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8 興奮に溺れる男は

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 ハワードさんは口の周りの俺の汁と涎を拭いて、ベッドの横で棚を探っている。
「……ケレイブさんはそこで四つん這いになって待っててください」
「あ、ああ。貴方が望むなら」
 彼に従うよう俺は言われた通りの体制を取った。
 ここが彼のいつも寝ているベッドか。彼の生活圏で行われる不純な行為。意識すればするほど意識が揺らぐ。下半身がずっと重くて、息が整わない。

 必死に深呼吸をしていると、俺の下にハワードさんが入り込んだ。向き合った顔は真っ赤で色欲が滲んでいる。
 びっくりして心臓から聞いた事のない音がする。派手でうるさい音だ。
 目の前で好きな人が無防備な姿で寝転がっている。自分が
 無理に留めている理性が決壊してしまえば今すぐにでも彼を壊してしまいそうだった。
 だけど、大前提これは彼の実験だ。俺の自由でそれを崩したくない。


「……もう遅いかもですけど、もっと直接的なのになるので嫌だったら言ってください」
 彼が俺の下で器用に自分のズボンを剥く。ツヤツヤとしたお尻と滑やかな足が現れ、心臓が跳ねる。いつもの黒のパンツの下にはこんなにエロい体が隠されていたのか。許可が取れれば今すぐにでも上半身を剥く気が沸いた。

「ケレイブさんは動かないで」
 ベッドサイドから取り出したローションを手に脚を濡らした。

「ひぅっ……ん、」
 粘度のある液体が彼の足を伝う。

 彼がしたいことが分かってくる。素股だ。なぜ直接入れさせないのだろう。でも、それを追求する意識は保たない。

 震える手で脚をつかみ、間に硬くなった俺のペニスをねじ込む。
 先程よりも粘度のある五月蝿いほどの水音。
 ぬめりとした質感と脚による締め付けのある感触にずんとお腹が疼く。

「あぁ……ん、いや、う、」
 ぐちゅっ、ぐちゃぐちゃ。
 無意識に腰を前後に動かす。興奮で気づいてなかったが俺は纏めに手を抑えていたようだ。

 だんだんと彼の膝から力が抜けていく。

「あっ、んっ。はぁっ」
「は。ふっ……」
 押し付けるように抱き寄せた耳元から甘い吐息がする。
 なんて気持ちいい。目の前のハワードさんも興奮してる?
 可愛い、好き。なんでこんなことに?でも、気持ちいい。

「はぁっ、~っ……う」
 彼の身体と自分の身をさらにくっつけると同時に彼と自分から出た温かく白い液体が布団を汚す。
 そして残りを押し出すように複数回腰を動かし彼の足の間から俺のモノをズルリと抜いた。
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