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犯人からの謝罪(絶対に反省してないだろ!)
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翌日、穏やかな風が心地好い麗らかな昼下がりにコンスタンティナは王宮の庭園をフロヒオンと散策していた。
王宮にはたくさんの庭がある。今日来ている場所は昨日の園遊会が行われた中央庭園の反対側。かなり人気のない、王族の許可無く入る事のできない封じられし庭園である。
その昔、狂った妖精を封じ、その妖精の手向けにと妖精が好む太陽の花を植えたこの庭がコンスタンティナのお気に入りである。
たぶん前世の記憶を思い出す前から私の脳は成也の中二病に侵されていたに違いない。
この、曰く付きの庭園で王族が定期的に魔力を注ぐ魔石がある。たぶんそれが狂った妖精を封じている魔石なのだろう。
その魔石にフロヒオンが魔力を注ぐのを見ながらもコンスタンティナは自分が成也の記憶を思い出した事、なぜ女の子にしたんだボケー!と慶吾への恨み言、でもぶっちゃけ性別以外は別に問題無い事、むしろまた慶吾とバカやれるから嬉しい事を、いつの間にかするすると話していた。
ん?コンスタンティナだからかしら?以前の成也なら絶対に恥ずか死ぬ!と口にしなかったであろう事を口にしつつ首を傾げた。
「ぶっちゃけ性別は俺がこだわって女の子に設定させてもらった!」
「なんでそこ、そんなにこだわった!俺はまた男に生まれ変わるって信じてたのに!」
地団駄を踏みながら、顔をあげればニヤリとせせら笑う慶吾の笑い方が。
懐かしいなと思ったが、この笑い方知ってる。
中二病を発症した時の笑い方だわ。
「なぜかって?お前、男の、いや俺の夢を知ってるだろ?」
こいつの夢?
慶吾は資産家の息子で、しかし妾さんの子だったもんだから躾という名の嫌がらせや虐待を当たり前に成長していた。
普通だったらそんな目にあったら擦れた人間になったり、コミュニケーションが取れなかったりと様々な問題を抱えた人間になっていたはずだ。
なのに慶吾はいつも毅然としていた。
家を出ると決まった時しか涙なんて見せなかった。多少腹黒さはあるけど。慶吾はいい子だったのだ。
そんな慶吾の趣味はRPGやMMO、ギャルゲーと多岐にわたるゲームだろう。
聖戦当日。追い込まれた俺たちの騎士団は待たせたな!とやって来た慶吾の活躍で聖戦に勝ち進んだ。レアアイテムやキャラをガッポガッポで…
あ、話が逸れた…
そんな慶吾の夢とは何か。
俺の理想の嫁育成だ。
チャラい、ケバい、軽い女の子が大嫌いな慶吾の顔面偏差値はヤバいくらい高かった。モテモテである。肉食系女子にか弱く儚い慶吾好みの女子は蹴散らされ、逆に肉食系女子に強引に迫られていた慶吾。
しかし、慶吾は全ての女の子の告白を断っていた。
当時ハマっていたギャルゲーの攻略対象だったのは花の妖精姫だったか?
確か、白っぽい髪で、ピンクの夢見る瞳の。
あれ?それは一個前だっけ?
とりあえず、この男、銀髪が大好物だ。
紫やらピンクやら薄い水色の瞳のあどけない、ちんまい美少女なんかが…大好物…
ほぁッ!
俺じゃん!
いや、落ち着くのよ、コンスタンティナ!
