22 / 40
22マクフォール領の実態(リント)
しおりを挟む俺はマクフォール領の診療所に入った時から異様な匂いに気づいた。
これは毒草の匂い。多分アサセンという薬草だろう。
竜人は人間よりはるかに能力が優れている。魔力も聴力や嗅覚、目もいい。
診療慮に入ると思った通り具合の悪い患者はアサセンの摂取した時の中毒症状を起こしていた。
だが、これほど多くの領民がどうして?
俺はすぐにクレイブに連絡を取る。伝えたい言葉をクレイブの脳内に送ると俺の言葉がクレイブに伝わる。
クレイブは今も俺の近くにいるはずだ。
【クレイブ。領内に怪しい毒草の栽培がないか調べてくれ】
【了解しました】
すぐにクレイブから返事が返って来た。
俺はミルフィの助手として患者の手当てに当たった。
昼食はもちろんミルフィが作ってくれたハンバーガーという食べものに卵焼き、それにアップルパイもうまかった。
まさに至福の時だった。ミルフィは一生懸命患者の治療に当たって疲れたらしい。
マクフォールの誘いもさっさと断わってくれて俺はすげぇ嬉しかった。
気をよくした俺は嫌がるミルフィをすかさず抱き上げたが、どうやらそれが嫌だったらしい。
かなりミルフィは機嫌を悪くさせたみたいだ。
ああ、いつになったら彼女は俺に心を開いてくれるんだろう。
俺の気持ちが伝わってないのか?いや、こんなに愛を伝えてるんだ。なのにうまく行かない。
カフェでは魚料理が気になったらしく、モドリって言う魚をうまそうに食べていて俺も必死で食らいついてあ~んしてもらった。
確かにあの魚はうまかった。
その後もマクフォールがまたミルフィのご機嫌を取ろうと必死だった。が。
ったく、ミルフィのそういうところ大好きだ。嫌な事ははっきり言うってところ。
だが、俺にまではっきり言うからそこは傷つくよな。
それから食堂に行って旨いものを見つけた時のミルフィの顔がまた可愛かった。
おばさんがあの調味料に興味を示した時は焦った。
あの調味料なピュタール国にしかないしな。
それにミルフィが何かに感づいた気がした。
何だかあんなに喜んでいるミルフィを傷つけるみたいな気がして俺はとっさに薄をついたけど何だか怪しんでたな。
でも、俺があの調味料を出していると気づかれたくなかった。
あんなことが出来るのもミルフィお前と番だからなんだって言いたかった。けど‥
あまり番、番って言うとミルフィは嫌がってるってわかってるから言えなかった。
それにしても美味しそうに食べるミルフィ可愛かったなぁ‥
食堂を出るとクレイブから連絡が届いた。
【毒草の事調べました。この領地やばいくらいいろんな毒草栽培してますよ。あんなたくさんの毒草一体何にするのか?それからマクフォールは闇ギルドともつながってるみたいです。俺はもう少しこの領地の事調べるつもりですけどいいですよね?】
【ああ、そうか。やっぱりあいつ何かあると思った。クレイブ気を付けて探ってくれ】
【リントさん。竜人なめてんすっか!任せて下さい】
【ああ、ミルフィは俺が目を離さず見ておくから心配するな】
【そんなの分かってますから。大切な番ですもんね。ああ~俺も番欲しいっす!】
【ああ、俺もお前にも見つかるよう祈ってるぞ】
【マジ?俺、頑張ります!】
クレイブからの連絡はそこで終わった。
そして帰りに俺は港でたくさんモドリを手に入れるとそれをフリーズさせて持って帰ることにした。
ミルフィには内緒だ。
ミルフィの喜ぶ顔が目に浮かんで俺が一人でニンマリしてたのは間違いない。
11
あなたにおすすめの小説
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。
【完結】番が見ているのでさようなら
堀 和三盆
恋愛
その視線に気が付いたのはいつ頃のことだっただろう。
焦がれるような。縋るような。睨みつけるような。
どこかから注がれる――番からのその視線。
俺は猫の獣人だ。
そして、その見た目の良さから獣人だけでなく人間からだってしょっちゅう告白をされる。いわゆるモテモテってやつだ。
だから女に困ったことはないし、生涯をたった一人に縛られるなんてバカみてえ。そんな風に思っていた。
なのに。
ある日、彼女の一人とのデート中にどこからかその視線を向けられた。正直、信じられなかった。急に体中が熱くなり、自分が興奮しているのが分かった。
しかし、感じるのは常に視線のみ。
コチラを見るだけで一向に姿を見せない番を無視し、俺は彼女達との逢瀬を楽しんだ――というよりは見せつけた。
……そうすることで番からの視線に変化が起きるから。
[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。
キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。
離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、
窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる