
ラミファ様の使徒として、やるべきことを全うする。
もう一押しだ。俺はミリアをだけを責める罪悪感に駆られながらも、口を開こうとし、
――――ヒュッッッッッッ!!!!
身体が宙を舞う。
剣の柄で胸を殴られたのだ。しなり音が成る程のスピードで。
瞬時に反応し、両手をクロスして受け身を取ったにも関わらず、背後にある壁にまで吹き飛ぶ。打ち付けられる背中、数秒置いて壁から離れ、身体は床に落ちる。
「……ぐはっ…ごへぇ」
咳き込みながらも、ゆっくりと立ち上がる。
致命傷は避けたようだ。しかし、腕には大きな痣が出来ている。
俺が立っていた位置には騎士が一人居座っていた。甲冑をしていて顔すら見えない騎士だ。
周りの顔など眼中になかった。眼に映るのはその一人のみ。
「もう良い。貴様は自らが立場を理解してないようだ」
俺が騎士にガンを飛ばしていたところで、低くも威圧のある声が、ホール全体に木霊(こだま)する。
声のする先を見れば、ミリアの隣、一人の男性が居た。
「誰だお前?」
「我に対してその無礼、罪であるな。まぁ良かろう。よく聞け、奴隷諸君。我が名はバビル・アンドレイク、貴様らの王である」
ミリアの父親であった。
いや、そんなことはどうでもいい。今はもっと大事なことがある。
「奴隷ってなんだ、テメェ?」
口調が悪くなってしまう。だが身体は言うことを聞かなかった。
「その他に言い表せれる言葉があるのなら、耳を傾けてやろう。もう一度言ってやろう。貴様は自らが立場を理解していないようだ」
「……」
「それもそうであろう。貴様らは何処かも分からぬ場所に突然召喚されたのだぞ?放り出せされては餓死する以外の道は残っていないのだ。主導権はこちらが握っておるんじゃ、戯けが」
それだけ言うと、バビルはホールの奥にある台座に座って黙ってしまった。
俺は何も言い返すことが出来なかった。
「……それでは、一人一人部屋にお連れします!専用のメイドと執事を付けますので、何かあればそちらに伺いください!これからの予定もそちらを通じて行いますので!」
雰囲気は最悪だ。お通夜状態の異世界人諸君に、ミリアが気持ちを一転させるように明るく振る舞う。
ホールの、背を優に超える大きな門が開き、メイドと執事が一人一人を案内していく。
皆から離れていた俺にも、順番が回ってきたのか一人のメイドが寄ってくる。
「どうやら、こっ酷くやられたみたいだね、銀次」
俺の名前を知っていることに驚き、痛む身体を上げてみると、そこには、
「君だけの見方、ラミファだよっ♪」
思い耽ることも無い、早い再会になる、ラミファが立っていた。
メイド姿で。
手を広げ感謝の言葉を表す、王冠を被った一人の女性。……察するに王女様だろう。
気を失っていた者が全員起きたところで、始まる狡い演説。
俺はありとあらゆる中でも、定番のテンプレートを引き当ててしまったらしい。
俺が呆けている間に、事態は先を進んでいた。今は愚痴&質問コーナーが行われている。
俺達が居るのは、異様な広さを誇るホールであった。見渡せば生徒に教師、理事長に保護者や年相応に合わない子どもなどもいる。
あっ、一人の人物と眼が合った。
亜蓮だ。亜蓮もこちらに気付いたのか、人の隙間を縫って歩いてくる。
「おい、虚ろな眼をしていたが大丈夫か?」
俺は何処か魂が抜けていたらしい。
「大丈夫ですよ。他の三人は何処ですか?」
「おい、ホントに大丈夫か?俺に敬語使うなんて距離があるみたいじゃないか」
ラミファ様と話していた時の喋り方が口に残っていたらしい。長いこと眠っていたような錯覚もある。身体の調子は良いはずなのに、記憶はあやふやだ。
「ご、ごめん。まだ混乱してるんだ、きっと。それより、三人は?」
亜蓮は訝しげに俺を見た後に答えてくれる。
「それが人が多くて見当たらないんだ。どうせ後でひょっこりと現れるだろうよ」
「そうだな」
そこで、俺達は会話を切り上げ、王女に質問している生徒や教師の話に耳を傾ける。
「僕達は何で召喚されたんですか?」
「魔王を討伐する為です」
「俺らが死んだりしたらどうするんですか?!」
「そうさせないよう、最大限補助するつもりです」
「わ、私達は帰ることが、出来るんですか?」
「魔王を倒してくだされば可能性は大いにあります」
「これまでに召喚された人は居るのか?」
「居ました」
「魔王は悪者なのか?」
「へっ?」
ここで一人が一風変わった質問をする。勿論、俺だ。
ホールの床に座る生徒教師その他に聞こえるように、立ち上がりホールに響かせる。
王女であろう女性は、質問に戸惑う。
「質問の一つだ。率直な意見を聞かせてくれ」
「……魔王は人間を苦しめる邪悪な存在です。現に魔人を動かし、私達に多大な被害を齎らしてきました」
「共存は出来ないのか?俺達みたいな平和に生きてきた異世界人に闘いを強いるのは少し酷じゃないか?貴方は俺達とあまり年は変わらないだろう?自分の気持ちどうなんだ?」
「そ、それは……」
先程と打って変わり、弱々しく言葉を濁す。
ホールの雰囲気がギスギスとしてきた。俺達、異世界人を囲んでいる騎士達は、一人佇む俺を睨みつけている。他にも、座りこんでいる生徒達はヒソヒソと喋り、それが騒めきとなっている。
「あれって十六夜様だろ?ヤンキーの中でも一番の腕っ節の」
いつからそんなデマが流れ出したんだ。後、様って何だ、様は?
