53 / 133
迷宮都市編
9.迷宮に入る。それはまるで鬼
しおりを挟む
俺はこいつらを絶対に許さない。
迷宮に行くところを邪魔をするのも、仲間を傷つけようとするところも腹が立って仕方がない。
よし!ボコボコにしてやる!
そう思って体を少し前に進めようとするとサニーとアシルから止められた。
「え、どうして…」
「こういうのには慣れているの。私にやらせて」
と、鬼。じゃないサニーが言った。
「ごめんなゆうた、サニアはこうなったら、止まらないんだ。今回は譲ってあげてくれ」
「えぇ、」
断れないよ。
サニーの顔が怖いもん。俺が六歳の頃、母さんの大切にしてたブレスレットをちぎった時に怒った母さんの顔より怖い。
まあ、つまり怖いんだよ。
鬼。サニーは黙って、おっさんのところへ向かった。
「おお、女はお利口さんだなぁ!おら、てめぇもさっさと全部出…グベッ……」
おっさんは吹っ飛んだ。泡を吹いて倒れている。
後ろの五人はかなり焦っている。
二名逃げ出した。
逃げている間に三名がおっさんの上に塔のように積まれた。
二名は逃げられなかった。
二名は塔のように積まれた。
サニーが普通の顔になって戻ってきた。
「いつもは慣れているけど、友達をバカにされると流石に怒るよ」
そんなことを呟いていた。
「は、はは、ありがと!サニーは格闘家だったんだね!はは!」
「ふふっ、格闘家なわけないでしょう。精霊と契約しているんだから魔法を使うに決まってるよ。
でも近づかれても対処できるように少しだけかじってるって感じだね」
スコシダケカジッテイル?
はっ!骨までむしゃぶりついた後にかじったってことか。納得。
「へぇ!でもいい拳だったね!」
「ありがとう!」
塔になったおっさんたちを放置して、ついに、遂に!迷宮へ向かう。
「なぁ、アシル、サニーはいつもあぁなるのか?」
「バカ!もっと静かな声で話せ。エルフは耳がいいんだ」
「すまん、で、どうなんだ?」
「結論から言うといつもあんな感じだ。
でもいつもは裏路地に入ってから捌いているんだが、今日は完全に怒ってたな」
「そうか…」
そんな感じの話をしているうちに迷宮の前へ着いた。
やばいドキドキする。都市から出て少し歩いているあたりからドキドキが止まらない。
迷宮が今目の前にある。すげぇ。でけぇ!
ラガシュ迷宮は外から見るとかなり昔に神殿が建っていたと思わせるような遺跡で、中へ入ると地下へと繋がっているらしい。
地下には階層があり降りるたびに2層、3層と数える。
迷宮の謎なところはかなり深くまで層があるがそれが崩れないし、掘り起こせない事だ。
外から掘っても迷宮は現れない。中に入ってようやく迷宮となる。
つまり空間が歪んでいると言う事だ。
そんな謎な迷宮に入るために今俺は入場審査を受けているところだ。
「ライセンスを出してくれ」
そして全員がライセンスを見せると少し驚かれた。
「一人が銀級で三人が鉄級か……銀級は、シリルと言ったな。
迷宮は危険なところだ、絶対に全員を生かして帰ってこい」
迷宮の兵士のような人がそう言った。
「もちろんです、全員僕が守ります」
「そうか、では行っていいぞ。
…少年らは、気をつけろよ」
「「「はい」」」
いや、迷宮の兵士男前だな!!
