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旅の始まり
途中の町で
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『まだ狩りを続けるのか? 宿に泊まるのであれば、ネコの姿だとはいえ、今から向かわんと日が沈んでしまうぞ?』
シャンテに促され、猫の姿で移動を始めた。
その途中でも突進してきたチューチルが勝手に吹っ飛び死んでくれたので、尻尾だけは回収しておいた。
走っているとまた速度が上がっていくのを感じる。
ここまで来るとスピードが上がっていくのが楽しくて仕方がない。
途中、何個かの村はあったのだが、小さすぎる村なので宿屋はないだろうと踏んで、町まで走り続けた。
夕方になる前にたどり着いたのは『シウイ』という町で、俺の故郷の『ペハン』の町と同じくらいの大きさで、国境に一番近いペハンより栄えているようだ。
町に入る前に人に戻り、買取をしてくれるだろう商店を探した。
肉屋を発見し、買取をしてくれるか尋ねてみると
「今、ウサータの肉があんまり入ってこないんだよ。持ってるなら高く買取るぜ」
と言われた。
カバンの中には十匹ほどのウサータが入っていたが、全て出すのもどうかと思い、三匹だけ売ってみることにしたのだが、カバンからウサータを取り出しただけで、肉屋のオヤジのテンションが上がった。
「兄ちゃん! 若いのに収納カバン持ちかい!? しかもウサータが三匹も入るなんて、もしや、名の知れたハンターか?」
「は? いや、駆け出しのペーペーだが……」
「いやいや、そんなカバンを持ち歩けるなんざ、相当強いに違いねぇ! 謙虚なんだな」
意味が分かるずキョトンとしていると、肉屋のオヤジがそれに気付いた。
「兄ちゃん、知らないのか? 最近は、ハンターを狙って身ぐるみをはぐハンター狩りが横行しててよ。この辺にゃ余程強いハンターじゃなきゃ近寄らねぇのよ。だからウサータの肉もなかなか入ってこなくなっちまってな」
「そうなのか……」
ハンター狩りとは物騒な話だ。
まぁ、俺の場合は猫になって移動すれば並の人間なら追い付けないだろうから問題はないだろうが。
「兄ちゃんも気を付けろよ!」
ウサータを買い取ってくれた肉屋のオヤジは満面の笑みで俺を見送ってくれた。
ウサータは思った以上に高値で買い取ってもらえ、これならこの町で三泊は過ごせそうだ。
そんなに長居するつもりはないが。
シャンテにはシャツの胸ポケットに入ってもらっているが、何やら不満そうである。
卵でも窮屈さを感じるのだろうか?
宿屋に向かう途中、雑貨屋を見付けて中に入った。
「紐はあるか?」
「ここにありますよ」
カウンターの横にある小さな箱の中に入った紐の中から、落ち着いた赤い紐と紺色の紐を数本選び購入した。
宿屋は町の中心部から少しだけ離れたところに数軒建っていた。
「どこがいいんだろうな?」
迷って立ち止まっていると、クイクイとシャツが引っ張られた。
「ん?」
見ると七、八歳くらいの女の子が俺のシャツを掴んでいた。
「宿を探してるの?」
「そうだよ?」
「じゃ、うちに泊まって?」
「うち?」
「あそこ」
女の子が指さしたのは、一番奥ばった場所に建っている小さな建物だった。
「あそこは宿屋なのかな?」
「うん! お母さんがやってるの!」
「そうか……じゃあ、そこにしようかな」
「やったー!」
キャッキャと喜ぶ女の子は見ていてほのぼのする。
女の子に手を引かれ、宿屋の中に入った。
外から見た感じでは、何とも貧相に見えたのだが、建物は古そうだがきちんと手入れが行き届いていて、清潔感があった。
「お母さぁぁん! お客さんだよぉぉお!」
女の子が大声でそう叫ぶと、奥からパタパタと足音が聞こえ、女の子とよく似た女性が姿を現した。
「すみません、お待たせしました。ご宿泊ですか?」
「はい、急で申し訳ないんですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。部屋は空いていますので」
「では、とりあえず二泊、お願い出来ますか?」
「はい! ようこそ、アンリの宿屋へ!」
看板がなかったので分からなかったが、ここはアンリの宿屋というらしい。
きっとこの女性がアンリさんなのだろう。
案内された部屋は柔らかい日差しの差し込む部屋で、建物が低いせいか景色は良くはないが、きちんと整えられており、質素ながら清潔感があった。
何より風呂付きなのが有難い。
宿によっては大衆浴場しかないところがあるが、大衆浴場は苦手だ。
貯めおきされた湯に何人もの人間が入るため、朝一でなければ湯が汚れているし、湯量が減るとそこに湯が追加されるだけなので、結局汚いままなのだ。
魔法のおかげで水道があるのだから掛け流しにでもしてくれればいいのだが、そういう考えは起きないらしい。
俺が潔癖気味なのか、この世界の人間が気にしなさすぎなのかは分からないが、身を清める風呂は綺麗であって欲しい。
荷物を起き、シャンテをテーブルの上に起き、先程買った赤い紐を取り出した。
『紐などどうするのだ?』
「ふふん、まぁ見てな」
ざっくりと紐を指で編みネット状の袋を作った。
「ちょっと悪いな」
シャンテを摘むと、出来上がった袋にそっと入れてみた。
目測で編んでみたのだが、我ながら驚くほどピッタリに出来ている。
『我を入れる袋だったのか?』
「いや、まだまだこれからよ!」
袋からシャンテを取り出し、またテーブルの上に戻すと、今度は紺色の紐をテーブルの上で固定させ編み上げていく。
魔法が使えなかった俺は、ありとあらゆる雑用を請け負ってきた。
その中には紐を編み上げてまじない用のアクセサリーを作るなんてものもあり、せっせと何十本も作った経験があったのだ。
それがまさかこんな時に役立つとは思っていなかったが、何でもやっておいて良かった。
編んだ紐を袋に取り付け、シャンテを再び袋に入れ、首から下げた。
「これならシャンテも景色を楽しめるだろう?」
『紐で我用のネックレスを作っておったのか! アースはなかなか器用なのだな』
シャンテの声が明るかった。
シャンテに促され、猫の姿で移動を始めた。
その途中でも突進してきたチューチルが勝手に吹っ飛び死んでくれたので、尻尾だけは回収しておいた。
走っているとまた速度が上がっていくのを感じる。
ここまで来るとスピードが上がっていくのが楽しくて仕方がない。
途中、何個かの村はあったのだが、小さすぎる村なので宿屋はないだろうと踏んで、町まで走り続けた。
夕方になる前にたどり着いたのは『シウイ』という町で、俺の故郷の『ペハン』の町と同じくらいの大きさで、国境に一番近いペハンより栄えているようだ。
町に入る前に人に戻り、買取をしてくれるだろう商店を探した。
肉屋を発見し、買取をしてくれるか尋ねてみると
「今、ウサータの肉があんまり入ってこないんだよ。持ってるなら高く買取るぜ」
と言われた。
カバンの中には十匹ほどのウサータが入っていたが、全て出すのもどうかと思い、三匹だけ売ってみることにしたのだが、カバンからウサータを取り出しただけで、肉屋のオヤジのテンションが上がった。
「兄ちゃん! 若いのに収納カバン持ちかい!? しかもウサータが三匹も入るなんて、もしや、名の知れたハンターか?」
「は? いや、駆け出しのペーペーだが……」
「いやいや、そんなカバンを持ち歩けるなんざ、相当強いに違いねぇ! 謙虚なんだな」
意味が分かるずキョトンとしていると、肉屋のオヤジがそれに気付いた。
「兄ちゃん、知らないのか? 最近は、ハンターを狙って身ぐるみをはぐハンター狩りが横行しててよ。この辺にゃ余程強いハンターじゃなきゃ近寄らねぇのよ。だからウサータの肉もなかなか入ってこなくなっちまってな」
「そうなのか……」
ハンター狩りとは物騒な話だ。
まぁ、俺の場合は猫になって移動すれば並の人間なら追い付けないだろうから問題はないだろうが。
「兄ちゃんも気を付けろよ!」
ウサータを買い取ってくれた肉屋のオヤジは満面の笑みで俺を見送ってくれた。
ウサータは思った以上に高値で買い取ってもらえ、これならこの町で三泊は過ごせそうだ。
そんなに長居するつもりはないが。
シャンテにはシャツの胸ポケットに入ってもらっているが、何やら不満そうである。
卵でも窮屈さを感じるのだろうか?
