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第十四話
万里眼
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コーコはカシマの後ろに付いて部屋へと入ってくると父カイガンの隣に座った。
「お待たせしました。」
「おぉコーコ!来たか来たか!お父さんコーコちゃんを待ってる間、昔話を酒の肴に盛り上がってしまって~、もう出来上がっちゃいましたーぁ!なんっつってぇ!」
「もう、お父さんったら酔っ払い過ぎよぉ‼︎お酒そんな強くないんだからぁ。これじゃまともにお話出来ないわね。」
コーコは呆れ顔で頬を膨らまし、少し怒っている。
「ごめんねぇ~コーコちゃん!
今日だけは特別なのよ!ねぇ、お願い‼︎こんなお父さんを許してちょーだい‼︎」
カイガンは両手を合わせて頭を下げ、酔っ払い口調で謝った。
「反省してる様には聞こえません!
お父さんは好きにしていて下さい!
それより、ドウゴさん、クウコウさん。先程は悪狐から我が家をお守りいただきありがとうございました!改めて深く御礼を申し上げます。」
コーコは正座で座っていた座布団からそのまますっと後ろに退くと座布団を右にずらして深く頭を下げた。
コーコの真剣なお礼の言葉にクウコウは驚いた表情をした。
「コーコちゃん、頭を上げておくれ。私たちは当然の任務を果たしたまで。その対象が友人なら尚のこと、守ってあげたいという気持ちは自然な事だからね。こちらこそありがとうね。」
コーコは頭を上げると目が涙で潤んでいた。
「お父さん、素敵なお友達を持って幸せだね。」
「ああ、そうとも!ドウくんはねぇ、わたしの最高の親友だからね!いつも助けられてばかり。さぁさぁ、湿っぽいのはもう抜きにして、ドウくん飲み直そうやぁ!」
カイガンは相変わらず酔っ払っている。
「あぁ、そうしよう。」
「それでは、悪狐退治成功を祝して乾杯!!」
「カンパーーイ!!」
みんなは一斉にグラスを高く上げて乾杯をした。
その時、外の方からうっすら「ワンワン!ワンワン!」と犬の鳴き声が聞こえてきた。
「タルトったら、さっきエサあげたばっかりなのに何吠えてるのかしら。」
カシマは、食事に手をつけようとしていた箸を置くと、「よっこいしょ!」とおもむろに立ち上がり、タルトの様子を見に行くと言って部屋を出て行った。
すると、中庭の方から砂利を踏む足音がこちらの部屋の方へと近づいて来るのが聞こえた。
クウコウは、人の気配を感じると、素早く中庭へ出られる引き戸の方に背中を付けると目を閉じて耳を澄ました。
「人の気配、誰かこちらに歩いて来ています。カイガンさん、この屋敷にはこの部屋にいる僕たち以外に他に誰かいますか?」
「いや、おらんはずだが。」
カイガンがそう言うと、賑やかだった宴の席はピリッとした緊張感が走り静まり返った。
するとその時「バンバン!バンバン!」と引き戸を外から叩く音がした。
「もしや、悪狐の敵討ちか?!」
「まさか、そんな!」
クウコウとドウゴはみんなに背を向けて引き戸の方を向いては注意深く凝視している。
「大丈夫です、もし悪狐の敵討ちだとしても、私たちが必ずお守りします!」
クウコウがそう言うと。
「あっしらも男だ!社長はお嬢さんをお願いします!」
「お、おう!よしきた!」
カイガンはコーコを、キスケはカシマを両腕で覆うように守っている。
「はは、心強いな。」
ドウゴは2人を見て言った。
すると引き戸が少しずつ開いていく。
クウコウとドウゴはいつでも戦える準備は整っている。
「そこにいるのは誰だ‼︎」
ドウゴは威嚇するように言った。
そして引き戸が完全に開くと目の前に現れたのはなんとソウコウだった。
「なんだ、お前だったのかぁ!」
クウコウは安心して胸を撫で下ろした。
「また悪狐が出たのかと思ったぞ!研究所の仕事はひと段落したのか?」
ドウゴはソウコウを見て笑顔で言った。
「驚かせてすみません。丁度腹が減っていた所、こちらで宴会をしているのが視えたので、とっとと仕事は終わらせて来ました。」
「そうかそうか、ご苦労だったな。さぁさぁ、上がりなさい。
あぁ、カイくん、紹介するよ。ウチの次男のソウコウだ。一緒にいいだろ?」
「おお!君がソウコウくんかぁ!勿論だとも!お父さんから話には聞いているよ!悪狐の第2の胃袋から異空間を発見して時空間移動を可能にしたという天才科学者だとねぇ。普段は研究室に缶詰めだそうじゃないか。ほらほら、中に入って一緒に宴にしようじゃないか。」