いよいよ、迷宮に入る。
俺たちは一歩一歩と迷宮へ近づいていき遂に入口の目の前まで来た。
「ゆうたくん、準備はいいかい?ここからは魔物が跋扈する世界だ。気を引き締めてね」
「はい、大丈夫です!行きましょう!」
気を抜くもんか。気を抜いて前に死にかけてんだからな。
油断なんてしない。
俺たちは迷宮に入った。
入り口を通って目の前に現れたのは、洞窟だった。
すごいな、空間を飛んだみたいだ。中と外はまるで違う。
魔物の気配の数も段違いだし、下の階層の様子もわからない。
切り離された世界みたいだ。
「どうだいゆうたくん、変な感じがするでしょ?」
「はい、異世界って感じがします」
「僕も最初そう思ったよ。
確か、この階層の広さは迷宮都市二個分くらいかな。
洞窟の中は暗いし、迷路になっているから迷って死ぬとか、魔物に袋小路に追い込まれて死ぬなんて事もあるよ。
と言っても、この階層の地図は販売しているし、銅級なら魔物も、さほど苦労はしないけどね」
「へぇ~」
「ちなみにゆうた君が受けた依頼の三つはどれも2階層から出てくる魔物だね。
だから、さっさとこの階層を抜けちゃおうか」
と、パッと抜けて2層へ向かった。
一層の洞窟でおっきいダンゴムシや真っ黒なコウモリが出てきたが無視した。
二層は砂漠のような場所だ。
太陽があり、空がある。そして空気がカラカラとしている。
迷宮は階層ごとに環境が変わったりするのだ。
勇者物語って本で出てきた迷宮はマグマを超えると雪の国が広がっていて、急な温度変化に勇者たちは体調を崩していた。
それでも、耐えて攻略を果たし、伝説の武器を手に入れたと、書いてあった。
うん、どうでも良いね。
勇者たちのように体調を崩さないように、迷宮では、行く階層を絞ってその環境に適したアイテムを持って行くのがいいらしい。
「じゃあ、まずは、ダンスキャクタスを倒そうか。
ダンスキャクタスはすぐ見つかると思うし適当に歩いてみよう」
そう言って歩く事五分。
魔物の気配を放っている動かないサボテンを見つけた。
明らかにサボテンに擬態した魔物だ。
「あれが、ダンスキャクタス。
ここは環境が砂漠だからね、食料が尽きて迷った冒険者はサボテンを食べようとするんだよ。水分が補給できるし、食べ応えもあるからね。
そこをサボテンに擬態したダンスキャクタスが近づいてきた冒険者を食べるってわけさ」
さすが弱肉強食。
見た目はただのサボテンだが、怖いこともあるもんだ。
俺はダンスキャクタスに近づいて、危なげなく真っ二つにした。
息絶えたのを確認して、シリルさんのところへ戻った。
迷宮に行くところを邪魔をするのも、仲間を傷つけようとするところも腹が立って仕方がない。
よし!ボコボコにしてやる!
そう思って体を少し前に進めようとするとサニーとアシルから止められた。
「え、どうして…」
「こういうのには慣れているの。私にやらせて」
と、鬼。じゃないサニーが言った。
「ごめんなゆうた、サニアはこうなったら、止まらないんだ。今回は譲ってあげてくれ」
「えぇ、」
断れないよ。
サニーの顔が怖いもん。俺が六歳の頃、母さんの大切にしてたブレスレットをちぎった時に怒った母さんの顔より怖い。
まあ、つまり怖いんだよ。
鬼。サニーは黙って、おっさんのところへ向かった。
「おお、女はお利口さんだなぁ!おら、てめぇもさっさと全部出…グベッ……」
おっさんは吹っ飛んだ。泡を吹いて倒れている。
後ろの五人はかなり焦っている。
二名逃げ出した。
逃げている間に三名がおっさんの上に塔のように積まれた。
二名は逃げられなかった。
二名は塔のように積まれた。
サニーが普通の顔になって戻ってきた。
「いつもは慣れているけど、友達をバカにされると流石に怒るよ」
そんなことを呟いていた。
「は、はは、ありがと!サニーは格闘家だったんだね!はは!」
「ふふっ、格闘家なわけないでしょう。精霊と契約しているんだから魔法を使うに決まってるよ。
でも近づかれても対処できるように少しだけかじってるって感じだね」
スコシダケカジッテイル?
はっ!骨までむしゃぶりついた後にかじったってことか。納得。
「へぇ!でもいい拳だったね!」
「ありがとう!」
塔になったおっさんたちを放置して、ついに、遂に!迷宮へ向かう。
「なぁ、アシル、サニーはいつもあぁなるのか?」
「バカ!もっと静かな声で話せ。エルフは耳がいいんだ」
「すまん、で、どうなんだ?」
「結論から言うといつもあんな感じだ。
でもいつもは裏路地に入ってから捌いているんだが、今日は完全に怒ってたな」
「そうか…」
そんな感じの話をしているうちに迷宮の前へ着いた。
やばいドキドキする。都市から出て少し歩いているあたりからドキドキが止まらない。
迷宮が今目の前にある。すげぇ。でけぇ!