宿屋に向かう途中、雑貨屋を見付けて中に入った。
「紐はあるか?」
「ここにありますよ」
カウンターの横にある小さな箱の中に入った紐の中から、落ち着いた赤い紐と紺色の紐を数本選び購入した。
宿屋は町の中心部から少しだけ離れたところに数軒建っていた。
「どこがいいんだろうな?」
迷って立ち止まっていると、クイクイとシャツが引っ張られた。
「ん?」
見ると七、八歳くらいの女の子が俺のシャツを掴んでいた。
「宿を探してるの?」
「そうだよ?」
「じゃ、うちに泊まって?」
「うち?」
「あそこ」
女の子が指さしたのは、一番奥ばった場所に建っている小さな建物だった。
「あそこは宿屋なのかな?」
「うん! お母さんがやってるの!」
「そうか……じゃあ、そこにしようかな」
「やったー!」
キャッキャと喜ぶ女の子は見ていてほのぼのする。
女の子に手を引かれ、宿屋の中に入った。
外から見た感じでは、何とも貧相に見えたのだが、建物は古そうだがきちんと手入れが行き届いていて、清潔感があった。
「お母さぁぁん! お客さんだよぉぉお!」
女の子が大声でそう叫ぶと、奥からパタパタと足音が聞こえ、女の子とよく似た女性が姿を現した。
「すみません、お待たせしました。ご宿泊ですか?」
「はい、急で申し訳ないんですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。部屋は空いていますので」
「では、とりあえず二泊、お願い出来ますか?」
「はい! ようこそ、アンリの宿屋へ!」
看板がなかったので分からなかったが、ここはアンリの宿屋というらしい。
きっとこの女性がアンリさんなのだろう。
案内された部屋は柔らかい日差しの差し込む部屋で、建物が低いせいか景色は良くはないが、きちんと整えられており、質素ながら清潔感があった。
何より風呂付きなのが有難い。
宿によっては大衆浴場しかないところがあるが、大衆浴場は苦手だ。
貯めおきされた湯に何人もの人間が入るため、朝一でなければ湯が汚れているし、湯量が減るとそこに湯が追加されるだけなので、結局汚いままなのだ。
魔法のおかげで水道があるのだから掛け流しにでもしてくれればいいのだが、そういう考えは起きないらしい。
俺が潔癖気味なのか、この世界の人間が気にしなさすぎなのかは分からないが、身を清める風呂は綺麗であって欲しい。
荷物を起き、シャンテをテーブルの上に起き、先程買った赤い紐を取り出した。
『紐などどうするのだ?』
「ふふん、まぁ見てな」
ざっくりと紐を指で編みネット状の袋を作った。
「ちょっと悪いな」
シャンテを摘むと、出来上がった袋にそっと入れてみた。
目測で編んでみたのだが、我ながら驚くほどピッタリに出来ている。
『我を入れる袋だったのか?』
「いや、まだまだこれからよ!」
袋からシャンテを取り出し、またテーブルの上に戻すと、今度は紺色の紐をテーブルの上で固定させ編み上げていく。
魔法が使えなかった俺は、ありとあらゆる雑用を請け負ってきた。
その中には紐を編み上げてまじない用のアクセサリーを作るなんてものもあり、せっせと何十本も作った経験があったのだ。
それがまさかこんな時に役立つとは思っていなかったが、何でもやっておいて良かった。
編んだ紐を袋に取り付け、シャンテを再び袋に入れ、首から下げた。
「これならシャンテも景色を楽しめるだろう?」
『紐で我用のネックレスを作っておったのか! アースはなかなか器用なのだな』
シャンテの声が明るかった。
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※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
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