異世界に召喚された失格勇者はコンバットスーツで無双します ~いきなり俺を殺そうとした国王! てめえは許さねぇ!!~

三原みぱぱ

文字の大きさ
41 / 52

第41話 異世界の女達は恐ろしい

しおりを挟む
「側室ども、喧嘩を止めろ」

 アイリーンは高らかに叫んだ。
 あれ? これ戦いを止めてるようで、火に油を注いでない?。

「何言ってるニャ。マモルのパートナーは、初めからあたいニャ」
「マモルが領主となるためには、わたしと結婚するしかないのよ。だからわたしが正妻なのです」
「わたくしは、マモルにお母様共々助けられた恩があります」
「ボクはずっと、マモルくんを見てたんだよ」

 四人の女どもは俺を囲んで、自分がいかに俺との絆が強いか言い合い始めた。
 言い合うだけでは良いのだが、ヒートアップして誰かが実力行使をし始めたら収拾が付かなくなる。
 ヨシ、ここは俺がビシッと言うしかない。

「ちょっと皆、聞いてくれ」

 俺の言葉に、皆ビシッと静かに……しなかった。
 まるで俺の言葉など、全く耳に届かないように四者四様に言い合っていた。
 いかん、俺の威厳が全くないみたいじゃ無いか。
 俺は手を叩いて、皆の注意を引きつけることにした。

「はいはい、皆、静かにして、先生の話を聞いてください。話を聞かない子は先生、嫌いになっちゃいますよ~」
「ニャ!?」
「うそ!」
「えっ」
「……」

 俺の『嫌いになっちゃいますよ~』が聞いたのか、四人は驚きの声をあげて黙った。
 そして、八つの瞳が俺に釘付けになった。

「えー、皆が俺のことを好きなことは、よく分かったし、俺も皆のことが好きだ。しかし、まだ俺たちの国も、王国のことも、魔王軍のことも片付いていない。そこで、皆に提案がある」
「提案?」

 四つの声が重なり、俺の言葉を待っていた。
 まあ、クリスに関しては出会ってすぐのため、好きかどうかも分からないが、ここは嘘も方便ということで話を進めよう。

「皆の活躍に応じて、褒美を出そうと思う」
「褒美?」

 また、四人の声が綺麗に重なる。実はあんたら、仲いいやろ。と心の中でツッコみながら、彼女たちの疑問に答える。

「ああ、褒美だ。俺とデートだったり、食事だったり……ちゅーだったり」

 俺は顔を真っ赤にしながら、ご褒美の内容を発表した。

「ちゅーって、あのちゅーかニャ!?」
「私はもう、してもらったけどね」
「本気のキスで良いのですか?」

 ノアールの目が据わっている気がするのは、気のせいだよな。そういえば、ノアールは半サキュバスなんだよな。メイが解放されてから、なんだか、明るくなり、メイに似て色気が出てきた気がする。
 そのノアールが妖しげな瞳で俺に確認を取る。

「働き次第でお願いします」
「み、みんな、そんなに大胆なの?」

 元々いる三人の言葉に、クリスは驚きを隠せない。
 いや~、やっぱりそう思うでしょう。俺もなんだか麻痺してたんだな。まあ、ずっとクリスは王国側にいたんだから仕方が無いか。ん? そういえば、コイツは王国側の人間なんだよな。つまり、俺たちの敵。ここは立場をはっきりさせた方が良いな。

「ちなみに、これは俺たちの仲間にしか適用されません。どうする? クリス」
「え!?」
「あ、王国に対して義理があるなら、無理にとは言わないが」
「いいの? なる! 仲間に入る!」

 何の躊躇もなく、即答でクリスは答えた。
 そのクリスに走り寄る人影がひとつ。

「お姉様!」

 そうだった、異世界から呼び出されて、王国に何の思い入れのないクリスは俺たちの仲間になっても、王女たるアイレはそうはいかない。王女には勇者を王国に引き留める役目も担っているはずだ。

「お姉様だけ、ずるい! お姉さまだけ、恋人ができて、私にできないなんて不公平です」
「なんだ、王女も恋人が欲しいのか? でも、王女なら選り取り見取りじゃないのか?」
「私に寄ってくる来るのは軽薄で、体の一つも鍛えていないひょろっとしたイケメンばかりなのよ。真面目で大きくて。筋肉質ながっしりしたマッチョが私の好みなの!!」

 アイレの言葉に自然と一人の人物が、思い浮かんだ。

「もしかしたら、王女の条件に合った男を紹介できるかもしれないぞ」
「本当に!?」
「ただし、顔はお世辞にもイケメンとは言えないが、いいか?」
「何言ってるのよ! 男には性格と筋肉以上に大事な部分なんてないのよ」

 アイルはそう、きっぱりと言った。
 だったら、彼は理想的じゃないだろうか? まあ、彼の方が王女を気に入るかどうかは、別の問題だが、そこは王女に頑張ってもらおう。

「なあ、マモル。もしかして、マモルが言ってる人って、あの人かニャ?」
「それ以外に誰がいる? 仲介役よろしく!」
「いやニャ~!!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉
ファンタジー
 王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。  実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?  過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

処理中です...