「ソウコウ、仕事中に万里眼で見て来たのか?」
「ええ。本当は一緒にお供するはずだったのですが、どうしても手が離せない仕事があって。それで、気になって万里眼で様子を見ていました。無事に悪狐退治が出来たようで良かったです。ご苦労様でした。」
「ちょっと良いかな。さっきから『バンリガン』って聞いたことないんだけど、一体なんのことだい?」
カイガンは不思議そうに聞いた。
「あっ、父上。これって話して良かったでしたっけ?」
クウコウはドウゴに聞いた。
「かまわんかまわん。カイ君に隠し事は出来まいて。」
酔っ払っているドウゴは手を振って応えた。
「分かりました。本当は一族以外は口外禁止されているのですが、カイガンさんには特別にお話しします。
話せば長いのですが、簡潔にお話しすると、実は父上ドウゴと弟ソウコウは四国中央山にて仙獣・麒麟より、四神獣である陰陽神の力を与えられています。
その内の伊予ノ国の守護神である陰陽神・白虎の氷結の力と白虎の名前である万里からも推測出来るように、白虎は万里の果てまで見ることができるのですが、ソウコウはその氷結の力と万里眼の力を授かっているんです。」
「なんと!驚いた!そういう事だったのか!じゃあドウ君の授かった力はなんなんだ?」
「私の授かった力は、白虎の妹の紅虎の力なんだ。」
「白虎の妹だって?白虎に妹がいたのか?初耳だなぁ。」
「ああそうだろうね。これも口外禁止だからねぇ。で、その紅虎は灼熱の力と千里眼を使う。私はその力を授かっている。カイ君、この話は本当に誰にも話しちゃいかんよ。ここだけの話にしてくれよ。」
「ああ!もちろんだとも!もちろん!ここだけの話だ!」
「ありがとう。」
ドウゴは軽く頭を下げてお辞儀をした。
「さーさ。宴の続きだ!ソウコウ君も飲んで飲んで!」
「すみません。僕お酒は飲めなくて。アルコールがちょっと。」
「なーんだー。そんだったかぁ!すまんすまん!じゃぁお茶かジュースが良いかな?」
「はい、お茶で結構です。ありがとうございます。」
「カシマさーん!ソウコウ君にお茶をお持ちしてぇ!」
「はい、ご用意してあります。」
「はすがだねぇ、カシマさん。」
カシマはソウコウに急須から熱いお茶を湯飲みに注いだ。
「あ、たびたびすみません。僕猫舌なもので。先に言っておけば良かったですね。」
「あー!ごめんなさいごめんなさい!冷たいお茶をお持ちいたしますね!」
「あっ!カシマさん!大丈夫です!」
「えっ!?大丈夫とは?」
するとソウコウは熱いお茶の入った湯飲みに両手を添えると、上からフーッと息を吹いた。
そしてそのまま湯飲みを持って口に近づけるとゴクゴクと飲み干した。
「えっ!?ソウコウさん猫舌のはずじゃ?」
「はい、なので冷ましました。」
「すごーい!!一瞬でしたよ!今の!すごい能力があるもんですね!」
カシマは目の前で起きた出来事に大変驚いた様子。
「すごいですね!ソウコウさん!とても便利!」
一部始終を見ていたコーコがソウコウのそばに寄って来て話しかけた。
「初めまして。おじゃましています。」
「はじめまして、コーコと申します。改めてこの度はありがとうございました!」
するとソウコウはコーコの顔をまばたきもせずに見た目まま動かないでいた。
「ソウコウさん?私の顔に何か付いてます?」
「あー!いや、ごめんなさい!ついコーコさんの美しさに見とれてしまって。」
「そんなぁ!ソウコウさんったらお上手な方ですねぇ!」
「本当にそう思いました。」
「あ、ありがとうございます。」
コーコは少し頬を赤らめ、照れ笑いをしている。
「ソウコウ!ちょっとこっちに。」
コーコとのやりとりを見ていたらクウコウはどこか不機嫌そうにソウコウを呼んだ。
「いいか、コーコさんは俺に気があるんだ。余計な邪魔するんじゃないぞ!分かったな!」
クウコウは小声でソウコウに注意した。
「はい、分かりました。」
ソウコウは寂しそうな表情を浮かべた。
宴は夜遅くまで催され、酒に酔ったカイガンとドウゴはそのまま眠りについていた。
そしてクウコウはコーコを庭の縁側に呼び出していた。
「お待たせしました。」
「おぉコーコ!来たか来たか!お父さんコーコちゃんを待ってる間、昔話を酒の肴に盛り上がってしまって~、もう出来上がっちゃいましたーぁ!なんっつってぇ!」
「もう、お父さんったら酔っ払い過ぎよぉ‼︎お酒そんな強くないんだからぁ。これじゃまともにお話出来ないわね。」
コーコは呆れ顔で頬を膨らまし、少し怒っている。
「ごめんねぇ~コーコちゃん!