私、そうよ、私よ!そう、その慶吾の大好物の容姿、私じゃないか!(ドン引き)
「ちょ、待って成也、いやコンスタンティナ!なんでそんなドン引きした顔をしてるのかな?」
「だって、慶……フロヒオン様。変態ですわ!私をこんな姿にして…」
「わぁー、その言い方はヤバイね?私がコンスタンティナを襲ってるみたいに聴こえるよ。」
「…………………」
「……す、すまん」
コンスタンティナの冷たい眼差しにフロヒオンはすごすごと謝罪した。まるで心のこもって無いヤツだ。
この空間での話しは魔石の守りのおかげか外には聞こえない。
ただし、姿は見えるようになっているので護衛の騎士達や従者や侍女達は庭園の入り口で待機している。
「でもさ、コンスタンティナ。君に私の嫁になってもらう為にこの転生をしたと言っても過言では無いんだけど…(下心が10割)」
「心の声に更にドン引きですわ」
王宮にはたくさんの庭がある。今日来ている場所は昨日の園遊会が行われた中央庭園の反対側。かなり人気のない、王族の許可無く入る事のできない封じられし庭園である。
その昔、狂った妖精を封じ、その妖精の手向けにと妖精が好む太陽の花を植えたこの庭がコンスタンティナのお気に入りである。
たぶん前世の記憶を思い出す前から私の脳は成也の中二病に侵されていたに違いない。
この、曰く付きの庭園で王族が定期的に魔力を注ぐ魔石がある。たぶんそれが狂った妖精を封じている魔石なのだろう。
その魔石にフロヒオンが魔力を注ぐのを見ながらもコンスタンティナは自分が成也の記憶を思い出した事、なぜ女の子にしたんだボケー!と慶吾への恨み言、でもぶっちゃけ性別以外は別に問題無い事、むしろまた慶吾とバカやれるから嬉しい事を、いつの間にかするすると話していた。
ん?コンスタンティナだからかしら?以前の成也なら絶対に恥ずか死ぬ!と口にしなかったであろう事を口にしつつ首を傾げた。
「ぶっちゃけ性別は俺がこだわって女の子に設定させてもらった!」
「なんでそこ、そんなにこだわった!俺はまた男に生まれ変わるって信じてたのに!」
地団駄を踏みながら、顔をあげればニヤリとせせら笑う慶吾の笑い方が。
懐かしいなと思ったが、この笑い方知ってる。
中二病を発症した時の笑い方だわ。
「なぜかって?お前、男の、いや俺の夢を知ってるだろ?」
こいつの夢?
慶吾は資産家の息子で、しかし妾さんの子だったもんだから躾という名の嫌がらせや虐待を当たり前に成長していた。
普通だったらそんな目にあったら擦れた人間になったり、コミュニケーションが取れなかったりと様々な問題を抱えた人間になっていたはずだ。
なのに慶吾はいつも毅然としていた。
家を出ると決まった時しか涙なんて見せなかった。多少腹黒さはあるけど。慶吾はいい子だったのだ。
そんな慶吾の趣味はRPGやMMO、ギャルゲーと多岐にわたるゲームだろう。
聖戦当日。追い込まれた俺たちの騎士団は待たせたな!とやって来た慶吾の活躍で聖戦に勝ち進んだ。レアアイテムやキャラをガッポガッポで…
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俺の理想の嫁育成だ。
チャラい、ケバい、軽い女の子が大嫌いな慶吾の顔面偏差値はヤバいくらい高かった。モテモテである。肉食系女子にか弱く儚い慶吾好みの女子は蹴散らされ、逆に肉食系女子に強引に迫られていた慶吾。
しかし、慶吾は全ての女の子の告白を断っていた。
当時ハマっていたギャルゲーの攻略対象だったのは花の妖精姫だったか?
確か、白っぽい髪で、ピンクの夢見る瞳の。
あれ?それは一個前だっけ?
とりあえず、この男、銀髪が大好物だ。
紫やらピンクやら薄い水色の瞳のあどけない、ちんまい美少女なんかが…大好物…
ほぁッ!
俺じゃん!
いや、落ち着くのよ、コンスタンティナ!
私、そうよ、私よ!そう、その慶吾の大好物の容姿、私じゃないか!(ドン引き)
「ちょ、待って成也、いやコンスタンティナ!なんでそんなドン引きした顔をしてるのかな?」
「だって、慶……フロヒオン様。変態ですわ!私をこんな姿にして…」
「わぁー、その言い方はヤバイね?私がコンスタンティナを襲ってるみたいに聴こえるよ。」
「…………………」
「……す、すまん」
コンスタンティナの冷たい眼差しにフロヒオンはすごすごと謝罪した。まるで心のこもって無いヤツだ。
この空間での話しは魔石の守りのおかげか外には聞こえない。
ただし、姿は見えるようになっているので護衛の騎士達や従者や侍女達は庭園の入り口で待機している。
「でもさ、コンスタンティナ。君に私の嫁になってもらう為にこの転生をしたと言っても過言では無いんだけど…(下心が10割)」
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