ラガシュ迷宮は外から見るとかなり昔に神殿が建っていたと思わせるような遺跡で、中へ入ると地下へと繋がっているらしい。
地下には階層があり降りるたびに2層、3層と数える。
迷宮の謎なところはかなり深くまで層があるがそれが崩れないし、掘り起こせない事だ。
外から掘っても迷宮は現れない。中に入ってようやく迷宮となる。
つまり空間が歪んでいると言う事だ。
そんな謎な迷宮に入るために今俺は入場審査を受けているところだ。
「ライセンスを出してくれ」
そして全員がライセンスを見せると少し驚かれた。
「一人が銀級で三人が鉄級か……銀級は、シリルと言ったな。
迷宮は危険なところだ、絶対に全員を生かして帰ってこい」
迷宮の兵士のような人がそう言った。
「もちろんです、全員僕が守ります」
「そうか、では行っていいぞ。
…少年らは、気をつけろよ」
「「「はい」」」
いや、迷宮の兵士男前だな!!
いよいよ、迷宮に入る。
俺たちは一歩一歩と迷宮へ近づいていき遂に入口の目の前まで来た。
「ゆうたくん、準備はいいかい?ここからは魔物が跋扈する世界だ。気を引き締めてね」
「はい、大丈夫です!行きましょう!」
気を抜くもんか。気を抜いて前に死にかけてんだからな。
油断なんてしない。
俺たちは迷宮に入った。
入り口を通って目の前に現れたのは、洞窟だった。
すごいな、空間を飛んだみたいだ。中と外はまるで違う。
魔物の気配の数も段違いだし、下の階層の様子もわからない。
切り離された世界みたいだ。
「どうだいゆうたくん、変な感じがするでしょ?」
「はい、異世界って感じがします」
「僕も最初そう思ったよ。
確か、この階層の広さは迷宮都市二個分くらいかな。
洞窟の中は暗いし、迷路になっているから迷って死ぬとか、魔物に袋小路に追い込まれて死ぬなんて事もあるよ。
と言っても、この階層の地図は販売しているし、銅級なら魔物も、さほど苦労はしないけどね」
「へぇ~」
「ちなみにゆうた君が受けた依頼の三つはどれも2階層から出てくる魔物だね。
だから、さっさとこの階層を抜けちゃおうか」
と、パッと抜けて2層へ向かった。
一層の洞窟でおっきいダンゴムシや真っ黒なコウモリが出てきたが無視した。
二層は砂漠のような場所だ。
太陽があり、空がある。そして空気がカラカラとしている。
迷宮は階層ごとに環境が変わったりするのだ。
勇者物語って本で出てきた迷宮はマグマを超えると雪の国が広がっていて、急な温度変化に勇者たちは体調を崩していた。
それでも、耐えて攻略を果たし、伝説の武器を手に入れたと、書いてあった。
うん、どうでも良いね。
勇者たちのように体調を崩さないように、迷宮では、行く階層を絞ってその環境に適したアイテムを持って行くのがいいらしい。
「じゃあ、まずは、ダンスキャクタスを倒そうか。
ダンスキャクタスはすぐ見つかると思うし適当に歩いてみよう」
そう言って歩く事五分。
魔物の気配を放っている動かないサボテンを見つけた。
明らかにサボテンに擬態した魔物だ。
「あれが、ダンスキャクタス。
ここは環境が砂漠だからね、食料が尽きて迷った冒険者はサボテンを食べようとするんだよ。水分が補給できるし、食べ応えもあるからね。
そこをサボテンに擬態したダンスキャクタスが近づいてきた冒険者を食べるってわけさ」
さすが弱肉強食。
見た目はただのサボテンだが、怖いこともあるもんだ。
俺はダンスキャクタスに近づいて、危なげなく真っ二つにした。
息絶えたのを確認して、シリルさんのところへ戻った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,812
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる