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第十六話
出口
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ジョーの時空間移動術により、ジョーの叔父であるソウコウがいるという『風穴』という場所へと向かうため、その風穴へと繋がるトンネルの様な穴の中へと足を踏み入れたポンとりり達は、暗いそのトンネルの中を目を光らせて進んでいた。
「なんだかこの中、不気味なんだにゃ。しかも足元がブニュブニュしてて歩きにくいにゃ。」りりがぎこちなく歩きながら言った。
「あははは!そうだよね、なにせこのトンネルは悪狐の胃の中だからね。」ジョーは笑いながらりりに言った。
「胃の中っていうのがまた不気味だにゃ。まるでオイラ達が食べられたみたいで。」りりは渋い顔で言った。
「胃の中を歩くって面白いね!なんかこれピョンピョン跳ねると飛べそうだよ?」ポンは狭いトンネルの中を無邪気にピョンピョンとトランポリンの様に飛び跳ねている。
「あわわわ!こらこらポン!余計に揺れて歩きにくいからやめるにゃ!」
「あっ、ごめんごめん。」
ポンは飛び跳ねるのをやめて素直に謝った。
「分かればいいにゃ。」
「まだまだ子供だね。」
ジョーがポンに言うと
「ポンくんって本当可愛いわね。」
ヨーコがポンに言った。
するとポンは「てへへっ!」と舌を出して笑った。
「出たにゃ!これをやると誰もが可愛くて許したくなるというポンお得意のテヘペロ戦法!」
「何?そのテヘペロ戦法って!」
ジョーがりりに聞いた。
「ポンの得意技ですにゃ!何でもこれをやればその場が和んで、やり過ごす事ができると思ってるんだにゃ!ポンが朝寝坊した時に怒ったらオイラ何回も食らって許してしまう最強の技なんだにゃ。」
「きっとそれはポンくんの月の癒しの力だね。生まれ持って天から授かった力だよ。すでに発揮してるなんて凄いなぁ。」ジョーはポンに関心している。
「太陽のりりと月のポン。陰と陽の関係のふたりにはまたお寺に戻ったら変化の術の練習をしましょうね。」ヨーコはポンとりりに笑顔で言った。
すると突然ポンの耳に誰かの声が聞こえてきた。
『動物が2匹・・・。それを守護する神が二柱・・・折紙憑きか。・・・1人はジョーだね。』
謎の声はこちらの状況が見えている様だ。
「もしかして、この声はソウコウ叔父さんですか?」
『そうだよ。久しぶりだね、ジョー。』
「道が繋がったから分かったんですね?」
『あぁ、だから万里眼で偵察しにきたよ。』
「それなら話が早いです。もうすぐで着きます!待ってて下さい!」
『分かった。楽しみに待ってるよ。』
すると声は聞こえなくなった。
なんと声の主はソウコウだった。どうやらポンとジョーだけにその声は聞こえていたようだ。
「どうしたんだにゃ?さっきからふたりて喋って。」りりは不思議そうな顔で聞いた。
「なんか知らない人の声が聞こえた。」
ポンが言うと
「あの声の主はソウコウ叔父さんだよ。僕らが向かっている事に気付いて話しかけてくれたんだ。きっと術者の僕の代わりにポンの体を借りてこの時空間移動術を使ってるから、連動してポンにもソウコウ叔父さんの念話の声が聞こえたんだね。」
「念話って、あの時ヨーコさんの声がオイラに聞こえたやつだにゃ。」
「そう、私が神格化したばかりの時ね。」
「すごーい!ぽくもはじめて念話が聞けた!」ポンは無邪気に喜んでいる。
「ソウコウ叔父さんがいる風穴という場所は凰蓮寺からだいぶ距離があるんだけどこの時空間移動術を使うと1時間かかる場所だと10分で行く事ができるんだ。」
「そんなに時間が短縮出来るなんて便利だにゃ!」
「僕たち陰陽導師はこれを使って依頼者の元に向かっていたんだけど、もう陰陽導師自体がいなくなったから今この術を生きて使えるのはソウコウ叔父さんだけなんだ。」
「そうなんですがにゃ~。でもジョーさんがいれば今みたいにポンにもこの術が使えるにゃ!」
「そうだね!だから僕がいなくてもポンにはこの術が使えるようになってもらいたいと思ってるんだ。ね?ポン。」
「はい!ぽくも使えるようになりたいです!でもその前にヨーコさんから人に化ける変化の術をちゃんと使えるようにならなくちゃ!」
