シャロンは気づいていなかった最低なジェリーが最高のジェリーフィシュだったことに

はなまる

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 わたしはそれからしばらくして彼に内緒で彼のアルバイト先のバーに出かけた。

 彼はずっと週末だけバーテンダーとしてアルバイトをしていた。

 「僕だって少しは働くよ。本も必要だし食費の一部くらいは出すから…」

 「ええ、ジェリーがそう言うなら、実はわたしもちょっときついの」彼の優しさがわたしはうれしかった。

 でもアルバイトはお金のためじゃなかったと気づくまでは…



 わたしは彼に気づかれないように、バーの隅っこの席に座った。そして愛するジェリーが働く姿を見ていた。カウンターできびきびと働く彼は頼もしかった。でもそのうち彼のいるカウンター席の前にブロンド美人が座った。

 その女性はジェリーに気があるみたいで、彼に声をかけて話を始めた。ジェリーは楽しそうに話をしている。わたしだってそれが営業スマイルだって思っていた。


 でもそのうちその女性が気分が悪いとか言い出して、ジェリーは彼女に付き添ってトイレに行った。それから15分?20分?ふたりは帰って来なかった。そしてふたりが一緒に帰って来た時…彼女の髪はくしゃくしゃで服も乱れていた。

 ジェリーは何もなかったような顔をしていたが、それが何を意味しているかくらい誰にでもわかることだった。



 わたしはその時初めて彼がいつもそうやって女とセックスを楽しんでいることを知った。わたしはまんまと罠にかかったおいしい餌に過ぎなかったことを…



 それからわたしはジェリーとのセックスに何かと文句を言った。彼が秘所を探り始めると、嫌だとはねつけた。

 わたしは彼の高まりを口に含んでも、彼が興奮して声を上げても、同じことを他の女としていると思うと興奮が冷めて行った。

 彼はわたしが燃え上がらないことに腹を立てて、無理やりにでもわたしを奪った。

 彼はわたしの中に入って来ると激しく突き立ててわたしをいかせようとした。ふたりの溝はどんどん深くなっていった。


 わたしは離婚さえも考え始めていた。とうとう役所で離婚届ももらって来た。


 そして数週間が経った。彼がバーのアルバイトから帰って来た夜だった。彼は香水のにおいをぷんぷんさせて帰って来た。それもお酒を飲んでご機嫌で…

 わたしはその夜、完全に彼を拒絶した。

 もういや……



 「わたしに触らないでよ!」

 「どうして?シャロン僕が触れるのがそんなに嫌な訳を言えよ!」

 「どうしてもよ。あなたが嫌いになったのよ。わからないの?あなたに触られると思うとぞっとするわ」

 「そんなの嘘に決まっている。僕にはわかる。シャロン君にすべてを教えたのは僕なんだ。それなのに…そんなことがあってたまるか!」



 わたしは本当のことをつかれて頭に来た。

 「あなたになんか会わなきゃよかった。あなたなんか最低のジェリーフィッシュよ!宿無しで女たらしで……もういいから、とにかくわたしの部屋から出て行ってよ。ここはわたしの部屋なのよ。今すぐに出て行って!それからこれにサインして!」わたしは離婚届を彼に叩きつけた。ジェリーがたまらなく憎かった。

 あの時のジェリーの顔が今も忘れられない。彼は引きつったような顔をして離婚届を見つめていた。



 そしてしばらくすると彼はスーツケースに荷物をまとめ始めた。そして出て行く前に離婚届にサインをした。いとも簡単に…すんなりと…もし別れるつもりがなかったらそんなことをするはずがない。



 そして彼はまったく感情のない顔で言った。怒っているとすぐに分かった。それに悲しそうだった。

 「わかったよシャロン。君の言う通りにしよう。僕たちは離婚した方がいいみたいだ。僕は出て行くよ。今までありがとう」彼はそれだけ言うと離婚届と部屋の鍵を置いてすぐに部屋から出て行った。

 それは2年半前の出来事だった。




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