「やべー奴じゃん十六夜って。確か、熊を片手で倒す奴だろ?」
そんなの無理に決まっている。やろうとしても両手が限界だ。
「この前、先輩相手に金を集(たか)ってたらしいぜ」
……姉に小遣いを強請(せが)んだだけだ。
「怖そうな顔してるけど?イケメンじゃない?」
素直に嬉しい。怖そうなのは生まれつきの銀髪と三白眼のせいだろうか?結構気に入っているのだが……。
「俺の方がイケメンじゃね?!」
何処ぞの馬の骨かも分からん奴は消え失せろ!
前後左右から聞こえる声をシャットアウトし、俺は言葉を並べていく。
「貴方の名前は?」
「ミ、ミリアです。第一王女、ミリア・アンドレイクです」
やはり、王女であった。
「それじゃ、ミリア。君は俺達への同情は無いのか?それともこんな大人数でも異世界人だから、と切り捨てしまう人間なのか?それが王女としての役目だからか? 平和を求める為に代償を異世界から連れてきたのか?」
「そっ、それは違います!!わ、私は!」
「じゃあなんだ?お前は出会って間も無い俺達を大切に思っているのか?馬鹿にするな。俺達の人生を大きく狂わせといて、それでも助けを乞うのか?巫山戯るな。もっと心苦しそうにしろよ。もっと申し訳なさそうにしろよ。気休めは大概にしろや、ボケ」
おっと、素が出てしまった。
元々は温厚な性格をしていた筈なのだが、いかんせんヤンキー共と連んでいると、口調までも変えられてしまうらしい。
かなりキツイ言葉を当ててしまったが、本音はそこまで攻めてるわけでもない。
俺はその場に合わせるタイプであった。直ぐに納得し、流されてしまうタイプなのだ。
なので、こんな運命も悪くないであろう、と思ってしまっているのである。
シリアスなことを言えない俺で申し訳ない。
しかし、ここで引き返すわけにもいかず、俺の王女に対する追求は続く。
「わ、私は……!そんな思いは、滅相もありません!唯(ただ)!民を救いたいと思っただけなのです!!」
「俺はそんなこと聞きたいんじゃないんだが。闘うことを辞めさせてくれって言ってんだよ。頭に蛆虫でも湧いてんのか?」
俺は平和に解決したいだけだ。
ほんの少し喋った、感情を言い表せないラミファ様の願いを継ぐ為に。
神様相手に心情を聞き出すなんて、出来るわけないのだが、それでも、あの時の言葉を信じたいと想う自分が居た。ただそれだけだ。後は状況に流されていただけなのだ。
ラミファ様の使徒として、やるべきことを全うする。
もう一押しだ。俺はミリアをだけを責める罪悪感に駆られながらも、口を開こうとし、
――――ヒュッッッッッッ!!!!
身体が宙を舞う。
剣の柄で胸を殴られたのだ。しなり音が成る程のスピードで。
瞬時に反応し、両手をクロスして受け身を取ったにも関わらず、背後にある壁にまで吹き飛ぶ。打ち付けられる背中、数秒置いて壁から離れ、身体は床に落ちる。
「……ぐはっ…ごへぇ」
咳き込みながらも、ゆっくりと立ち上がる。
致命傷は避けたようだ。しかし、腕には大きな痣が出来ている。
俺が立っていた位置には騎士が一人居座っていた。甲冑をしていて顔すら見えない騎士だ。
周りの顔など眼中になかった。眼に映るのはその一人のみ。
「もう良い。貴様は自らが立場を理解してないようだ」
俺が騎士にガンを飛ばしていたところで、低くも威圧のある声が、ホール全体に木霊(こだま)する。
声のする先を見れば、ミリアの隣、一人の男性が居た。
「誰だお前?」
「我に対してその無礼、罪であるな。まぁ良かろう。よく聞け、奴隷諸君。我が名はバビル・アンドレイク、貴様らの王である」
ミリアの父親であった。
いや、そんなことはどうでもいい。今はもっと大事なことがある。
「奴隷ってなんだ、テメェ?」
口調が悪くなってしまう。だが身体は言うことを聞かなかった。
「その他に言い表せれる言葉があるのなら、耳を傾けてやろう。もう一度言ってやろう。貴様は自らが立場を理解していないようだ」
「……」
「それもそうであろう。貴様らは何処かも分からぬ場所に突然召喚されたのだぞ?放り出せされては餓死する以外の道は残っていないのだ。主導権はこちらが握っておるんじゃ、戯けが」
それだけ言うと、バビルはホールの奥にある台座に座って黙ってしまった。
俺は何も言い返すことが出来なかった。
「……それでは、一人一人部屋にお連れします!専用のメイドと執事を付けますので、何かあればそちらに伺いください!これからの予定もそちらを通じて行いますので!」
雰囲気は最悪だ。お通夜状態の異世界人諸君に、ミリアが気持ちを一転させるように明るく振る舞う。
ホールの、背を優に超える大きな門が開き、メイドと執事が一人一人を案内していく。
皆から離れていた俺にも、順番が回ってきたのか一人のメイドが寄ってくる。
「どうやら、こっ酷くやられたみたいだね、銀次」
俺の名前を知っていることに驚き、痛む身体を上げてみると、そこには、
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