今日だけは特別なのよ!ねぇ、お願い‼︎こんなお父さんを許してちょーだい‼︎」
カイガンは両手を合わせて頭を下げ、酔っ払い口調で謝った。
「反省してる様には聞こえません!
お父さんは好きにしていて下さい!
それより、ドウゴさん、クウコウさん。先程は悪狐から我が家をお守りいただきありがとうございました!改めて深く御礼を申し上げます。」
コーコは正座で座っていた座布団からそのまますっと後ろに退くと座布団を右にずらして深く頭を下げた。
コーコの真剣なお礼の言葉にクウコウは驚いた表情をした。
「コーコちゃん、頭を上げておくれ。私たちは当然の任務を果たしたまで。その対象が友人なら尚のこと、守ってあげたいという気持ちは自然な事だからね。こちらこそありがとうね。」
コーコは頭を上げると目が涙で潤んでいた。
「お父さん、素敵なお友達を持って幸せだね。」
「ああ、そうとも!ドウくんはねぇ、わたしの最高の親友だからね!いつも助けられてばかり。さぁさぁ、湿っぽいのはもう抜きにして、ドウくん飲み直そうやぁ!」
カイガンは相変わらず酔っ払っている。
「あぁ、そうしよう。」
「それでは、悪狐退治成功を祝して乾杯!!」
「カンパーーイ!!」
みんなは一斉にグラスを高く上げて乾杯をした。
その時、外の方からうっすら「ワンワン!ワンワン!」と犬の鳴き声が聞こえてきた。
「タルトったら、さっきエサあげたばっかりなのに何吠えてるのかしら。」
カシマは、食事に手をつけようとしていた箸を置くと、「よっこいしょ!」とおもむろに立ち上がり、タルトの様子を見に行くと言って部屋を出て行った。
すると、中庭の方から砂利を踏む足音がこちらの部屋の方へと近づいて来るのが聞こえた。
クウコウは、人の気配を感じると、素早く中庭へ出られる引き戸の方に背中を付けると目を閉じて耳を澄ました。
「人の気配、誰かこちらに歩いて来ています。カイガンさん、この屋敷にはこの部屋にいる僕たち以外に他に誰かいますか?」
「いや、おらんはずだが。」
カイガンがそう言うと、賑やかだった宴の席はピリッとした緊張感が走り静まり返った。
するとその時「バンバン!バンバン!」と引き戸を外から叩く音がした。
「もしや、悪狐の敵討ちか?!」
「まさか、そんな!」
クウコウとドウゴはみんなに背を向けて引き戸の方を向いては注意深く凝視している。
「大丈夫です、もし悪狐の敵討ちだとしても、私たちが必ずお守りします!」
クウコウがそう言うと。
「あっしらも男だ!社長はお嬢さんをお願いします!」
「お、おう!よしきた!」
カイガンはコーコを、キスケはカシマを両腕で覆うように守っている。
「はは、心強いな。」
ドウゴは2人を見て言った。
すると引き戸が少しずつ開いていく。
クウコウとドウゴはいつでも戦える準備は整っている。
「そこにいるのは誰だ‼︎」
ドウゴは威嚇するように言った。
そして引き戸が完全に開くと目の前に現れたのはなんとソウコウだった。
「なんだ、お前だったのかぁ!」
クウコウは安心して胸を撫で下ろした。
「また悪狐が出たのかと思ったぞ!研究所の仕事はひと段落したのか?」
ドウゴはソウコウを見て笑顔で言った。
「驚かせてすみません。丁度腹が減っていた所、こちらで宴会をしているのが視えたので、とっとと仕事は終わらせて来ました。」
「そうかそうか、ご苦労だったな。さぁさぁ、上がりなさい。
あぁ、カイくん、紹介するよ。ウチの次男のソウコウだ。一緒にいいだろ?」
「おお!君がソウコウくんかぁ!勿論だとも!お父さんから話には聞いているよ!悪狐の第2の胃袋から異空間を発見して時空間移動を可能にしたという天才科学者だとねぇ。普段は研究室に缶詰めだそうじゃないか。ほらほら、中に入って一緒に宴にしようじゃないか。」
「ソウコウ、仕事中に万里眼で見て来たのか?」
「ええ。本当は一緒にお供するはずだったのですが、どうしても手が離せない仕事があって。それで、気になって万里眼で様子を見ていました。無事に悪狐退治が出来たようで良かったです。ご苦労様でした。」
