15 / 19
第14話
イメージングの転写
しおりを挟む
勝利の驚異的な感覚的センスと互いに持つ魔手と魔書の連携により、見事に「イメージングの共有」を無事にクリアした2人にピーシュは次の課題を提示する。
「カツ殿、香音さん、お見事でした。互いにイメージの波長も抜群に合っていましたよ。それとどうやらおふたりの相性はとても良いようですね。」
「えっ!?俺と香音ちゃんの相性って良いの??やった!」
「えっ?そうなんですかぁ?意外ですねぇ。」
「おいおい香音ちゃ~ん。意外ってどーゆーことー?」
「あはははは!やはり馬が合っていますね!おふたりはお似合いのカップルですよ。」
「ピーシュさんったらやめて下さい!私と先輩はそんなんじゃありませんから!私はただ・・・。」
香音は言葉を詰まらせた。
「香音ちゃん・・・。」
「私はただ、先輩の力になれたら、先輩が喜んでくれたらって、それだけなんです。」
「香音ちゃん・・・俺のために・・・。ありがとう。」
勝利は瞳をウルウルと潤ませながら言った。
「いつも仕事で助けて貰ってますからね。困った時はお互い様ですよ。だからまた私が困った時はお願いしますね!」
「うん、もちろん!」
「どうぞ、これ使って下さい。」
香音は勝利にハンカチを手渡した。
勝利は受け取ったハンカチで涙を拭った。
「先輩って涙もろいんですね?意外でした。」
「いや~。最近涙もろくてさぁ。すぐ感情入っちゃうんだよね。歳だね。」
「歳ってまだ若いのに~。私と1歳違うだけですよね?」
「実はね。俺、年齢を5歳サバ読んでたんだ。」
「えっ?そうだったんですか?!」
「・・・・。」
勝利は一瞬黙った。
「うっそぴよよよよ~~ん!」
「えっ??」
「ドッキリ大成功~‼︎」
「ヒド~イ‼︎一瞬本当に信じちゃったじゃないですか~!」
「ごめんごめん!なんかしんみりしちゃったから空気を変えようと思って。」
「もう!先輩ったら!」
「やはり相性が良いですねぇ。」
「もう、ピーシュさんもからかってるし~。」
香音は頬を膨らませて言った。
「いやいや、本当の事ですよ。とても頬笑ましい。」
「そうだよ、相性が良いのは良い事なんだから。仲良くやろうよ!」
「まぁ、それはそうなんですが・・・ですね!楽しくいきましょう!」
「おっ!良いねぇ!そうこなくっちゃ!」
「それよりピーシュさん、次は何をすれば良いの?」
「イメージングの共有ができたので、次は『イメージの転写』というのをマスターします。」
「へぇ~、『共有』の次は『転写』かぁ。一体どうやれば良いんだ?」
「これらは初歩中の初歩ですし、勝殿ならこの『転写』も難なくマスターできるでしょうね。」
「ヘェ~!そうなんだぁ。で、その『転写』ってのはどうやれば良いの?」
「まずはイメージしたものを具現化しないように意識をします。」
「分かった!とりあえずやってみるよ。」
勝利はまずは何かを強くイメージをした。
そして手からそのイメージしたモノが出現しないように意識をした。
「おっ?手から出てこない!うまくいったんじゃない?コレ!」
「素晴らしい!それではそのままその両手を香音さんの両手に上から添えるように置いて下さい。」
2人は言われた通り両手を合わせた。
「カツ殿はそのままイメージをキープしつつ、香音さんは魔書をイメージして下さい。」
「おう!」
「はい、分かりました。」
すると香の両手からページが開かれた魔書が現れた。2人の両手は魔書をサンドイッチのように挟んだ状態になっている。
「さぁ、ではここでカツ殿はキープしていたイメージを解放してみて下さい。」
「よし来た!行くぜ!イメージ解放っと‼︎」
すると魔書は一瞬だけ柔らかい明るさに発光した。
「はい、完了です。カツ殿、両手を離して魔書を見てみて下さい。」
言われた通り魔書のページを見てみると、そこにはハサミが印刷さていた。
