社畜から転生したらゆるゆるの婚活アドバイザーとして就職決まりましたが

はなまる

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プロローグ 変な夢見ました

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 「緊張してるのか?大丈夫だ。俺もだ。でも安心しろお前が嫌がることはしない」

 信じられないほどの美しい紫色の瞳を持った男がすぐ横で立ったままプリムローズを射すくめた。

 プリムローズはそれだけで怯えてしまう。

 だって彼はいつも無表情で何を考えているかわからないような人で。

 こんなことあるはずない。これは夢。きっと私は夢を見てるんだ。

 じゃあ恐がらなくてもいいって事よね?



 彼も身体を覆っていたマントをはらりと落としたのだろうか衣擦れの音がした。

 思わずぎゅっと目を閉じてしまう。そうでなかったら彼の驚くほどの筋肉のオンパレードを見られていたかも…

 どうしてそう思ったかって?

 だってこれは夢の世界だから。

 そんなのどうでもいいんじゃない。

 それ以上考えても意味のない事だもの。

 プリムローズの思考は夢なんだと思った瞬間から変っていた。





 せっかくの逞しい筋肉が…その映像が脳内をよぎり私はひとり「ほぉぅ」と息を吐きだした。



 だって彼は鍛えているんだから多分逞しいはず。それにこれは夢なんだもの少しくらい見てもいいんじゃ?

 そんな事を考えたせいで驚く事にかすかにまぶたが開いてしまう。

 それでも顔を下半身に持って行かないように最善の注意を払いながら、微かに開いたまぶたの隙間からその彫像のような肉体に見惚れる。

 一体どうなっている。私の脳内は?



 

 何しろ今からこの男と…な事を?ってどうしてそんな事を妄想してしまう。

 取りあえず私はすでに何もつけない状態で横たわされていて身体を覆うものもなく彼の前にすべてを晒しているわけで。

 どうしてこんな事にって…これは夢だからに決まっている!

 それに吉田あかねの頃の記憶に夢が重なっただけの事…私だって付き合った人もいれば処女でもない。

 ただし、もう何年も彼氏はいなかったけど。

 だから一人妄想で乙女ゲームの男の子とそんな卑猥なことを妄想をするような事もあった。そんな事さえ今となっては懐かしいが。

 

 そんな事を考えた途端に肌の内側がひどくひりついて毛細血管の隅々までが覚醒したみたいにドクドク脈打つ気がする。

 見られている。彼の視線が私の身体を……

 そう考えただけで身体じゅう真っ赤になって行く。

 



 「こんな所でっていうのはどうもやりにくいな…すまん。プリムローズも嫌だよな。なるべく早く終わらせるつもりだから」

 こんなところって言うのはここが神聖な神殿の中だから、私は祭壇の上に寝転んでいて。

 どうしてって突っ込みたくなるがこれは夢だ。



 生まれたままの姿で横たわっているにもかかわらず寒さすらほとんど感じない。ここは神殿で周りの空間には冷たい空気が漂っているというのに。

 だから夢なんだって!

 そうでなければ私の脳の神経細胞がおかしくなっているとしか。

 「でも、ど、どうしてこんな事に…」

 上ずった声で聞く。もちろん顔は天井に向いたままで。本当はあなたとそんな事をするつもりはないと言いたいのにそんな事は言いにくくて。

 「どうしてって?…」

 言葉は途中で途切れ彼は少し口をとがらせたようだ。

 お互いこんな所で裸になって何をやってるんだと言わんばかりに。

 



 彼は確か20代半ばくらい。すこぶる端整な顔立ちで白金の髪色に紫水晶のように美しいの冷たい瞳。

 その表情は一切乱れることはなく何を考えているのかわからない。

 不気味で近寄りがたい。そんな男がどうして夢の中でこんなことを?



 そう簡単なことだ。これは夢なのだ。何でもありでいいじゃない。

 何も心配することなどあるはずがない。そうでしょう?

 そう自分に言い聞かせる。

 久しぶりのストレス発散だと思えばいいだけの事よ。

 またしてもせわしく脳内が記憶を繰り寄せた。



 「いやなら目を閉じていればいい」

 ふっと聞こえた低音の声に思わずはっとする。

 「やっぱり、こんなの間違ってるんじゃぁ…」

 「いいから黙ってプリムローズ」

 男の冷たくて薄い唇がプリムローズの首筋にそっと這わされ指先は肌を滑り始めた。

 その感触に あっ!と声が漏れた。

 夢なのに…こんな感触が??

 そんな風に感じるなんて思ってもいなかった。

 もう訳も分からないまま身を任せてしまいなさい。脳内でそんなささやきがした。

 「気持ち良かったら声出していいからな」

 耳孔の奥でそうささやかれてプリムローズは目をぎゅっと閉じた。

 でも…ほんとにいいのかと。

 「い、いきなり、そ、そんなところ触るなんて…ずるい」

 プリムローズの淡いピンク色の瞳と紫色の瞳がかち合う。

 彼は肩をすくめると目をすがめた。

 「そうか?でも結構感じてるみたいだが…それに女に痛い思いさせる趣味はない」

 信じられないほどの甘い声でそう言うと今度は唇を寄せる。

 彼の身体は私のすぐ横に沿わされていて嫌でも彼のきれいに整った筋肉が目に入って来る。

 「や、やめて」

 「じゃ、どうする?何もせずにただやれって?俺のやり方じゃないんだが」

 男が顔を上げてふっと笑って、プリムローズの顔にかかった乱れた甘いはちみつのような濃い金色の髪をそっと耳の後ろに押しやる。

 「それに寒くないか?ここ結構ひんやりしてるから、ふたりで身体重ねれば、温かくなるだろう…いいから、気を楽にして」



 私はただ身じろいでまた唇と両脚をぎゅっと閉じる。

 どういうつもりなんだろう?

 まるで好きな相手とするみたいにふたりで身体を重ねればですって?

 いや、何を真面目に考えているんだろう。これは夢でそんな演出なんかどうでもよくて!

 「いいから、任せろ!」

 彼は、いきなり肌を舌で舐め始める。

 「ひゃ、何するのよ!変態!」

 「いや、それはない。こうするの普通だから…でも、そんなに嫌なら仕方がない」

 男は諦めたのかプリムローズの身体から身を起こすと脚の方に身体をずらす。

 そしていきなり太ももの間に入り込んだ。

 「きゃぁ!もう、ど変態!」

 男がぷっと噴き出した。

 「言いにくいが、プリムローズは知ってるのか?」

 「知ってるわよ。それくらいの知識はあります!」

 私は真っ赤になりながらいきまいた。

 「じゃあ、準備できてるか確かめなきゃ…さあわかったら開いてくれないか?」

 はぁ?こんな現実的な夢ってあるの?

 

 プリムローズは全く淑女ではない態度でがばりと起き上がった。

 辺りを見回すが自分は服を着ていてひとり部屋にいた。辺りには人の気配すらない。

 (今のは何?夢なの。あんな現実的な夢がある?…そうだった。私は今日、自分が生贄として差し出されると知ったのだ。それでこんな夢を見たの?生贄と言うのは殺されるって思ったけどもしかして身体を差しだすって事?それにしてもあの凄く美形の人は誰なんだろう?夢にしてはやけに現実ぽい気がしたけど…)

 

 
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