「ちょっと良いかな。さっきから『バンリガン』って聞いたことないんだけど、一体なんのことだい?」
カイガンは不思議そうに聞いた。
「あっ、父上。これって話して良かったでしたっけ?」
クウコウはドウゴに聞いた。
「かまわんかまわん。カイ君に隠し事は出来まいて。」
酔っ払っているドウゴは手を振って応えた。
「分かりました。本当は一族以外は口外禁止されているのですが、カイガンさんには特別にお話しします。
話せば長いのですが、簡潔にお話しすると、実は父上ドウゴと弟ソウコウは四国中央山にて仙獣・麒麟より、四神獣である陰陽神の力を与えられています。
その内の伊予ノ国の守護神である陰陽神・白虎の氷結の力と白虎の名前である万里からも推測出来るように、白虎は万里の果てまで見ることができるのですが、ソウコウはその氷結の力と万里眼の力を授かっているんです。」
「なんと!驚いた!そういう事だったのか!じゃあドウ君の授かった力はなんなんだ?」
「私の授かった力は、白虎の妹の紅虎の力なんだ。」
「白虎の妹だって?白虎に妹がいたのか?初耳だなぁ。」
「ああそうだろうね。これも口外禁止だからねぇ。で、その紅虎は灼熱の力と千里眼を使う。私はその力を授かっている。カイ君、この話は本当に誰にも話しちゃいかんよ。ここだけの話にしてくれよ。」
「ああ!もちろんだとも!もちろん!ここだけの話だ!」
「ありがとう。」
ドウゴは軽く頭を下げてお辞儀をした。
「さーさ。宴の続きだ!ソウコウ君も飲んで飲んで!」
「すみません。僕お酒は飲めなくて。アルコールがちょっと。」
「なーんだー。そんだったかぁ!すまんすまん!じゃぁお茶かジュースが良いかな?」
「はい、お茶で結構です。ありがとうございます。」
「カシマさーん!ソウコウ君にお茶をお持ちしてぇ!」
「はい、ご用意してあります。」
「はすがだねぇ、カシマさん。」
カシマはソウコウに急須から熱いお茶を湯飲みに注いだ。
「あ、たびたびすみません。僕猫舌なもので。先に言っておけば良かったですね。」
「あー!ごめんなさいごめんなさい!冷たいお茶をお持ちいたしますね!」
「あっ!カシマさん!大丈夫です!」
「えっ!?大丈夫とは?」
するとソウコウは熱いお茶の入った湯飲みに両手を添えると、上からフーッと息を吹いた。
そしてそのまま湯飲みを持って口に近づけるとゴクゴクと飲み干した。
「えっ!?ソウコウさん猫舌のはずじゃ?」
「はい、なので冷ましました。」
「すごーい!!一瞬でしたよ!今の!すごい能力があるもんですね!」
カシマは目の前で起きた出来事に大変驚いた様子。
「すごいですね!ソウコウさん!とても便利!」
一部始終を見ていたコーコがソウコウのそばに寄って来て話しかけた。
「初めまして。おじゃましています。」
「はじめまして、コーコと申します。改めてこの度はありがとうございました!」
するとソウコウはコーコの顔をまばたきもせずに見た目まま動かないでいた。
「ソウコウさん?私の顔に何か付いてます?」
「あー!いや、ごめんなさい!ついコーコさんの美しさに見とれてしまって。」
「そんなぁ!ソウコウさんったらお上手な方ですねぇ!」
「本当にそう思いました。」
「あ、ありがとうございます。」
コーコは少し頬を赤らめ、照れ笑いをしている。
「ソウコウ!ちょっとこっちに。」
コーコとのやりとりを見ていたらクウコウはどこか不機嫌そうにソウコウを呼んだ。
「いいか、コーコさんは俺に気があるんだ。余計な邪魔するんじゃないぞ!分かったな!」
クウコウは小声でソウコウに注意した。
「はい、分かりました。」
ソウコウは寂しそうな表情を浮かべた。
宴は夜遅くまで催され、酒に酔ったカイガンとドウゴはそのまま眠りについていた。
そしてクウコウはコーコを庭の縁側に呼び出していた。
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