「そうだにゃ!オイラも変化の術使えるようになりたいにゃ!ポン、頑張ろうにゃ!」
「うん!」
そうこうしていると、目の前に光が差して来た。どうやら出口が近づいてきた。
「さぁ、そろそろ到着だよ、風穴に。」
「なんだかこの中、不気味なんだにゃ。しかも足元がブニュブニュしてて歩きにくいにゃ。」りりがぎこちなく歩きながら言った。
「あははは!そうだよね、なにせこのトンネルは悪狐の胃の中だからね。」ジョーは笑いながらりりに言った。
「胃の中っていうのがまた不気味だにゃ。まるでオイラ達が食べられたみたいで。」りりは渋い顔で言った。
「胃の中を歩くって面白いね!なんかこれピョンピョン跳ねると飛べそうだよ?」ポンは狭いトンネルの中を無邪気にピョンピョンとトランポリンの様に飛び跳ねている。
「あわわわ!こらこらポン!余計に揺れて歩きにくいからやめるにゃ!」
「あっ、ごめんごめん。」
ポンは飛び跳ねるのをやめて素直に謝った。
「分かればいいにゃ。」
「まだまだ子供だね。」
ジョーがポンに言うと
「ポンくんって本当可愛いわね。」
ヨーコがポンに言った。
するとポンは「てへへっ!」と舌を出して笑った。
「出たにゃ!これをやると誰もが可愛くて許したくなるというポンお得意のテヘペロ戦法!」
「何?そのテヘペロ戦法って!」
ジョーがりりに聞いた。
「ポンの得意技ですにゃ!何でもこれをやればその場が和んで、やり過ごす事ができると思ってるんだにゃ!ポンが朝寝坊した時に怒ったらオイラ何回も食らって許してしまう最強の技なんだにゃ。」
「きっとそれはポンくんの月の癒しの力だね。生まれ持って天から授かった力だよ。すでに発揮してるなんて凄いなぁ。」ジョーはポンに関心している。
「太陽のりりと月のポン。陰と陽の関係のふたりにはまたお寺に戻ったら変化の術の練習をしましょうね。」ヨーコはポンとりりに笑顔で言った。
すると突然ポンの耳に誰かの声が聞こえてきた。
『動物が2匹・・・。それを守護する神が二柱・・・折紙憑きか。・・・1人はジョーだね。』
謎の声はこちらの状況が見えている様だ。
「もしかして、この声はソウコウ叔父さんですか?」
『そうだよ。久しぶりだね、ジョー。』
「道が繋がったから分かったんですね?」
『あぁ、だから万里眼で偵察しにきたよ。』
「それなら話が早いです。もうすぐで着きます!待ってて下さい!」
『分かった。楽しみに待ってるよ。』
すると声は聞こえなくなった。
なんと声の主はソウコウだった。どうやらポンとジョーだけにその声は聞こえていたようだ。
「どうしたんだにゃ?さっきからふたりて喋って。」りりは不思議そうな顔で聞いた。
「なんか知らない人の声が聞こえた。」
ポンが言うと
「あの声の主はソウコウ叔父さんだよ。僕らが向かっている事に気付いて話しかけてくれたんだ。きっと術者の僕の代わりにポンの体を借りてこの時空間移動術を使ってるから、連動してポンにもソウコウ叔父さんの念話の声が聞こえたんだね。」
「念話って、あの時ヨーコさんの声がオイラに聞こえたやつだにゃ。」
「そう、私が神格化したばかりの時ね。」
「すごーい!ぽくもはじめて念話が聞けた!」ポンは無邪気に喜んでいる。
「ソウコウ叔父さんがいる風穴という場所は凰蓮寺からだいぶ距離があるんだけどこの時空間移動術を使うと1時間かかる場所だと10分で行く事ができるんだ。」
「そんなに時間が短縮出来るなんて便利だにゃ!」
「僕たち陰陽導師はこれを使って依頼者の元に向かっていたんだけど、もう陰陽導師自体がいなくなったから今この術を生きて使えるのはソウコウ叔父さんだけなんだ。」
「そうなんですがにゃ~。でもジョーさんがいれば今みたいにポンにもこの術が使えるにゃ!」
「そうだね!だから僕がいなくてもポンにはこの術が使えるようになってもらいたいと思ってるんだ。ね?ポン。」
「はい!ぽくも使えるようになりたいです!でもその前にヨーコさんから人に化ける変化の術をちゃんと使えるようにならなくちゃ!」
「そうだにゃ!オイラも変化の術使えるようになりたいにゃ!ポン、頑張ろうにゃ!」
「うん!」
そうこうしていると、目の前に光が差して来た。どうやら出口が近づいてきた。
「さぁ、そろそろ到着だよ、風穴に。」
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