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第9話 リーダーからの連絡
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まずはこの部屋を出て廊下の様子を伺う。制圧があらかた終わったのか静かになっていた。
「どこへ行けばいいんだろう?」
「敵の狙いはご主人様ですから、おそらくリーダーはご主人様の教室にいると思われます」
「何だって僕なんかを……」
「もう知っておられるのでは?」
「ああ、そうだったね」
「さあ、行きましょう」
「うん」
僕達はすぐに部屋を出ると、廊下を静かに駆け抜けた。
廊下は走ってはいけないが今は非常事態だ。許してもらおう。
僕たちの教室は二階にある。階段を上がろうとした時だった。上からロボットが姿を現した。
「隠れろ!」
「ひゃん!」
すぐに横の暗がりにメアリを連れて駆け込む。息を潜ませているとロボットは気づかずにそのまま通り過ぎていった。
「危なかったね……」
「はい……」
メアリが小声で囁く。僕は動こうとしてメアリと密着している事に気が付いた。彼女の柔らかい体が僕に押しつけられている。
「あ、ごめん」
「いえ、いいんです」
僕達は慌てて離れた。
「あ、こんな事しなくてもメアリなら敵に襲われないのかな?」
「いえ、私の裏切りもそろそろバレていると思いますから……」
そう話しているとメアリの通信機に着信があった。おそらく敵のリーダーからだ。メアリの緊張した顔がそう伝えている。
僕が出るように目線で伝えると、メアリは緊張しながら通信機を手に取った。それに出ると会話が始まる。
『メアリ、そちらの様子はどうだ?』
「うん、今のところは順調だよ」
どうやら相手はやはり敵のリーダーのようだ。僕はそれを盗み聞きする。
『潜入任務はご苦労だった。おかげで容易く侵入ができた。だが、目的の物が見つからない。心当たりはあるか?』
「うーん、ちょっと分かりません」
メアリは惚けているが、僕には分かる。彼女は嘘をついている。
だって敵の目的である僕はここにいるんだから。
その嘘の匂いを敵のリーダーも感じ取ったようだ。声が不穏な物に変わった。
『そうか……では質問を変えよう。お前の本当の所属はどこだ?』
「え!? それは……」
『ターゲットに絆されたのではあるまいな。お前は私の物だ。勝手な真似は許されない』
「……」
メアリの肩が震えている。敵のリーダーは引き下がる気はないようだ。さらに質問を重ねてくる。
『もう一度訊ねるぞ。貴様は誰のものだ!』
「私は……」
もう聞いちゃいられなかった。僕はメアリから通信機を奪うと声を大にして言ってやった。
「メアリは僕のメイドだよ! 彼女は誰にも渡さない! たとえ相手がテロリストだろうともね!!」
『な!?』
いきなり現れた僕の声に驚いたのかリーダーの言葉が止まる。僕は通信機を投げ捨てるとすかさずメアリの手を取って走り出した。
「逃げるよ! 早く!」
「はい!!」
僕たちは敵のリーダーのいる教室に向かうつもりでいた。だが、こちらの存在を知られた今うかつに飛び込むのは危険だろう。
それにメアリを奴に会わせたくない。だから逃げる事を選択する。
「ご主人様! どこに向かわれるんですか!?」
「知らないよ! とにかく敵のいないところだ! 今は逃げ回るしかない!」
「そんな……」
「とにかく今は走るんだ!」
僕たちは必死になって走った。敵は僕たちを逃がすつもりは無いらしく、背後から銃撃してくる。僕とメアリは身を低くして、なんとか銃弾を避けながら走る。
「ご主人様、こっちです!」
「ああ!」
敵に前後を挟まれた僕達はすぐそこにあった階段を駆け上がる。そして、屋上までやってきた。
「どこへ行けばいいんだろう?」
「敵の狙いはご主人様ですから、おそらくリーダーはご主人様の教室にいると思われます」
「何だって僕なんかを……」
「もう知っておられるのでは?」
「ああ、そうだったね」
「さあ、行きましょう」
「うん」
僕達はすぐに部屋を出ると、廊下を静かに駆け抜けた。
廊下は走ってはいけないが今は非常事態だ。許してもらおう。
僕たちの教室は二階にある。階段を上がろうとした時だった。上からロボットが姿を現した。
「隠れろ!」
「ひゃん!」
すぐに横の暗がりにメアリを連れて駆け込む。息を潜ませているとロボットは気づかずにそのまま通り過ぎていった。
「危なかったね……」
「はい……」
メアリが小声で囁く。僕は動こうとしてメアリと密着している事に気が付いた。彼女の柔らかい体が僕に押しつけられている。
「あ、ごめん」
「いえ、いいんです」
僕達は慌てて離れた。
「あ、こんな事しなくてもメアリなら敵に襲われないのかな?」
「いえ、私の裏切りもそろそろバレていると思いますから……」
そう話しているとメアリの通信機に着信があった。おそらく敵のリーダーからだ。メアリの緊張した顔がそう伝えている。
僕が出るように目線で伝えると、メアリは緊張しながら通信機を手に取った。それに出ると会話が始まる。
『メアリ、そちらの様子はどうだ?』
「うん、今のところは順調だよ」
どうやら相手はやはり敵のリーダーのようだ。僕はそれを盗み聞きする。
『潜入任務はご苦労だった。おかげで容易く侵入ができた。だが、目的の物が見つからない。心当たりはあるか?』
「うーん、ちょっと分かりません」
メアリは惚けているが、僕には分かる。彼女は嘘をついている。
だって敵の目的である僕はここにいるんだから。
その嘘の匂いを敵のリーダーも感じ取ったようだ。声が不穏な物に変わった。
『そうか……では質問を変えよう。お前の本当の所属はどこだ?』
「え!? それは……」
『ターゲットに絆されたのではあるまいな。お前は私の物だ。勝手な真似は許されない』
「……」
メアリの肩が震えている。敵のリーダーは引き下がる気はないようだ。さらに質問を重ねてくる。
『もう一度訊ねるぞ。貴様は誰のものだ!』
「私は……」
もう聞いちゃいられなかった。僕はメアリから通信機を奪うと声を大にして言ってやった。
「メアリは僕のメイドだよ! 彼女は誰にも渡さない! たとえ相手がテロリストだろうともね!!」
『な!?』
いきなり現れた僕の声に驚いたのかリーダーの言葉が止まる。僕は通信機を投げ捨てるとすかさずメアリの手を取って走り出した。
「逃げるよ! 早く!」
「はい!!」
僕たちは敵のリーダーのいる教室に向かうつもりでいた。だが、こちらの存在を知られた今うかつに飛び込むのは危険だろう。
それにメアリを奴に会わせたくない。だから逃げる事を選択する。
「ご主人様! どこに向かわれるんですか!?」
「知らないよ! とにかく敵のいないところだ! 今は逃げ回るしかない!」
「そんな……」
「とにかく今は走るんだ!」
僕たちは必死になって走った。敵は僕たちを逃がすつもりは無いらしく、背後から銃撃してくる。僕とメアリは身を低くして、なんとか銃弾を避けながら走る。
「ご主人様、こっちです!」
「ああ!」
敵に前後を挟まれた僕達はすぐそこにあった階段を駆け上がる。そして、屋上までやってきた。
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