「おお~~‼︎やったぜ!ピーちゃんこれって成功だよな?なっ!?」
「成功どころではありません。」
「えっ?」
「大成功です‼︎」
「うおっしゃーーーー‼︎やったね!香音ちゃん!香音ちゃんがちゃんとやってくれたから、ありがとう!」
「良かったですね!先輩!一発で成功って凄いですよ!」
「これはカツ殿の持って生まれたセンスの賜物でしょう。」
「やっぱり?いや~、俺って天才じゃんね?」
「先輩!ちょっと褒めたらこれなんだからから~、調子に乗らないで下さい!」
「ごめんなちゃい!」
「これで無事イメージングの基本は大丈夫ですね!」
「でもイメージをキープすんのって意外とムズいのね!たぶん慣れれば何とかコントロール出来そう。」
「そう、練習あるのみですね。」
「私も魔書を両手にイメージしたら出すことが出来たわ。私ももっと練習しなくちゃ。」
「お2人の向上心は素晴らしいですね。その向上心を誰かさん分けて欲しいものです。」
「ピーちゃん、誰かさんって誰のこと?」
「それは当然、マック坊ちゃんの事ですよ。魔手を人間界に落としてしまった張本人ですからねぇ、まったく。」
「執事のピーちゃんも大変なんだね。」
「はははは。もう慣れちゃいましたけどね。」
「『習うより慣れろ』って見習いの時、先輩から言われたの思い出した。」
「それ、その通りだと思います。見て習うのが見習いですが、結局は慣れた方が早く身につくんですよね。」
「流石ピーちゃん!元美容師‼︎」
「ありがとうございます。あっそうでした‼︎そろそろマック坊ちゃんもこちらに来られるハズです。ご主人様から勝手に人間界に行った事でこっぴどく怒られた後に。」
「マジで?!マッくんかわいそう!」
「この国のルールだから私たちは何も言えないけど、マックくんにしてあげる事と言ったら、あとで慰めてあげる事しか出来ないなぁ。」
「香音ちゃん優しいな~。マッくんが羨ましいーー‼︎」
すると扉が開く音がした。
そこへ顔を見せたのはマックだった。
「カツ殿、香音さん、お見事でした。互いにイメージの波長も抜群に合っていましたよ。それとどうやらおふたりの相性はとても良いようですね。」
「えっ!?俺と香音ちゃんの相性って良いの??やった!」
「えっ?そうなんですかぁ?意外ですねぇ。」
「おいおい香音ちゃ~ん。意外ってどーゆーことー?」
「あはははは!やはり馬が合っていますね!おふたりはお似合いのカップルですよ。」
「ピーシュさんったらやめて下さい!私と先輩はそんなんじゃありませんから!私はただ・・・。」
香音は言葉を詰まらせた。
「香音ちゃん・・・。」
「私はただ、先輩の力になれたら、先輩が喜んでくれたらって、それだけなんです。」
「香音ちゃん・・・俺のために・・・。ありがとう。」
勝利は瞳をウルウルと潤ませながら言った。
「いつも仕事で助けて貰ってますからね。困った時はお互い様ですよ。だからまた私が困った時はお願いしますね!」
「うん、もちろん!」
「どうぞ、これ使って下さい。」
香音は勝利にハンカチを手渡した。
勝利は受け取ったハンカチで涙を拭った。
「先輩って涙もろいんですね?意外でした。」
「いや~。最近涙もろくてさぁ。すぐ感情入っちゃうんだよね。歳だね。」
「歳ってまだ若いのに~。私と1歳違うだけですよね?」
「実はね。俺、年齢を5歳サバ読んでたんだ。」
「えっ?そうだったんですか?!」
「・・・・。」
勝利は一瞬黙った。
「うっそぴよよよよ~~ん!」
「えっ??」
「ドッキリ大成功~‼︎」
「ヒド~イ‼︎一瞬本当に信じちゃったじゃないですか~!」
「ごめんごめん!なんかしんみりしちゃったから空気を変えようと思って。」
「もう!先輩ったら!」
「やはり相性が良いですねぇ。」
「もう、ピーシュさんもからかってるし~。」
香音は頬を膨らませて言った。
「いやいや、本当の事ですよ。とても頬笑ましい。」
