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パーティ前日
どうせパーティで私は偽聖女として断罪されるのは決定しているので諦めていつもなら絶対に着ないような派手なドレスを選び、大神官達には今までのお礼と学校を卒業したい事を伝ると、私が明日どんな事を言われても反論せず、新たな聖女が本当の聖女であることを認め、彼女に一切接触しない事を条件に認められた。
教皇と教皇の息子に挨拶をしようとしたが、新たな聖女のディアナと和気あいあいとお茶をしていたため辞めておいた。
その様子を見ていた大神官から彼女が教皇の息子と結婚する事を聞かされた。
「エレーヌ聖女、私は貴女をあの村から無理やり連れ出し、幼い貴女に無茶をさせました。そしてどちらが聖女かを決める儀式で私は貴女を聖女ではないと言いました。それが私の役目だったとは言え、申し訳ありませんでした」
大神官が頭を下げ、私に謝ってきた。罪悪感が合ったようだ。
「いえ、役目ですから。
聖女は国を守り、国の為に死ぬのが役目で大神官は神官達をまとめる。
聖女は神からの信託を受けて、地に降りたち、地を神の望む方向へと誘導するものと貴方は私に教えて下さりました。
しかし、私には歴代の聖女達のように神の声も聞こえなければ、人々を導くなどといった事が向いていなかった。
ですので魂からも聖女ではなかったのでしょう」
沈黙の後、大神官は
「それでも、私が最初から貴女をこの場所に連れてこなければこんな事にはならず、幸せだったのではないかと思ってしまいます」
「どうでしょう。あのまま草いじりをしていた私はただの村娘でしたが、今の私は元聖女になるんです。ですからこれからなんだって出来ますわ。元聖女なんて話題性は十分でしょうし。全く罪悪感なんて抱かないでください」
「わ、私は貴女にひとつ言わなかった事があります。聖女はどんなに危機的状況でも清い心を忘れないのです。貴女は聖女ではなかったと言われても清い心です。貴女は偽聖女ではありませんっ」
60歳を過ぎた大神官が涙を浮かべている姿を見て少し面白かったがすぐに背を向け、
「褒めても意味無いですよ」
ポツリと大神官の言葉に返事をした。
どうせパーティで私は偽聖女として断罪されるのは決定しているので諦めていつもなら絶対に着ないような派手なドレスを選び、大神官達には今までのお礼と学校を卒業したい事を伝ると、私が明日どんな事を言われても反論せず、新たな聖女が本当の聖女であることを認め、彼女に一切接触しない事を条件に認められた。
教皇と教皇の息子に挨拶をしようとしたが、新たな聖女のディアナと和気あいあいとお茶をしていたため辞めておいた。
その様子を見ていた大神官から彼女が教皇の息子と結婚する事を聞かされた。
「エレーヌ聖女、私は貴女をあの村から無理やり連れ出し、幼い貴女に無茶をさせました。そしてどちらが聖女かを決める儀式で私は貴女を聖女ではないと言いました。それが私の役目だったとは言え、申し訳ありませんでした」
大神官が頭を下げ、私に謝ってきた。罪悪感が合ったようだ。
「いえ、役目ですから。
聖女は国を守り、国の為に死ぬのが役目で大神官は神官達をまとめる。
聖女は神からの信託を受けて、地に降りたち、地を神の望む方向へと誘導するものと貴方は私に教えて下さりました。
しかし、私には歴代の聖女達のように神の声も聞こえなければ、人々を導くなどといった事が向いていなかった。
ですので魂からも聖女ではなかったのでしょう」
沈黙の後、大神官は
「それでも、私が最初から貴女をこの場所に連れてこなければこんな事にはならず、幸せだったのではないかと思ってしまいます」
「どうでしょう。あのまま草いじりをしていた私はただの村娘でしたが、今の私は元聖女になるんです。ですからこれからなんだって出来ますわ。元聖女なんて話題性は十分でしょうし。全く罪悪感なんて抱かないでください」
「わ、私は貴女にひとつ言わなかった事があります。聖女はどんなに危機的状況でも清い心を忘れないのです。貴女は聖女ではなかったと言われても清い心です。貴女は偽聖女ではありませんっ」
60歳を過ぎた大神官が涙を浮かべている姿を見て少し面白かったがすぐに背を向け、
「褒めても意味無いですよ」
ポツリと大神官の言葉に返事をした。
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