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プロローグ〜出会い〜
しおりを挟む俺は朝の満員電車に揺られ、登校していた。
また、だるい電車通学が始まるのかと、音楽をスマホから聞きながら考えていた。
高校二年目の春の始まりは、まるで進級おめでとうと言わんばかりの晴天だった。
学校に着くと、聞こえてくるわめき声。
「同じクラスだね!!」「また一緒だ!!」「うわ、あいつと一緒かよ。」「教室遠いなぁ。」
聞こえてくる声の正体は、クラス替えの結果を見た生徒の色々な反応だった。
俺は、心の中で、
「どこでも一緒だって。」と呟いた。
すると、隣りにいた女の子が呟いていた。
「どこのクラスでも同じなのに。」
ねー、と同意を求めてくるような、言い方だった。
俺は顔も見ず、聞こえないふりをして決められた教室へ歩きだした。
教室に入ると同時に、友人の白川健人が飛びついてきた。
「よっ、中井!!同じクラスになれたな。」
「知らなかった、ごめん、よろしく。」
「おい、ちゃんと見とけよー、そうだ!!宿題の答え、見せてくれよ!!」
そう言って、白川は自分の席に座る。
俺は、絶対に嫌だと心に決めた。
というより、「俺もしてきた記憶ないぞ」と言いたくなった。
そして、俺は自分の席を探した。教室の真ん中くらいにあった。座席は男女混合みたいだ。
2年生になり、初めてのチャイムが鳴り響く。
俺は慌てて自分の席に着いた。
担任は、見た目30代の女性の先生で、奥野という名前らしい。
先生の話が一通り終わり、始業式も終わり。
2年生最初の授業は終わった。
あとは、終礼まで休憩時間になった。
俺は席に座ると、左隣りから、声が聞こえる。
「ねぇ、ねぇ、君、名前は?」
女の子の声、どこかで聞いたような声だった。
「俺は中井優、そういう君は?」
「分からない?さっき私、声をかけてたんだよ。」
何秒か考え、声の記憶を辿ると一つの答えに辿り着いた。
「もしかして、クラス表の振り分けを見てたときか。」
「そうだよ。」
声だけ聞いて、名前が分かるはずないと思っているときに、彼女は言った。
「私の名前は、田辺唯、よろしくね。」
整った顔立ちのその子は、少し大人びた感じに見えた。
俺は適当に「よろしく」と言った。
そして、彼女は俺を見るなり、話してきた。
「今日暇?このあと、時間ある?」
特に部活にも入っていなかったので、彼女の誘いに乗った。
彼女は嬉しそうな顔して
「じゃあ、終わったら話そ。」
これが、中井優と、田辺唯の最初の会話だった。
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