「そうだよ、相性が良いのは良い事なんだから。仲良くやろうよ!」
「まぁ、それはそうなんですが・・・ですね!楽しくいきましょう!」
「おっ!良いねぇ!そうこなくっちゃ!」
「それよりピーシュさん、次は何をすれば良いの?」
「イメージングの共有ができたので、次は『イメージの転写』というのをマスターします。」
「へぇ~、『共有』の次は『転写』かぁ。一体どうやれば良いんだ?」
「これらは初歩中の初歩ですし、勝殿ならこの『転写』も難なくマスターできるでしょうね。」
「ヘェ~!そうなんだぁ。で、その『転写』ってのはどうやれば良いの?」
「まずはイメージしたものを具現化しないように意識をします。」
「分かった!とりあえずやってみるよ。」
勝利はまずは何かを強くイメージをした。
そして手からそのイメージしたモノが出現しないように意識をした。
「おっ?手から出てこない!うまくいったんじゃない?コレ!」
「素晴らしい!それではそのままその両手を香音さんの両手に上から添えるように置いて下さい。」
2人は言われた通り両手を合わせた。
「カツ殿はそのままイメージをキープしつつ、香音さんは魔書をイメージして下さい。」
「おう!」
「はい、分かりました。」
すると香の両手からページが開かれた魔書が現れた。2人の両手は魔書をサンドイッチのように挟んだ状態になっている。
「さぁ、ではここでカツ殿はキープしていたイメージを解放してみて下さい。」
「よし来た!行くぜ!イメージ解放っと‼︎」
すると魔書は一瞬だけ柔らかい明るさに発光した。
「はい、完了です。カツ殿、両手を離して魔書を見てみて下さい。」
言われた通り魔書のページを見てみると、そこにはハサミが印刷さていた。
「おお~~‼︎やったぜ!ピーちゃんこれって成功だよな?なっ!?」
「成功どころではありません。」
「えっ?」
「大成功です‼︎」
「うおっしゃーーーー‼︎やったね!香音ちゃん!香音ちゃんがちゃんとやってくれたから、ありがとう!」
「良かったですね!先輩!一発で成功って凄いですよ!」
「これはカツ殿の持って生まれたセンスの賜物でしょう。」
「やっぱり?いや~、俺って天才じゃんね?」
「先輩!ちょっと褒めたらこれなんだからから~、調子に乗らないで下さい!」
「ごめんなちゃい!」
「これで無事イメージングの基本は大丈夫ですね!」
「でもイメージをキープすんのって意外とムズいのね!たぶん慣れれば何とかコントロール出来そう。」
「そう、練習あるのみですね。」
「私も魔書を両手にイメージしたら出すことが出来たわ。私ももっと練習しなくちゃ。」
「お2人の向上心は素晴らしいですね。その向上心を誰かさん分けて欲しいものです。」
「ピーちゃん、誰かさんって誰のこと?」
「それは当然、マック坊ちゃんの事ですよ。魔手を人間界に落としてしまった張本人ですからねぇ、まったく。」
「執事のピーちゃんも大変なんだね。」
「はははは。もう慣れちゃいましたけどね。」
「『習うより慣れろ』って見習いの時、先輩から言われたの思い出した。」
「それ、その通りだと思います。見て習うのが見習いですが、結局は慣れた方が早く身につくんですよね。」
「流石ピーちゃん!元美容師‼︎」
「ありがとうございます。あっそうでした‼︎そろそろマック坊ちゃんもこちらに来られるハズです。ご主人様から勝手に人間界に行った事でこっぴどく怒られた後に。」
「マジで?!マッくんかわいそう!」
「この国のルールだから私たちは何も言えないけど、マックくんにしてあげる事と言ったら、あとで慰めてあげる事しか出来ないなぁ。」
「香音ちゃん優しいな~。マッくんが羨ましいーー‼︎」
すると扉が開く音がした。
そこへ顔を見せたのはマックだった。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる