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パーティ当日
目覚めの悪い朝だった。昨夜はすぐに寝れず、睡眠時間が少なかったからだろう。
今日は夜に学内のパーティがあるのだが午前中は授業があるため、いくら眠くても学校に行く支度をするしか無かった。
もしかしたら、今日がこの部屋を使う最後の日になるかもしれない。
歴史上、偽聖女の末路は決まって悲惨なものだった。
魔女として処刑されたり、偽聖女を他国へ売ったり、平民ではなく奴隷として追い出されたり。
運良く平民としての暮らしを勝ち取っても、偽聖女というレッテルでは誰も雇ってくれるはずがなかった。
だから、今日の夜に私が本当の聖女ではなかった事を発表されるとどんな酷い扱いが待っているのだろうか。
学校卒業までは最低限は保証されるだろうが、その後をどうするかを考えなければならないし、婚約者にも謝罪をして婚約者の国との関係が悪くならないようにしなければならない。
「考えることが山積みだわ」
「おはようございます。今日のパーティで貴女と参加する事が楽しみでよく寝れませんでした」
通学路に立って明らかに私を待っていたであろう婚約者が話しかけてきた。
「あははっ、私もよく寝られませんでした」
貴方と婚約破棄をした後の事を考えると。とは言えないが
その後適当な世間話をしてお互いの教室に別れた。
「聖女様!おはようございます。昨日はよく寝れましたか?」
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて話しかけてきたのは教皇の息子だった。
「パーティに緊張してしまってよく寝れましたわ」
「それはそれは、聖女様は入学から居らっしゃるのに緊張したんですか。ディアナが緊張したと言うなら分かりますがね?」
嫌な人。私が今日、聖女では無いことを発表されるのを面白がっているのだろう。
「えー?もしかしてディアナの話してますー?」
どこから来たのか教皇の息子の横に張り付き、私を見て明らかに見下したディアナは笑いながら
「まあ、ディアナも今日のパーティが楽しみ過ぎてよく寝れなかったので一緒ですね!」
そう言うと周りにいた入学式で私を馬鹿にした、王宮騎士の息子と賢者がディアナを取り囲み睡眠不足を心配し、保健室に連れて行った。
授業はいつも通り進み、すぐに終わってしまった。
「聖女様、本当にこのドレスをお着るのですか?」
「えぇ、気合いを入れたいの」
「聖女様が良いなら良いのですが......」
今までの私ならば絶対に選ばなかった系統のドレスだったから、戸惑うのも無理もないだろう。
ドレスはすぐに着付けられ婚約者が私の部屋に呼びに来た。
「エレーヌ様、準備できましたか?」
「えぇ、行きましょうか」
婚約者も真実を知ったらディアナに擦り寄る様になるのだろうから私は1人、戦うことになるのだろう。
「お疲れな様子ですね。もし、何かお悩みなのでしたら私が力になれないでしょうか?」
「お気遣い、ありがとうございます」
「私は本当に貴女の力になりたいのです」
力になんてなれないのに
「もう、会場に着きますわよ」
お互い黙り、ドアを開け会場の中に入っていった。
会場には教皇の息子もディアナも居なかった。後から来るのだろうか。
「聖女様ー!!お久しぶりですわ!」
この国は聖なる力を多く持つ者を神聖視している人が多くいるため、こうやって話し掛けられることが多くある。
仲良くなれば祝福を授かることができるとでも考えている人もその内に多くいるだろうが。
そうやって話し掛けてきた人達と挨拶を交わしているとディアナと教皇の息子が会場に入ってきた。
目覚めの悪い朝だった。昨夜はすぐに寝れず、睡眠時間が少なかったからだろう。
今日は夜に学内のパーティがあるのだが午前中は授業があるため、いくら眠くても学校に行く支度をするしか無かった。
もしかしたら、今日がこの部屋を使う最後の日になるかもしれない。
歴史上、偽聖女の末路は決まって悲惨なものだった。
魔女として処刑されたり、偽聖女を他国へ売ったり、平民ではなく奴隷として追い出されたり。
運良く平民としての暮らしを勝ち取っても、偽聖女というレッテルでは誰も雇ってくれるはずがなかった。
だから、今日の夜に私が本当の聖女ではなかった事を発表されるとどんな酷い扱いが待っているのだろうか。
学校卒業までは最低限は保証されるだろうが、その後をどうするかを考えなければならないし、婚約者にも謝罪をして婚約者の国との関係が悪くならないようにしなければならない。
「考えることが山積みだわ」
「おはようございます。今日のパーティで貴女と参加する事が楽しみでよく寝れませんでした」
通学路に立って明らかに私を待っていたであろう婚約者が話しかけてきた。
「あははっ、私もよく寝られませんでした」
貴方と婚約破棄をした後の事を考えると。とは言えないが
その後適当な世間話をしてお互いの教室に別れた。
「聖女様!おはようございます。昨日はよく寝れましたか?」
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて話しかけてきたのは教皇の息子だった。
「パーティに緊張してしまってよく寝れましたわ」
「それはそれは、聖女様は入学から居らっしゃるのに緊張したんですか。ディアナが緊張したと言うなら分かりますがね?」
嫌な人。私が今日、聖女では無いことを発表されるのを面白がっているのだろう。
「えー?もしかしてディアナの話してますー?」
どこから来たのか教皇の息子の横に張り付き、私を見て明らかに見下したディアナは笑いながら
「まあ、ディアナも今日のパーティが楽しみ過ぎてよく寝れなかったので一緒ですね!」
そう言うと周りにいた入学式で私を馬鹿にした、王宮騎士の息子と賢者がディアナを取り囲み睡眠不足を心配し、保健室に連れて行った。
授業はいつも通り進み、すぐに終わってしまった。
「聖女様、本当にこのドレスをお着るのですか?」
「えぇ、気合いを入れたいの」
「聖女様が良いなら良いのですが......」
今までの私ならば絶対に選ばなかった系統のドレスだったから、戸惑うのも無理もないだろう。
ドレスはすぐに着付けられ婚約者が私の部屋に呼びに来た。
「エレーヌ様、準備できましたか?」
「えぇ、行きましょうか」
婚約者も真実を知ったらディアナに擦り寄る様になるのだろうから私は1人、戦うことになるのだろう。
「お疲れな様子ですね。もし、何かお悩みなのでしたら私が力になれないでしょうか?」
「お気遣い、ありがとうございます」
「私は本当に貴女の力になりたいのです」
力になんてなれないのに
「もう、会場に着きますわよ」
お互い黙り、ドアを開け会場の中に入っていった。
会場には教皇の息子もディアナも居なかった。後から来るのだろうか。
「聖女様ー!!お久しぶりですわ!」
この国は聖なる力を多く持つ者を神聖視している人が多くいるため、こうやって話し掛けられることが多くある。
仲良くなれば祝福を授かることができるとでも考えている人もその内に多くいるだろうが。
そうやって話し掛けてきた人達と挨拶を交わしているとディアナと教皇の息子が会場に入ってきた。
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