悪女の死んだ国

神々廻

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彼女は王妃としては正しい判断を下していた。しかし、悪く言うと悪女だった

彼女は美しい容姿だった。箱庭で育ったのだろう、凄く白い肌だった。彼女は頭が良く、先を見据えて行動していた。

彼女の夫.....王は政には関心が無かった。王妃にも興味がなかった。王には愛人が沢山居た。その中には絶世の美女が居た。美女は王の1番のお気に入りだった。

美女は王妃になりたかった。その為に利益はないが、人々が欲している事を言っていた。そして、出来もしない楽園について語っていた。美女は民に寄り添って居た。彼女よりも....そして誰よりも。

民は王と王妃を恨んでいた。王は国の為に何もせずに浪費をしている。そして、王妃は民の意見を聞かずに貴族の話だけを聞くと。

彼女は民を1番に考えていた。しかし、彼女は恨まれすぎていた。彼女にはありもしない噂が流れていた。彼女には愛人がいる。彼女は毎日遊びほうけている。彼女は否定しなかった。彼女は噂などに耳を傾けている時間はなかった。

美女は王妃のありもしない噂を広めていた。王妃が死ねば自分が王妃になれると思っていたからだ。


彼女はある日突然、死んだ。彼女が死んだ噂は瞬く間に広がった。

彼女は愛人と一緒に死んだ........

彼女のご飯に毒が盛られていた......

様々な憶測が飛び交った。

新聞には【愛人と共に王妃死亡!?】などとありもしない記事で溢れかえった。


美女は大層喜んだ。これで自分が王妃になれると......

しかし、王や大臣は慌てていた。彼女が政や外交、飢饉対策など全てを決めていた。大臣は彼女の言葉を鵜呑みにしていた。そして、彼女の言葉をあたかも自分の手柄のように好評していた。

王や大臣は彼女の部屋から資料などを探したがなかった。それは王妃が別の国の言語で書いていたからだ。

元々、外国からこの国は大事にされていた。しかし、彼女が居ないと分かるとどの国からも相手にされなくなった。

美女はそんな事が起こっているとは知らなかった。
王は美女を王妃にした。美女は人気があったからだ。

民は新しい王妃に期待した。美女が昔語っていた、楽園の話を信じて居たからだ。

しかし、美女は口だけだった。美女には政が分からなかった。美女はパーティが好きだった。もし、今が平和で国に金が有り余っている時なら問題はなかった。しかし、美女や王の浪費のせいで国の財政は破綻していた。

美女は何も知らなかった。王は酒に溺れた。大臣は国から逃げた。貴族は大臣が逃げたのを知って急いで家やドレスを売った。

民は美女に騙されたと言った。王宮に民は襲撃した。整備するものなど居なかった。

王は酒の飲みすぎて死んで居た。美女は最後まで足掻いたが殺されてしまった。

民は美女の虚言に騙されていた。前王妃が良かった事に気付いた。

彼女は汚れ役、恨まれ役を勝手でていた。
全て私の責任で良いから......といい、様々な政策を行っていた。

彼女が政をするようになって、犯罪率も減った。
彼女は田舎にも医療を受けられるようにと病院を作っていた。
彼女には愛人などは居なかった。合ったのは、膨大な書類だけだった。

彼女の死は過労死だった。

彼女は寝ないようにと、冬なのに水の中に足を入れて無理矢理起きて、仕事をしていた。


民は衝撃を受けた。今まで悪女だと罵り、ありもしない事を信じて居た。

しかし、後悔してももう遅い...........

王と王妃が革命で死んだことを知った外国が攻めてきた。

戦力の差は圧倒的で降伏した。

そして、彼女が生きていた頃はどの国も

「彼女が王妃の間はあの国の機嫌を伺え」
「彼女が生きている間はあの国に攻めてはならぬ、返り討ちにされる」

しかし、彼女が死んだと分かるとどの国からも舐められた。



他国から見たら理解が出来なかった。

何故......彼女は悪女と言われているのかが

王の愛人が民からは支持されているのか?

彼女が過労死する前に他国の王は彼女に声を掛けていた。

 この国に命をかける意味はあるのかと

彼女はこう言った........

「私は後世に伝えられるような偉大な王になりたいのです。私が過労死でもしたら.......この国は外国からの攻められるでしょう。そして植民地にでもなるのでしょうか?そしたら........私が居たから、この国は外国からの攻められる事がなかった。と後世に伝えられると思ったからです。」


他国の王は

「貴方は美しい。後世のために1回きりの命を無駄にするのか?」

彼女は

「1回きりのだからこそです。私は誰が覚えていたら、その人の記憶の中で永遠に生きていけると思っております」


他国の王は彼女の事が好きだった。しかし、華々しく散るのを見届けるのも悪くないと思った。

「そうですか......では貴女の日記に、他国の王から求婚されたが振ったと書いて下さい。貴女が後世に伝えられるのなら、日記も伝えられるでしょう?私は後世で素晴らしい女帝に求婚したが、振られた王として名を刻みたいです」

彼女は

「面白い王様だこと、分かりました。書いておきますね」

と言った。


その日の彼女の日記には変な王様に求婚されたが振ってやったと書かれていた。

彼女の日記は面白味が全くない内容だったが、その日だけは楽しそうな内容だった。

彼女の日記帳は30年用の日記帳だった。

最初は日記帳を毎日書くと言う意気込みだった。

最後の記録は最近寝不足でダルいと書いて合った。

彼女は自室の書斎で静かに死んでいた。彼女は気が散ると言い書斎には誰も入ってくるなと言っていた。
彼女は2日、3日ぐらい書斎に籠る事も良くあった。

4日過ぎて、部屋の食料が無くなっただろうと思い、メイドが叱られるのを覚悟で部屋に入ったら、血が通ってないように白い肌だった。死んでから2日はたっていたそうだ。


これは噂話を鵜呑みにするなと言う意味も込めて、大人達が自分の子供に語る様になり多くの国に広まった昔話
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